テーマ:子供の病気(2173)
カテゴリ:健康・ダイエット
[昨日の日記からのつづき]
何事もなく2日が過ぎた。 5日目の朝、今日はN医師の診察日だ。2歳の娘の扁桃腺の裏側に刺さった魚の骨が抜けていればいいが、もし抜けていなければ、今日こそ全身麻酔をして抜いてもらわねばならない。 ○○大学病院に向かいながら、全身麻酔をする場合に確認しておくことを頭の中で整理した。我ながら、理論的には安全なはずだが、当事者の立場として不安に思う気持ちがあるのが悩ましい。科学はある程度理解しているし、いつも論理的に考えることを自分に課しているはずだが、なぜか感情的に受け入れられない。 前回のファイバースコープ写真から、魚の骨が自然に抜けることは、まずないだろう。「全身麻酔」の亡霊に不安になっているだけだ。抜いてしまえば、娘も、ボクも、妻も不安から開放されるはずだ。などといろいろ考えているうちに、○○大学病院に到着した。 今日の外来は混んでいる。外来対応はN医師だけなのが原因みたいだ。待つこと30分程で診察室に招じ入れられた。 「先生、この前はすいませんでした。今日はよろしくお願いします。」 N医師「まず、鼻からファイバースコープを入れて魚の骨が抜けているか確認しましょう。」 「はい...」 N医師「前回この辺に刺さっていましたよね... あれ、見当たらないな... もう少しよく見てみましょう。 あれっ やっぱりありません、自然に抜けています!」 「えっ、先生、本当ですか!」 N医師「本当です! 写真で比較するとよく分かります。」 「本当だ... 良かった~ 」 ボクは緊張が解けて、全身の力の方がぬけた。 見ると、四十半ばくらいのN医師も満面の笑みでガッツポーズだ。 妻も喜んでホッとしていたせいか、N医師が一番嬉しそうにはしゃいでいるように見えた。 その光景が、ボクにはなんとも感動的だった。大学病院の先生と共に喜びを共有している瞬間だ。こんな瞬間にめぐり合う人も少ないだろう。N医師が親身になってくれていたことに、改めて感謝した。 「先生、ありがとうございました。」 N医師「良かったですね、これでもう大丈夫です。もう、薬を飲む必要もありません。」 すべてが終わった。この5日間はいろいろ考えさせられたり、不安に思うことも多かったが、良い結果に終わったことを幸運に思う。もし、2日目に抜いていたら、それはそれでよかったのかもしれないが、自然に抜けたのは一番良い結果だった。 今回の体験での一番の収穫は、N医師との心の交流だった。患者側が医療行為に対して了承する「インフォームドコンセント」は、基本的に、信頼関係のうえに成り立つことを、身を持って体験できたことは大きい。 不注意で、2歳の娘に辛い思いをさせたのは可哀想だった。でも、今回の体験から学んだことが大きかったのも事実だ。 「よかった...」 帰りの車の中で、ふと自然に言葉が漏れた。
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最終更新日
2004/10/20 05:32:00 AM
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