『ほしじいたけほしばあたけ』
石川基子さん『ほしじいたけほしばあたけ』講談社さん。私の計測だと4分06秒(個人差あります)。読んでいて楽しい!その一言に尽きる絵本です。ほししいたけではないのです。ほし爺たけ。だからほし婆たけ。ふたりのセリフの掛け合いだけでも楽しいし、ネタバレですが干してあるふたりが若返ると・・・。そこで声を変えるのが楽しいです。掛け声も、ついつい力がこもってしまうものばかり。読むほうも本気出してしまう本です。いろいろなキノコ仲間も出てきます。絵本を読むとき、淡々と読み、聞き手に想像させることが大切だ。ということも、聞くことがあります。実はかつて一度だけ参加した(一度だけなので偉そうなことは言えませんが)読み聞かせの大会?大きな勉強会?みたいなものの中で、楽しく紙芝居を読んでいらっしゃった方に、「それは読み聞かせではない!!!」と意見をされた方がいて、とてもこわかった覚えがあります。私の意見としては、楽しかったらなんでもいい。です。本は自由だと思います。いつでもおとなしく聞いてくれる子に読むのであれば、淡々とでもいいし、私が学校で読むときには、読み聞かせが好きではない子もいるので、あの子、聞いてないな、っていうところに届くように声の大小や声色を変えることで興味を持ってもらうこともします。そういう意味では、この本はいろんな声になれます。声色を作ろうと思わなくてもついつい、しわがれ声が出てしまう、元気な声が出てしまう、そんなセリフがたくさんです。読み終わるとちょっと疲れますが、それはかなり爽快感のある疲労です。ぜひ、この疲労感を味わってください。なにって、このくたびれたふたりの姿が味がありすぎ。