[詩]の記事一覧 | 夢と花と風

冬の旅

足跡が全くない雪原をみている目眩を感じるような汚れのない雪原に足をふみだすガラスの欠片のような風花が頬にあたる涙さえも忘れてしまったような長い時間を持て余す砕けた心をひろいあつめる全部ひろいあつめ終わったころ大地は芽吹くだろうか冬の旅列車は停まってくれないけれど・・・

2008.02.05

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涙

熱い涙は胸をしめつける冷たい涙は心を孤独にさせる涙の理由を聞かないでくださいわがままな自分の多面性を持て余しているだけなのです富士の樹海に迷い込んだような目眩を感じます前を向いて歩くのは怖くて足元を見て彷徨っていますだから周囲が見えないのです少し振り返ってみようか涙を拭ってみようか耳をふさいでいた手を外してみようかもしかしたら　あなたはすぐそこにいてくれるのかも知れない

2007.12.12

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心の旅

最終の列車が駅を出てゆく霧がおもく降る田舎町明日は私も乗り込もう私の住む町はここではないのだそんな想いで夜汽車を見送ったあれから幾年たったのだろう終着駅にはまだ遠い

2007.12.10

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愛のかたち

砂粒ほどほどの大きさでも抱えきれない大きさでもかけがえのない重さなのだとあなたは教えてくれたたったひとつでも星の数ほどあってもしあわせは一緒なのだとあなたは教えてくれた

2007.12.09

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雁風呂

津軽の貧しい村の人達が出稼ぎに出る頃津軽の海岸は細い木切れでいっぱいになるという・・その木切れは南へ渡る雁が水面に身体を休ませる時に使うそこに残された木切れは南へ行く事も出来ず　そして二度とこの地へ戻ることがない運命を悟った雁が残していったもの・・もう自分に木ぎれが必要ないことを知っているという・・津軽の人は雁を供養する気持ちと家族との長い別れに涙を流しながら雁風呂に身を沈める

2007.12.06

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小さな世界

あったらいいな泣いたら聞こえる微笑みが見える叫びに答えられる熱い鼓動に耳を寄せる冷たい指を温めてあげる白い大文字草は「白鳥の舞い」紅い花は紅玉。どちらも園芸種。

2007.10.15

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薬・・・

数種類の薬は身体を癒すのかもしかしたら蝕んでいるのか一粒の分だけ命を蝕むとしても癒してくれてる時間が長ければいいのかのどもとに落とす時不安と闘う誰のために　誰とのために忍び寄る秋

2007.10.08

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潮の華

荒波は波を揉み波を洗い波を起こす北陸の怒涛は荒々しく寄せては返すそして生まれる潮の華風に乗り岸をうめ尽くすそんな北陸の海を訪ねてみたい潮が運んだという越前岬に咲く水仙にあってみたい

2007.10.07

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釧路湿原の秋

その日は風も穏やかで草のゆれる動きだけが秋を教えてくれた遠くに　聞こえる汽笛の音が湿原に消えてゆくもがくように湿原をうねる川の流れが　自然の命を示す人影もない草原の路に佇むと　空気が懐かしい匂いをまとっている秋なんだなぁ・・・遠い昔に感じた匂いだった石を積み古い木造の水門は新しく出来た水門の横で長い歴史を教えてくれている間もなく長い長いモノトーンの世界に染まる季節湿原が湿原のままで残っていて欲しいと想いながら思い返している今回もピカさんにお願いして湿原の水門を描いていただきました。旧岩保木水門とそばに同じく残されている小さな橋です。

2007.10.07

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白い花

白い花が密やかに咲いている触れると壊れそうな小さないのち私の手の届かない人の影に花がゆれる心の奥へしまい込むように　言葉を消してしまうしくしくと痛む傷跡は　いつもあの日へと引き戻す哀しいまでに群咲く花は　あの日の雪のように白い閉じたままの日記帳にはインクの匂いと涙のような蒼いしずくがひとつ小さい折り目だけが　あの日を教えてくれているダイモンジソウ。散歩道の苔むした崖に咲いています。

2007.09.24

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手紙

父さん・・そちらはどうですか。母さんや姉ちゃんや妹、弟はどうしていますか。今年は暑い夏でしたね。お墓の石が火のように熱くて冷たいタオルで拭いてもすぐに熱くなったの。何度も何度も父さんの身体を拭くように拭いたんだけど判ってた？母さん達とどんなふうに過ごしているのでしょう。母さんもそちらへ逝って４ヶ月が過ぎました。弟の命日も母さんと一緒だよね。姉ちゃんは父さんと命日が一緒。不思議です。あのね、父さん今考えていることがあるの。田舎のあの土地にね蕎麦を蒔こうと思うの。食べる為ではなく少しでも原野から守るために。蕎麦は自然に種をこぼし自然に増えていくと思うの。少しずつでいいよね。父さんと母さんが開拓した大地がここだと判ればいいと思う。庭に蕎麦が稔ったらそうするね。最初は家の周囲にする。真っ白い花で埋まるといいね。

