新人類の年 中森明夫(小説すばる6月号)
小説すばる 2018年6月号新人類の年 (青い秋 第三回) 中森明夫六本木ヒルズで催される売れっ子若手文化人の誕生日パーティ。中野は、新人類と呼ばれた、1985年を思い出す・・・。(小説すばるより転載)そろろそバブルの気配がしていた、1985年の話。新人類と呼ばれた、若手の中野と野々宮広文と井口健介は引っ張りだこになっていた。テレビやイベントに呼ばれまくり。夕日ジャーナルのフリーライターをやっていた中野は、編集長の筑井哲夫の下で働いていた・・・。夕日ジャーナルの筑井哲夫って、朝日ジャーナルの筑紫哲也さんですよね。野々村広文は野々村 文宏さん、井口健介は田口 賢司さんと実名捜しばかりに気を取られて小説のスジに集中出来ませんでした(笑)構成作家の脇元(これは秋元さん)とか、テレビ製作スタッフの伊藤とか、有名人の名前が飛び交います。話は新人類ブームに振り回された中野ら三人の話ですが、バブルと新人類ブームがごっちゃになって、もう滅茶苦茶。現在の中野には何者にもなっていない、というオチで終わるのですが、一般人の私から見ると才能も名声も充分あると思うのですが・・・。まあ、本人の人生は本人にしか評価できませんから、他人がとやかく言えることでは無いですけどね。