ロボトミー 桜庭一樹(小説すばる8月号)
小説すばる 2013年8月号ロボトミー 桜庭一樹ぼくのうつくしいユーノは、笑顔で、文句なく幸福そうだった。あのときの彼女は、いまどこにいるんだろうか・・・・。(小説すばるより転載)ぼく(鷹野)とユーノ(優埜)の結婚披露宴の時に大泣きしていた義理の母。元プロ歌手で、非常に美しいユーノとの結婚披露宴だったが、唇以外はユーノにそっくりな義理の母は、子離れしていない母だった・・・。いやはや、結婚披露宴からもう異様です。常軌を逸している、という表現がぴったりのユーノの母です。その義母に振り回されるぼくですが、ある日決定的な出来事が起きてしまいます。そこから話が急展開していき、その先はもう何が何だか?という感じ。愛なんだか、憎しみなんだか、とりつかれているのか、離れられないのか、もうありとあらうゆる感情がごちゃごちゃに。強烈な作品でした。恋愛小説とも言えますが、どちらかというとホラー小説?怖いもの見たさで、どんどん先を読んでしまうと言う感じ。ぐいぐいと引きつけますが、ゾっとしながら読んでしまいました。ツイッターの「ロボトミー」が色々な意味で怖い・・・。ユーノの母に圧倒されていると、そのうちユーノにも圧倒され出し、しまいには、ぼく鷹野)にも圧倒されていまいす。なんか唯一まともなのはユーノの父親だけのような気がしてきました。結末も終わりなんだか、全然終わっていないのか、誰が正しいのかさっぱり分かりません・・・・。狂気の世界に引きずり込まれたような気がして、読み終わってもぼーっとしてしまいましたよ・・・・。【送料無料】小説すばる 2013年 08月号 [雑誌]