私は私の居場所がなくなるのが恐いんだよ。
辛いことがあれば、目をふさげばいい。
聞きたくないことがあれば、耳をふさげばいい。
なにも見るな。
なにも聞くな。
なにも考えるな。
なにも信用するな。
なにも期待するな。
なにも関わろうとするな。
なにも掴もうと、するな。
これ以上……。
なぜ忘れられるのが怖い?
独りになるから。
それは結果にすぎない。
それは今までが楽しかったから。
楽しかったから、忘れたくない。
消したくない。
壊したくない。
失いたくない。
手放したくない。
でも、そうしないと、前には進めない。
消えてしまった色を取り戻せない。
失った志を思い起こせない。
背負った後悔に向き合えない。
捨てるか。
捨てられるか。
逃げるか。
踏み出すか。
投げ出すか。
受け入れるか。
でも、それを決めるのは
この世を操作する神様。
僕らは、道化師。
だから、与えられた動き通りに左手を天に差し伸べるしかないんだ。