2007.09.01

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最初の一滴

山深く踏み入ると大河の最初の一滴に出合う誰もが大河など思わないそれでいい　それがいい一滴一滴がひとつぶひとつぶが互いを求め互いに寄り添い大地を駆ける流れにそだつ大地を潤し花を咲かせてあらゆる生き物の命を育む

2007.08.22

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文月の詩

薄墨の匂いが緩やかに流れています久しぶりに　筆を執りたいと思いました吉野和紙はしまい込んだままだったので少し折り目がついています丁寧に折り目を伸ばしてみました和紙のほつれが指先にまとわりました筆が思うように運びません何度も何度も書き損じて未だに書けずにいますまた抽斗の奥深く和紙をしまい込みます薄墨は硯で乾いてしまいました乾いた筆先を舐めて手のひらに墨を落としてみる遠い過去は水で洗い流すように消してしまおう

2007.08.13

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想う瞬間

空があんなに蒼いって知っていましたか雲があんなにゆっくり流れるって知っていましたか時間がこんなにゆっくりだなんて知っていましたか気が付くとアキアカネが飛んでいます竜胆の紫が朝露に濡れていますこの瞬間はあなたを想う時間なのですだから本当は止まって欲しいのですコムラサキ・・たぶん。

2007.08.12

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夢の中へ・・

いつも　そうであったように父がいて　母がいて幼い弟や妹がいて貧しくても　必死に生きる強さがあって小さなことにも喜びを感じる　心があった冬は　ちろちろと燃える薪ストーブを囲み外の吹雪の音を　聞いていた春は　雪解け水に誘われて野山にでてゆくまだ凍てつく大地に　福寿草が花をひらいている夏は　父の草刈るあとに続く真っ赤な野いちごが　こぼれるほどに待っているそして秋　父も母も時間を惜しむように働いていた冬を前にしなければならないすべてを　必死にこなしてゆく幼い子供達は孵化したばかりの雛のように親の帰りを待っているすき間だらけの家の薄暗い部屋で身体を寄せ合っていた小さなランプの炎が時々入ってきた虫に大きく揺れる生まれて間もない弟を膝にのせて頭を抱え込む妹は私のセーターの袖を無心に握りしめていたそんな時間の一刻一刻がよみがえってくるそして父と母より早く命を閉じた　姉・妹・弟逝った後もひたすら父と母を待っていたに違いないそんな弟たちに父と母を帰してあげた今寂しさとは別に充実感が湧いてくるレトロな家をピカさんが絵にしてくださいました。　

2007.08.11

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初雪草

今から何年前だろう初雪草が見たい・・そう云った人がいるわたしは必死に探したでも見つける事が出来ないまま何年も経ってしまったこの春に偶然「初雪草」とかかれた種を見つけた思わず手にして迷うことなく買い求めた種を蒔きどんな花が咲くかを思うそして「見たい」と云った人を想う見せてあげたいでもその人へ伝える術がない偶然に見てくれたらそれだけで嬉しいけれど・・

2007.08.09

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夢の旅

旅に出るすべてを忘れるために哀しみはまるで淡雪のように私の心を揺さぶりながら後悔をほろほろと　落としてあるく

2007.07.13

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夜露

夜露が月にきらめく筆先がふるえる藍色を思いきり淡くぼかす涙がその色をさらに淡くすることばを忘れたように無口になる

2007.07.10

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風のように

聞こえますか風の声見えていますか風の色流れますか風のように叫びますか風のようにあなたの鼓動が答えを出してくれるそんな夜が更けてゆく

2007.07.04

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抱きしめる

小さな鼓動が聞こえる柔らかなささやきが聞こえる想い出はあまりにも罪かもしれない細い肩の暖かさも甘い髪の香りもためらうことなくこの胸に抱きしめる

2007.07.03

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沙羅の花

沙羅のはな　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白いはなが咲きました媚びもせず香りもないのですけどなぜか惹かれますあなたも好きだといいましたね今年はいつもより寂しい咲き方です寂しさが募ります手にのせた沙羅の花は軽く静かに落ちました闇に浮き出る白い花です思い出してくれたでしょうか

2007.07.01

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信じています

信じていますあなたは目の前にある道を歩むとその道を信じて歩むと後悔することを恐れないで・・後悔は次のあらたな道を教えてくれますどんな出来事にも理由があるのです神があなたを選ばれたのですそれに立ち向かうだけのちからがあなたにはあるのです神はそれを知ってあなたを選んだのです

