[エッセー]の記事一覧 | 夢と花と風

母

母の容態は日によって変わる私を判らない事もある「嫁さん」「妹」「かあさん」なぜか「娘」だけが出てこない母さん・・私が母さんになってもいいよ母さんだけの母さんになるから・・

2006.12.14

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私は・・・

重苦しい心を抱きしめながら花を買いました小さな花房をたくさんつけた水仙豪華ではないけれど大好きな花ですほろほろと涙がこぼれました届かぬ想いを　凍らせていますお花やさんの奥さまが　「あなたのお部屋に飾って」と真っ赤な薔薇と真っ白な薔薇を大きな花束にして渡してくれたありがとう・・やっと云えました

2006.12.13

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病む友へ・・・

少しも聞き漏らすまいと思った「いずれは話せなくなるんだよ・・」いつだったかそう言ったいや・・言わせてしまったひとことひとこと確かめるように話す必死に友の言葉をひろう私に出来ることはこれしかない同情という言葉だけで終わるのだろうか今頃は言葉を発する事が出来なくなっているに違いない一人では生きてゆくことが出来ない・・ましてや　一人で死ぬことも出来ない・・神は乗り越えられる人にだけ試練を与えるというでも　これ以上の試練はもう彼には必要がない・・

2006.12.10

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きな粉

冬が近いある日安倍川餅が食べたかった「きな粉餅が食べたい」父に甘えた父は５０ｃｃのカブで、きな粉を買いに出た１５分もあれば戻ってくるはずが戻らない三時間もたった頃やっとカブの音がした「いやぁ～きな粉なくて隣町まで行ってきたさ」ポケットからきな粉を一袋父はたったひとつしか買ってこなかったついでに買い物をしたのではなかった私のためにたったひとつの　きな粉を買いに行ってくれたのだ三時間もかけて

2006.12.08

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父の足跡

父が開拓者として脚を踏み入れたのは今から５０年前。先日亡くなった父の歳から計算すると父が３８歳の時。未開の地はジャングルのようだった。毎日毎日開墾と焼き畑とで一年が過ぎたように思う。幼かった私は何をしていたのか記憶にはない。冷たい水が流れる土地。何メートルも泥炭層が埋もれ朱錆び色の水がずぶずぶと湧いていた。でも、そこにある自然は無垢で見返りを求めない。水芭蕉が咲き、谷地坊主が緑の新しい葉を伸ばし青く揺れる頃水辺のそばの山の斜面はカタクリやエゾエンゴサクが咲き乱れる。谷地坊主の葉の中にも花の世界がある。ヒメイチゲ、花の直径が１センチ弱の小さな花。名のとおり一華（イチゲ）。

2006.11.29

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貴方の足は・・・

「切り落とすんだよ」・・一言難病と闘いながら生命の狭間を何度も行き来していた薬の後遺症が友の足を奪う薬を飲まなければ命が奪われる決断は早かったとだというけれど友にはすでに片足がない１７歳の青春の真っ直中で片足と惜別しているのですそして数十年友と必死に生きてきた残されていた足を失う「命とのひきかえだから」・・と切断されて一ヶ月後「前回の時のように転げ回る痛みはなかったよ」と連絡があったその瞬間１７歳で足を失った友が痛みに転げ回ってる姿が浮かんだ痛くない訳がない何もしてあげられない辛さが私を震わせる

2006.10.28

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エレベーター

あれは理解出来ない乗り物です今あるエレベーターの階が判るこれはまぁそうでしょうしかしです自分のいる場所がエレベーターに判るそこが理解出来ない最上階にいて下へ行くのに上向きの△を押さずに下向きの▽を押すなんて・・「上にいるよ」って感じで呼ぶんだから△だよ絶対一人でエレベーターに乗れるようになったのはつい最近♪

2006.10.25

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谷地坊主

ぶよぶよとした湿地の中にあるそれはムーミン谷に出てくるニョロニョロあれを大きくしたような菅（すげ）の一種触るとふるふると揺れる髪の毛のように菅がさがるひとつづつ揺らして歩く谷地坊主のある場所は畑にはならなかったあんなに湿地なのに川がないから水田にも谷地坊主は危惧種のひとつらしい谷地坊主に緑の若芽が萌えるころそこは一面の水芭蕉でうまる

2006.10.25

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妹に・・・

赤いランドセルに入れた新しいままの教科書一ページも使うことのなかったノート削り終えた鉛筆そのすべてを妹の棺に入れた松の木を積んだ上の置かれた棺「父さんたちは焼き場に行けないんだお前が火をつけなきゃだめだぞ」「父さん火をつけたら生き返れないよ」「ばか！死んだもんが生き返る訳ないべや」父のことばが耳の奥で叫ぶ「早くつけれ」棺の下の枯れ枝に震える手で火をつけた一気にあがる炎の中の棺が悲鳴をあげた「父さん、私は妹に火をつけた」私・・・１０歳

