夏鶯 第三回 赤神諒(小説すばる2024年7月号)
小説すばる 2024年7月号夏鶯 第三回 赤神諒剣の腕前は金谷では敵なし。己は鳳になると、蓮三郎は豪語した。だが、真の武士にはほど遠かった。(小説すばるより転載)第三章 大兀僧(だいがつそう)うお~、なんて面白いんだ~!連載三回にして、もう既に大傑作です。いやもう前回から大傑作だったのですが。余りにも面白すぎて、読んでいる手が震えました。怒濤のページターナー。岡山から帰った蓮三郎のその後が描かれます。隣の道場の娘・信乃(しのぶ)が様子を見ています。蓮三郎と結婚を誓った美津は、今は違う男と結婚しています。蓮三郎は何をしているかというと・・・。吉備藩は島山が権力を独り占めしていますが、政は失敗ばかり。幕府が諸藩に海防を命じて、吉備藩は安房・上総まで派兵を命じられ、益々藩の財政が圧迫されています。心を痛める戸木家の面々ですが、島山に目の敵にされていて、何も出来ない。しかし、蓮三郎は家で時流をしっかりと見極めていた。これは堪らない。早く続きが読みたくて仕方ありません。次の8月号が待ち遠しい。