2007.06.30

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林檎

たった一個の林檎大樹に鈴なりの林檎あなたはもらえるとしたらどちらが嬉しいですか？私は一個その人が大切にしていた一個かけがえのない一個かも知れないその一個をくれた人に私は恋をする

2007.06.07

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空は・・・

どこまでも続く星だってどこにでもきらめく月は梢の影までも映すどんなものへもどんな人へも選ぶことなく公平に

2007.06.06

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下弦の月

下弦の月燃えるように朱くなってゆく胸の奥が締め付けられるような息苦しさながれる夜風が隙間を見つけるように入り込む時間は寂しさを育ててゆくまるで月が育つように・・

2007.06.04

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夜の匂い

月が青白く見える夜は匂いがあるどこまでも澄みきった空は菫色星は突き刺さるようにこぼれるそんな夜はなぜか人悲しい夜の匂いをはらうように振り向いてみる

2007.05.31

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廃線

錆びた鉄路が駅の端でプツンと切れている駅は月見草とコスモスが群れ咲いていた割れたガラスの引き戸は何年開いていないのだろう夕闇が駅のガラスを染める頃汽笛が聞こえたような気がした

2007.05.31

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風

風・・好きですか色もなく・・色を生む音もなく・・音を生む生命なく・・生命を生むそんな風が私は好きですタンポポの綿毛四つ葉のクローバー幸せになりますように・・・おすそ分け。桃色鈴蘭・・・園芸種です。香りは同じですが、やはり白い鈴蘭がいいですね。雪笹・・・アズキナの名で山菜としても人気。八重桜（紅牡丹咲き）・・・満開です。

2007.05.26

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かくれんぼ

もういいかい・・・あなたの探す声が近くで聞こえるなのに足音が遠くなってゆくなんとなく忘れ去られたようで「ここだよ」って叫びそうになる誰かが見つかったあなたは手を引いて笑いながら駈けてゆく枯れ草の匂いに抱かれながら見つからない場所へ隠れたことを後悔するあなたに見つけてほしかった　かくれんぼ綿毛の旅立ち

2007.05.25

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津軽

御岩木山の雪がまだ残る五月菜の花に林檎の樹の影を映す奥入瀬の水は雪解けの冷たさをはこぶ八甲田の山々は淡い萌黄色の芽を生むらんぷが揺れる温泉宿に津軽弁の笑いが弾けるアカシアの酢の物岩魚の笹の葉包み昨晩から川の流れで塩ぬきをしてた山菜どんなことも許せてしまう空間チシマキンバイ紅もみじ

2007.05.25

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傷跡

手首の傷は決して自分でつけたんじゃないよけれど切り落としたいと思ったこの手がなければ・・・って手術で治ると知った時も仕事に戻れない不安があったこの傷痕は今の私のために多くの人が心を寄せてくれてその思いやりでふさがった傷痕山吹の花

2007.05.24

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サビタ

恋の花あと少しで雪のように真っ白の花を咲かせる白よりも白いこの花をあなたは知っていますか太平洋に面した勇払湿原にこの花は多いローカル線の車窓から見える白い花はすべてこの花と云っても過言ではない別名ノリウツギでもアイヌ語のサビタが私は好き

2007.05.21

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勇気

ことばに出来る勇気ことばにしない勇気諦める勇気諦めない勇気

2007.05.18

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落葉松の森

父さん、覚えていますか父さんと二人で落葉松を植えた時のこと兎やキジが遊んでいたよねあそこは空が見えないくらいの森になってるよでもね、兎もキジも遊んでいなかった父さんの声が届かないくらい暗かったよ父さん落葉松を倒して小さなお家を作ろうか兎とキジが遊びに来れる家だよヤチダモとヤチハンノキ

2007.05.17

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流離

闇をさすらう見えない何かを求めて求めるものが何かを探してつまづきは許されるだろうか押しつぶされそうな心のうちを闇の怒涛にあずけているヒナスミレ・・・カタクリが咲くところにスミレも咲いています。

2007.05.16

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芥子の花

赤やピンクの花が庭をうめていた若い苗は野菜としても食べられた植えてはいけない花なんて知らなかった「役場の人が来て抜けって言うんだ」「花を見るか、若いはっぱを喰うだけなのに」「知らんで植えていたんだからしかたないべや」「あんなに怒らんでもいいべや」その年の秋「芥子の種役場に庭に蒔いてきたさ」「来年きれいな花咲くぞ」父の反逆

