「庭から昇ったロケット雲」試写会、感想。
映画「世界最速のインディアン」でもそうでしたけど、基本的に劇中で悪人が出てこない、こう言う映画は個人的に大好きです。自宅からロケットを打ち上げるって、ちょっとファンタジー入ってますけど、この映画は、そんなリアリティに突っ込みを入れるのは野暮で、そう言う着眼点でしか観れない人は心の貧しい悲しい人かと。舞台は現代ですけど、彼の着る宇宙服とか、何処か、60年代っぽくあり(思いっきり「ライトスタッフ」の宇宙服)、それを含め、映画全体に漂う空気感が過去への懐かしさ、郷愁を誘います。主人公の父親は訳あって自殺しており、彼も、中盤でそれと重ねるように自暴自棄になりますが、彼の家族が一丸となって支え、再度、夢へリトライする、そんなシーンに涙です。この映画の主軸は家族の繋がり、タイトル通り、ロケットを打ち上げるのも目的ですけど、主人を支え、彼の夢を理解する妻、三人の子供達の父親に対する敬意、それはある意味とても理想的な家族像を描いています。 それがこの映画に暖かみを与えて、観客にまったり感と言うべきか、そんな心情をもたらします。因みに、「アルマゲドン」繋がりか? ブルース・ウィルスもちょっと出演したりして。個人的には、再度言いますが、こういう感じの映画は大好きです。 争いもない、憎しみもない、そんな、理想郷にこの映画は誘う感じでしょうか? たとえそれが劇中の中、数時間の刹那的な一時でもあれ、鑑賞後、心地良い余韻に浸れる、観終わった後、荒んだ心が澄み渡る、そんな映画でした。「最近精神的に疲れてしまって」って人に特に勧めたくなります。