「花の命は短くて・・・」の原典
昨日のブログで桜が散っていくのを見て 「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」という林芙美子氏の詩を思い、でもこれには続きがあって音夢鈴さんから教えてもらったのだけれど、詩の内容は忘れてしまって・・・、などと無責任なことを書きましたら、早速音夢鈴さんからコメントをいただきました。本当にありがとうございました。 コメントの内容をそのままご紹介いたしますね。 「そうそう。そんなお話をしましたね。私も偶然の発見だったのですが、コトのはじまりは森光子さん(放浪記主演)の朗読。あの出典はどこ?となったときに赤毛のアン翻訳の村岡花子先生の自宅に額に入れられた作品が見つかったらしいです。以下全文。 風も吹くなり 雲も光るなり 生きてゐる幸福(しあはせ)は 波間の鴎(かもめ)のごとく 縹渺(ひょうびょう)とたヾよい 生きてゐる幸福(こうふく)は あなたも知ってゐる 私もよく知ってゐる 花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かれど 風も吹くなり 雲も光るなり作者の芙美子女史ご自身が、色紙などに「多かりき」として、そこだけを書かれたのでそれが有名になった模様。「多かりき。。。」と嘆息するときもあり「多かれど。。。」と前を向けるときもありあらゆる場面で思い起こせる歌のひとつですね。」 ということだそうです。確かに「多かりき」で切ってしまうと詠嘆調になってしまい、嘆き、悲しむ姿が見えますが、「多かれど 風も吹くなり 雲も光るなり」と続けると、人生いろいろ、悪いこともあるけれど、いいこともある、と読めて希望が湧いてきますね。 「全文詩」が林芙美子氏と交流のあった「赤毛のアン」などの翻訳者,村岡花子氏の遺族宅で、林芙美子自筆の原稿が額に入れられ、壁に飾られていたのが発見された、ということだそうです。 この短い詩「多かりき」だけではないだろう、原文はなんだろうとずいぶん探していたそうですが、村岡花子氏の遺族宅で全文が見つかり、これこそ林芙美子氏の性格を表しているものだと関係者は喜んだようです。 でも晩年「多かりき」で切って色紙に書いていたとは、晩年は苦労の多かった若き日を振り返ってそう書いたのだろうと、心境を偲んでいます。 この全文は、「放浪記」を演じた森光子さんが冒頭に読んだ詩と、ほぼ一致しているようです。 これは貴重な資料ですね。私もきちんと保存しておかなくては、と思います。 音夢鈴さん本当にありがとうございました。 わたしも少しwebで調べましたのでご参考までにどうぞ。 http://duolavie.blog117.fc2.com/?mode=m&no=175