2006.10.24

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公衆電話

今はあまり見かけなくなったけれど・・・苦手な機械のひとつです友人と八甲田登山に行った時の事です旅も登山も充分満足して帰路につきました青森からは千歳着の深夜便空港から自宅へ電話を入れようと思いました友人はスムーズに連絡がとれてます私はちょっぴり焦りましたピポピポ・・「只今お掛けになった電話番号は使われておりません」・・・なななんですと～再度ピポピポ・・「はい、○○ですが」・・あれ～？焦れば焦る程間違ってしまい自宅の電話番号が判らなくなった考えました！１０４です私は我が家の番号を調べてもらいました番号案内の人が私を知ってる訳じゃないのに謝ってしまいました家族は「人には話すな」と申しております

2006.10.22

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道警！！

友人と大雪山の紅葉を見に行ったこれと道警との関わりは普通は遭難か事故なのだが・・・その日は好天に恵まれて数百人の登山客で山はごったがえしていた旭岳の裾の平まで歩いて戻るつもりが当麻乗越しからの沼の平が最高だというそんな声を耳にしたら行くしかない途中川越えがあって案の定ドッポン！！しかし当麻乗越しからの展望は想像以上だった川に落ちながら行った甲斐はあった問題はここからです急いでロープウェイ駅へ戻ったのですが・・すでに三百人は並んでいましたそこで友人と決めました駅の食堂兼休憩所で最後の人を待とうとただ今夜は麓の町に泊まらなければならない珈琲とカレーライスを注文してから電話でホテル探しを始めましたしかしどこも「満室です」・・・テレカを入れっぱなしでかけ続けました何軒目だったでしょう「ハイ、道警です」・・・「ホェ・・」ガシャン！！なんで・・なんで道警が出るの？１１０番にはかけてないって・・ばそのあとはテレカが入っていかない「電話壊れてますよ～」って親切にお店の人に教えたとたん公衆電話が鳴り始めた何の気なしに受話器を取って「ハイ、モシモシ」「あ～、さっきの人かい？」「えぇ～なんで私がここにいる事判るのぉ～」道警さんと話をして判ったのは・・・フリーダイヤルの最初四桁を市外局番だと思い省いてかけたのだあの時の道警さんごめんなさい

2006.10.21

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驚かそうっと♪

娘が短大へ行ってた頃のこと。何かを送ろうと段ボールに詰め込んでいました。少しの隙間も作らないように何でも詰め込みました。チョコレートや文庫本、手作りの梅干し、ユズジャムなどなど・・いつも手紙を書いて入れますがその日は「書くことないなぁ～～」と悩んでいた。段ボールを閉じる前に紙を一枚前にして考えることしばし・・・そして私がしたことは・・といえば。紙に大きくわ!!!驚くだろ～～な、わくわく・・・♪

2006.10.20

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春のある日

春の陽射しが暖かくなったある日ワイシャツにアイロンをかけていましたと・・冬眠していたとおぼしきハエが一匹自○隊の訓練機のごとく飛び始めた「まぁ・・いいか」最初は愛の心で放っておいたしかしこれがなかなか五月蝿い季節柄まだ殺虫剤は買っていない目を部屋中にはしらせるとありました！「エアーサロン○ス」ハエめがけてスプレーすること数分なんと、ハエはめちゃめちゃ元気になってビュンビュン飛び始めたしばし考えて次に目についたのがスプレー糊そうですご想像のとおりです霧が降るほどかけました今もあの時のハエはどっかに貼り付いているはずです

2006.10.19

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芥子の花

赤やピンクの花が庭をうめていた若い苗は野菜としても食べられた植えてはいけない花なんて知らなかった「役場の人が来て抜けって言うんだ」「花を見るか、若いはっぱを喰うだけなのに」「知らんで植えていたんだからしかたないべや」「あんなに怒らんでもいいべや」その年の秋「芥子の種役場に庭に蒔いてきたさ」「来年きれいな花咲くぞ」父の反逆

2006.10.18

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不思議に思うのよね・・・

ひとつやふたつありませんか私が今一番不思議なのは鶏の卵鶏モツってみたことありますよね卵になる前の黄身が数珠のように連なってます私、思うんです「白身はどこにあるんだろう？」「どこで白身が黄身を抱くのだろう」「殻の中にいつどのように入るのだろう」以前出張の時タクシーの運転手さんとこの話になった普通出てくる会話ではない「ねぇお客さん、もし答えが判ったらきっと教えてくださいよ～知りたいなぁ」約束したんです、運転手さんと誰か知ってる人いますか？

2006.10.14

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