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カテゴリ:スイス
ツェルマットの朝は気持ちよく晴れ、青空がどこまでも澄みわたっていた。
久しぶりの青空でそれだけで気分が高まった。 登山ロープウェイの回数券を買い、ゴルナグラ―トに行った。 ロープウェイの中でアメリカ人の夫婦と話をし、アメリカ人独特の誉め合い会話と、質問の集中攻撃をくらい何だか気分が高揚してディズニー気分?な僕は 「ハイジーと叫びながら」山へ向かった。 ゴルナグラートは日本のへたな観光地とは違い、断崖絶壁いつ誰が落ちてもおかしくない スリル満点の場所にもかかわらず柵も何もなく「落ちてもいいさ、ただしすべて自己責任だかんねー」と何だか大人な場所だった。 少し前から思っていたんだが普段おとなしい高校生の僕は実は、死をともなう絶対的な自然と向き合うスリルにおいては、どうもワクワクしてしまい逆に変な力がみなぎってくるという性格で。この時もギリギリまで奥に行き、誰も周りにいないどちらに一歩でも間違えたら落ちるなっていうところで記念撮影を撮ってきた始末、やれやれ、この極限状態で出る自分の本性は何だか怪物に変身する、あまりそのことについて幸せではない主人公の気分のようだ。 そういえばハイジのおじいさんは昔人を殺したことがあるらしく、実は怒るとものすごく怖い人なんだとか思いだしながら、断崖絶壁の風景を怪しく堪能する。 何か変な力がみなぎったところで、主人公はこの力をおさえなければいけないので? 帰りはロープウェイに乗らずに歩いて下山することにした。 はじめのうちは人の通る道を通っていたのだが、だんだん嫌気がさしてきて 人の道をはずし(別にぐれたわけではないです)、ルート外の道を歩くようにした。 すると、しばらくして、何だか可愛らしいプレーリードックのような動物の一団にぶつかり、むこうも一瞬あぜんとし こっちを見つめ「何でこんなところに人間がいるの?」と一瞬間があり一目散に逃げて行った。 まったく人とすれ違わずにこの素晴らしく美しい大自然を一人占めできるとは何と幸せなことか、やっぱりロープウェイなんぞ人間の作ったものに乗らずに自分の足でしっかりと歩いてみるものだと、貧乏性で生意気な高校生はこの時思ったのだった。 途中人の道に合流し何でこんなところにレストランが?というところのレストランで 食事をした、僕の他には誰もいなく、メニューを渡されたがドイツ語とたしかイタリア語でまったくわけがわからず、おそらく今日のお勧めの黒板に書いてあったスパゲッティーを食べた。 出てきたのは、ペペロンチーノ山小屋風?ペペロンチーノにハーブがいろいろ入っていて 山の上ですがすがしい空気とともに食べおいしいんだが、やたら辛い。 「周りは澄みきった空気で気持ちが良いのに、今の俺の息はハーブと、にんにくとトウガラシですごいことになってるんだろうなー」とくだらないことを考えながら、ひたすら下った。 3時間半歩いた。 温かな食卓で温かいしっかりとした料理を食べ、いびきおやじもこのユースを去っていったらしく平和で静かな眠りがおとずれた。 「明日はどの山を登ろうか?」雪を抱いた壮観なマッターホルンが部屋の窓をのぞけば目の前に見えるその部屋で、かなり傾斜がある山道を難なく登っていく山羊の夢をみた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.03 21:04:17
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