邦画も捨てたもんじゃない。るろうに剣心3部全作品を観て
漫画、アニメで人気になったものが実写になるのは反対な方だが、今回のるろうに剣心はそれを越えることが出来た。監督、殺陣師、佐藤健の作品に対する思い入れも伝わってこれまでの時代劇を覆したと思う。今までの日本映画のお家芸と言われる殺陣とは全く違ったスタンスで、躍動感、スピードが半端なく殺陣を観てるだけで満足出来た。それぞれのキャラクターに合わせた立ち回りを考えているので何回も斬り合うシーンがあるのに全然飽きさせない。漫画に忠実だったが、最後はちょっとだけ詰め込んだ感があった。しかし、それは漫画を読んだ人にしか分からないことだろう。所詮、人気俳優を集めただけだろうと思ってた節も実際はあったがそれさえも覆させてもらった。佐藤健の剣心は実際にいたらこんな感じなんだろうなと思わせるくらい違和感もなくなっていたし、イケメン俳優独特の自己陶酔型じゃなくどんなに汚く格好悪くても演技に没頭していて、見せるではなく魅せることが出来ていた。江口洋介が演じる新撰組の斉藤一も容姿は漫画とは似てないものの見事に新撰組の誇り、日本の警察官となった誇りみたいなものが演技の中に現れていて、今までの江口洋介とは良い意味で別物だった。そして語らなければいけないのがラストボスの志々雄真実を見事、演じきった藤原竜也。容姿は漫画に忠実すぎて包帯グルグル巻きの誰か分からない状態。なのに演技には手を抜かず志々雄真実そのものだったと思うくらい素晴らしい演技だったと思う。そしてストーリー上、無理に組み込まないといけなかった四乃森蒼紫を伊勢谷友介がこれも漫画と忠実で、戦い方もちゃんと表現していた。剣心の師匠を演じた福山雅治もちゃんと師匠らしく強さを表現していた。福山雅治を除く、この四人が最後、戦うシーンは日本の映画史に残って良いほど迫力があり、しかも難しい絡みを一つのカメラで追いかけるという荒技も見事にやってのけていた。何故、こんなに斬新な殺陣が出来るのだろうと一回目から思っていたが実はジャッキーチェンと一緒に仕事をしてた人らしい。それを聞いただけでなるほどと思ってしまった。この映画は漫画、アニメファンだけに留まらず俳優のファンも連れてきてるが、時代劇が好きな人も充分観れる映画になってると思う。特に殺陣が好きな人にとっては斬新かもしれない。ただ長い映画なのでそれだけ集中力が持つかが問題だ。DVDが全て出た時に改めて最初から全部通して観たいと思う。【楽天ブックスならいつでも送料無料】映画るろうに剣心京都大火編/伝説の最期編写真集 [ 菊池修 ]【楽天ブックスならいつでも送料無料】るろうに剣心 スペシャルプライス版 [ 佐藤健 ]