『私が語りはじめた彼は』
『私が語りはじめた彼は』 三浦しをん内容(「BOOK」データベースより)あっという間にアカの他人。でも実はまだ切れていない、「彼」と私の仲。それぞれの「私」は闇を抱える、「彼」の影を引きずりながら。男女の営みのグロテスクな心理を描く“関係”小説。 大学教授・村川融をめぐる人々を綴る連作長編。「恋愛関係」より「家族関係」に、より興味をそそられた。村川融によって、人生を歪められた人、歪められたと本人は(恐らく)思ってないけど端から見ると歪んでる人達。家族って、もともとは他人と他人からできていてそこの子供が生まれて、その子供もまた他人と新しい家庭を作る。その繰り返し。血縁の有無も、同じ家で暮らしてる暮らしてないも、「家族」には関係ないんだと思う。「家族」から自由になった人がうらやましくなった。静かだけど強さを持った三浦しをんの文章に引き込まれた。私が借りた文庫版の表紙の写真がとてもいい。カバー写真 米田知子"August Sabe's Last Place,Vohandu River,Voru Country,Estonia"エストニア?ハードカバーの表紙もいい。