半月ぶりの読書日記です
とても好きな作家さんの、有川浩さんの本です


県庁おもてなし課　有川浩

有川さんの故郷である高知を舞台にした小説です
高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台に、若手職員の掛水君が
高知の観光振興という仕事を通して成長していく物語。

手始めに、地元出身の著名人たちへ「観光特使」を依頼するも、
地元出身の有名作家　吉門（男性）に「何がしたいか分からない」とダメ出しされる。
このあたりから、「あれ？実話入ってる？？」と思いつつ
楽しく読ませていただきました。

有川さんお得意の、ベタ甘ではないけど、チョイ甘な感じとかもありますよ
それと、「予定調和」がこれほどしっくり来る人は居ないと思うんです。
あー、こうなるかもなーと思いつつ、実際そういう風に
話が進んでいくと、とっても充足感があるんですよね
それって本当に有川さんの小説のいいところだと思うんです。
だから、私、好きなのかも

実際有川さんは、「観光特使」への就任を依頼されたらしいです。
引き受けたものの、特使に何をしてほしいのか明確になっておらず、
当初は「割とグダグダな対応だった」らしく、色々思案した結果、

「小説家として何ができるのか考えたときに、私が一番貢献できるのは小説を書くこと」

という思いから、取材を始めてこの小説を書いたらしいのです
小説の中で「お役所意識」が抜けないおもてなし課のメンバーたちに、
最初はイライラさせられるんですが、少しずつ変化していくさまはとてもすがすがしく、
素直に、「ガンバレー！」と応援したくなっちゃいます

更に、高知の楽しそうな日曜市に思いを馳せ、豊か過ぎる自然を
読みながら思い浮かべたり、暖かい人たちのおもてなしマインドを感じていると、
高知に旅行に行きたくなるからほんと不思議

確かに、地元にどっぷりと漬かっていると、
そのよさが分からなかったりしますよね。

私自身も静岡のド田舎の出身ですが、高校を卒業して上京するまで、
地元の自然に恵まれた環境をそれほど魅力だと感じませんでした。
今では、こんなのんびりしたところもいいなーとか、
田舎の人は優しいなぁとか、帰省した時には色々感じますね

この小説は、3月末にハードカバーで発売したんですが、
この本の印税は全て震災の被災地へ寄付されるとのことなんです。
震災3日後にそのことを発表したらしいのですが、
有川さんはこうコメントしていました。

「地方が元気になってほしいという願いをこめた作品なので、
地方が大変なことになったときに、この本が応援しないのはウソだろう、
という思いがありました」

それだけじゃなくて、震災の当事者ではない人たちが、エンターテインメントを
楽しむことを後ろめたく思わないように背中を押す意味もあるのだというんです。

そんな有川さん、阪神大震災の時には兵庫県にいらしたとか。
隣県の大阪が、いつもどおりに活気があるのを見て、
とても勇気付けられたとのことなんですよね。

そういった思いに共感したもので、この本は、私には珍しく購入しました。
これで、有川さんの本、22冊読了です
現在出版されている本では、最新のこの本を残すのみ


ヒア・カムズ・ザ・サン　有川浩

この本も、やっぱり読みたいなぁと思ったので、
楽天ブックスで購入しちゃいました
今読んでいる本を読み終えたら、読む予定です


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