絵金、闇を塗る 第三回 木下昌輝
小説すばる 2017年9月号絵金、闇を塗る 第三回 木下昌輝土佐藩家老の桐間家は、新たに絵師を抱えることにした。江戸で狩野派を学んだ俊英で、通り名は絵金・・・。(小説すばるより転載)上士、下士に分かれていて、身分差別の激しい土佐藩。家老の桐間”蔵人”清卓は、位も高いが、高慢で傲慢。お抱えの絵師を絵金と決めて、絵金を屈服させて満足していた。しかし、近森半九郎という贋作に手を染めた処刑された男の影が忍び寄る・・・。身分制度でガチガチの江戸時代の土佐藩。上で威張っている人間には快適でしょうが、威張られる下の人間はたまったものではないですね。そんな、身分とか伝統に縛られない絵金。芸術のためなら、ご禁制も何のその。周りの人間は何かしら影響を受けてしまいます。最後に明かされるあっと驚く意外な人物の名前。おお~、こう持って来ましたが!うまいですね。絵金のもたらす影響のすさまじさを語るエピソードになっていましたね。