この空の向こう
今日、Uちゃんが日本を離れました。思えば三年前…初めての海外をニュージーランドへのワーホリと決め、飛んでいったあの日から三度目のお別れです。通路を抜けて機内に入っていくUちゃんを、夕刻の冷たい海風に耐えながら見守り、Uちゃんを乗せた飛行機が星に紛れてしまうまで涙でにじんだ空を見つめていた日が懐かしく思い出されます。 二度目の別れは去年、名古屋駅でした。関空から飛び立つため、大阪へ向かうUちゃんと彼女を改札口で見送りました。あの時は、『彼女がUちゃんを連れて行っちゃった』とふと思ったものです。改札口で別れた後、混み合う名古屋駅を、大人三人縦一列にぞろぞろ歩きました。先頭で無言の父。涙を止められない母と見られたくない私…そして今日。手荷物検査場の中に入っていくUちゃんを見て、やっぱり母は泣きました。私はぎゅっと娘を抱きしめて、泣くまいと思ってましたがでも涙は止められませんでした。検査場の奥から、満面の笑みで弟が手を振りました。デッキで待ち構える私たちに、機内に続く通路から力一杯手を振ってくれました。弟を乗せた飛行機は、たちまち雲に紛れて見えなくなりました。帰り道。UちゃんとUちゃんの荷物でぎっしりだった車は、帰りはすっかり広々としてしまいました。さみしいけれど、仕方ないです。To Uchan's mother&father, Our best wishes and thanks for letting your son live in New Zealand,be part of our lives.Uちゃんの仕事のボスとそのパートナーからの両親にあてたメッセージです。この空の向こうに、Uちゃんを必要としてくれる人がいます。弟はセントレアから台北を経由し、オークランドからさらにウェリントンまでの飛行機に乗り、そこからフェリーでピクトンへ渡りバスで地元に帰るそうです。とりあえず明日の夕方には無事を知らせる連絡があるでしょう。そして一年後。ちーちゃんはUちゃんを覚えているかな?今度会うときはちーちゃんは歩いているでしょう。元気でね。Uちゃん。時々は無事を知らせるように。きっと日本に帰ってくるように。今度はもう少し長く…