2007.05.15

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農夫

父は農夫だったミレーの絵のような・・ゴッホの絵の皺の刻まれた男のようななぜか後ろ姿が逞しくて眩しい少し破れた麦わら帽子汚れて節くれだった無骨な手何度も貼り継いだぶかぶかのゴム長汗の匂いの手ぬぐい

2007.05.14

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母を恋うる

指先で「嫌や」という左右に微かにゆれる頑なに握りしめるきっと母の言葉は指にある痴呆もしかしたら母はそれを知らない神が私に与えた天使私の手を握る手にわずかに力がこもる母の眼と合った悲しい眼の色だった便で汚れた身体を看護士に拭いてもらっていた一日何も話さなかったどんな言葉がいいのか母への言葉探しこの詩は母がパーキンソン、脳梗塞、認知症と闘い始めた頃のものです。母が私の前から消えて二週間が過ぎました。でも今までよりも傍にいるような感覚があります。病院のベッドでは寝返りもうてず言葉もほとんど話せず水さえも口からは摂れない数年でした。野に蓬が萌え始めました。こどもの日には必ず「草餅」を造ってくれた母。母の詩を書いたのは今このときの為だっったように思う。

2007.05.11

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旅立ち

旅立ちもしかしたら今日がその日今日が始まりと思えばいいのだ出来なかったという言葉は消える

2007.05.08

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父さん・・そして母さんへ

痛いたぶん、面倒だと思った瞬間・・母が呟いたひと言出来ない小さなことささやかなこと優しい言葉・・自分を責めることで終わる一日愛頑張れるよどんなことがあっても大丈夫だよ母が一番心地いいようにしてやるだけ安心して眠らせてやるだけありがとう・・・私につながるすべての人にごめんね唇をかんで目を伏せる少しだけわがまま言って困らせるそんなささやかな出来事父はどこで母を待っていたのだろう母はカタクリの花束を父に届けただろうか

2007.05.06

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愛のかけら

甘えさせたいと思いながらつれなくしてしまう優しくしたい言葉に小さな棘があるそんな夜は時間が止まったようになる何度みても同じ時間に見える母の寝息だけを闇の中に探す

2007.04.24

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歩

止まることが少ないのが歩みゆっくりでも止まることなく・・・それは実際に歩く行動でなくていいあなたに出来る歩み方でいいのです振り返ってみる確かな足跡がそこにある

2007.04.20

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旅

時刻表を買った時間を調べるだけの旅今日はどこの駅で降りようかあなたの街まで足を伸ばそうかそれとも後戻りしちゃおうか切符のいらないたった一人の旅

2007.04.14

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おとうと

弟の事故死は突然にきた気丈に振舞っていた父眠れない夜だった布団を頭からかぶって声を押し殺して泣いてる父がいた「父さん」私はかけようとした言葉を飲み込んだ

2007.03.25

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静寂

そっと目を閉じるそっと灯りをおとす寂しい分だけ暗い分だけ心に沁み込むものがある

2007.03.18

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あなたに・・

あなたの揺るぎない決意と人の心を動かす強さに私は息をのみますあなたの背を見失わないように歩幅を少しひろげたいムシトリスミレ葉やガクに粘りがあってそこに付いた虫から栄養分を吸収する食虫植物

2007.03.17

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三味線

三味線津軽じょんがらの音が雪の中に消えるいたたまれない程に闇を裂く血の滲むような指先の感覚が伝わる誰かの叫びのように・・怒涛のように・・あふれる涙はなにを意味するのか

2007.03.15

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北帰行

白鳥の渡りが盛んになった満月の月渡りはなぜか春は見られない淡雪の中を低く低く渡って行く哀しげな声は残して行く仲間への惜別残る白鳥は淡雪の舞う空をいつまでもいつまでも鳴いて見送る白鳥の声はなぜあんなに哀しい声なのか

2007.03.14

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セピア色の刻

少しだけ遠い記憶藁を塗り込んだセピア色の土壁あの壁はあの時からセピア色だったところどころ土が崩れて藁がこぼれていた茅葺きの屋根の軒には雀が巣を造るいつも　手を入れて温もりを確認するふんわりと　まとわりつく命屋根の上には月見草が芽を吹くあの時も　いま思う刻も　すべてセピア色

2007.02.27

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雪の夜は・・・

ふわりふわりと　降り出した雪が今夜も私を哀しくさせる雪の中をトボトボと歩き出す闇はどこまでも　どこまでも続く遠くで汽笛が鳴ったような気がする走り出して　飛び乗りたくなるような衝動に駆られる雪の中に消えてゆく　夜行列車ああ・・・今日も乗り遅れてしまった・・・旅人には　なれない私誰もいない真夜中の　駅風が強くなってきたようですあなたは　なにをしていますか・・・

2007.02.16

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