コペンハーゲンの人魚姫
デンマークの首都コペンハーゲンにある人魚姫の像が、来年の上海万博に出展されることになったようです。国外に持ち出されるのは、1913年に建てられて以来初めてだそうです。デンマーク国内ではその是非を巡って論争になったようで、世論調査では国民の6割が反対していたものの、コペンハーゲン市議会では36対12の賛成多数で可決されたようです。まるで渋谷の忠犬ハチ公か上野の西郷さんをどこか外国に出展するような話に思えて、私もちょっと驚きました。私も学生の時にコペンハーゲンへ行って、実際にこの人魚姫の像を見たことがあります。海岸の波打ち際に設置されていて、背後に五稜郭のような要塞跡があって、一帯が公園になっています。私が行ったのは2月でしたが、高緯度のため、午後5時で外は完全に日が落ちていました。私が人魚姫を見に行ったのは6時くらいで、辺りは人気もなく完全に夜でした。気温も0度前後で、しかも海からの風がもろに当たって、かなり寒かったです。さっと見てさっと帰ろうと思って、あわただしくその場を立ち去り、公園の中を通って街に向かって戻っていきました。ふと気が付くと、私の20mくらい後ろだったでしょうか、190cm以上はあろうかという細身の大男が歩いていました。他に人はいません。ずっと私と同じ道を歩いてくるので、これは怪しいと思って、かといっていきなり走るのもと思って、早足で歩くようにしました。でもまだついてきます。だんだん近づいてきているようにも思えました。ようやく公園を出て市街地に入ったのですが、まだ後をついてきます。10m以内に迫っていたような気がします。これはまずいと思って、機を見て道路を横切って反対側の歩道に走って移りました。それで何とか振り切ることができました。翌日か翌々日に船でスウェーデンのマルメという街に行って、そこでたまたま話す機会のあった現地人にその話をしたら、そんな時間には行かない方がいいと言われました。デンマークはホームレスも殆どいなくて治安がいいという印象があったので、油断していました。ちょっとそんな昔のことを思い出しました。