なんと、五月初の日記!
先日、夜中のテレビで歌舞伎をやってました。題は歌舞伎十八番の「勧進帳」と、新歌舞伎十八番の「紅葉狩」と、その合に口上で、パリのオペラ座での公演の模様でした。舞台の都合で花道は無く、その代わりに舞台が二段になっているんです(一段下がったところが花道のかわり)。勧進帳を最初から見るのは初めてでしたが、以前から知っていた「旅の衣は鈴懸の~♪」の一節、「本当に文句の中にあるんや~」と、わけの分からない感動をしてしまいました(笑最後に幕が閉まってから、弁慶が花道から幕の中の冨樫に一礼し、客席に向かって一礼(神仏への礼)、しめの飛六法は感動しますね~口上は市川團十郎丈から、フランス語で!台詞を覚えきるのもすごいと思ってましたが、フランス語で口上とは!!!大河ドラマ・「風林火山」に出演の市川亀治郎丈も口上で挨拶されてましたが、スラスラと話すこと!亀治郎丈の口上は歌舞伎の説明や、最後には「この綺麗なシャンデリアが落ちてこないかと心配です」と冗談で笑いを誘うほど。ただの男前ではなかった・・・(笑紅葉狩は初めて見る演題でした。市川海老蔵丈演ずる「更科姫 実は戸隠山の鬼女」は前半は優雅で、團十郎丈演ずる「平維茂」とそれの従者「右源太」と「左源太」に酒を勧め舞い踊るが、酔いがまわってうたた寝をすると、更科姫が姫らしくない表情を出し、がに股で地を踏み鳴らしながら上手(舞台に向かって右手)へひっこむ。引っ込んで少しすると、三人がうたた寝しているところに市川亀治郎丈演ずる「山神」が下手から、上部に榊と神垂をつけた杖をついて登場。「この山には鬼女が住み、人をとっては肉を食らう」という意味の唄にあえあせて、鬼女が人を食らう踊り(というか、ジェスチャーに近い)をし、杖や足で音を立て、揺り動かして三人を起こそうとするが、三人とも起きない。「よし、よし!」と意気込み、地を踏み鳴らして踊り、三人を起こそうとする。この踊りが動きが多くて囃子もにぎやか、楽しい雰囲気で見ていても飽きない。そして再び杖や足で音を立て、揺り動かして三人を起こそうとするが、それでも三人とも起きない。と、そこへ上手から人の気配がし、山神が杖を担いで、下手へ引っ込んで行く。ハッと平維茂が起き、「夢の中で神のお告げが」のようなことをいい、いざ鬼女を退治せんと太刀をとって上手へいったん引っ込む。右源太・左源太も起き、「鬼女がでたらどうしよう!」と動揺したような踊りや、腰を抜かして、二人で下手へ引っ込んでゆく。・・・突然、雷が鳴り海老蔵丈が演ずる「実は戸隠山の鬼女」と、それを追いかけて平維茂が抜刀して登場。この鬼女がなんともいえない不気味さ!顔を作る(化粧のこと)だけでここまで出来るのかと。攻防を繰り返し、鬼女は松に登って、平維茂は松の下で目付け。そこで幕は閉じる。いや~いいもの見ました。