ガイヤーホフ グリューナー・フェルトリナー・シュタインライトン08
先日のお鮨とオーストリーワインの会のワイン、続いてはグリューナーです。グリューナー・フェルトリナー・シュタインライトン08。生産者はガイヤーホフ。クレムスタールの、16世紀から続いているという老舗ワイナリーで、ビオディナミの第一人者であるニコライホーフのクリスティーネ・サース女史の妹であるイルゼ・マイヤー女史が手がけるワイナリーとしても有名でしょうか。こちらは、ビオロジックを実践しています。価格は、写真のお店で3601円。色は薄い黄色。典型的なドイツ語圏の若い辛口白ワインの色合いですね。香りも、典型的なグリューナーのもので、グリューナーについて知りたい、という方にもオススメできるレベルです。白胡椒を思わせるスパイスのニュアンスとやや石灰的なミネラルの香りがはっきりと感じられ、そこにグレープフルーツやミカン、ライム、カボスといった柑橘類や、それら柑橘類の皮といった要素が加わります。また、定番のカモミールやタイムなどのハーブの香りやリンゴないしライチっぽいニュアンス、白い花、蜜っぽさといったものも感じられました。味わいは、繊細な果実味とブライトな飲み口が印象的な辛口。果実味は、強く出がちなこの品種にあってかなり抑えが効いています。ミネラル感はかなりしっかりあり、香りに違わぬ石灰系。エキス分と相まって、透明感、骨格といった要素を感じられます。酸は、果実味よりはやや存在感がありつつ、ミネラルよりは大人しいといったところで、この辺もグリュナーらしさを感じられますね。ボディはミディアムライトで、やはり後口には少々の苦味が。会では、お椀ものの辺りからちょっとづつ飲みはじめましたが、面白かったのがお椀との相性です。出汁の効いたお汁や白魚とよく合っていました。やはりこの品種は旨みとよく合います。また、同様の理由でかサワラの昆布締めともいい具合です。加えて、コハダや鯖といった青魚との相性もいいというのも特徴的ですね。旨みといえば、トマトも旨みの強い食材ですが、ワインの青いニュアンスもあり、トマトと魚介のパスタなんかにもあわせてみたい印象でした。今回一番人気といえるワインでしたが、しっかり辛口で、完成度も高く頷ける結果です。ワインを飲みなれた人にもすんなり受け入れられるでしょう。ただ、抜栓してすぐだったので、もう少し時間を置いてみるとエキス分や果実味が増してくるかもしれません。