三匹の子ブタと金のオノ
もう寝なきゃいけない時間だけど、思いついたのでメモ書きします。後日清書予定。では小話「三匹の子豚と金のオノ」はじまりはじまりぃー昔々、過疎化が進む村に、三匹の子豚の兄弟が住みつきました。三匹は、狼にワラの家を吹き飛ばされ、この村に逃げてきたのです。ワラとはいえ、家を吹き飛ばすとは、狼の肺活量は常識外れです。「今度は、狼に吹き飛ばされない、新しい家を建てるぞ」長男がそう宣言し、森へ木を切りにいきました。ところが、誤ってオノを池に落としてしまいました。「どうしよう、買ったばかりのオノなのに」おろおろろろしていると、池から神様が現れました。長男は神様を見たことはありません。それでも神様とわかったのは、話の都合です。「お前の落としたのは、この金のオノ・・・」「Yes!」なぜか英語の長男。「それでは・・・」神様の手から、ひったくるように金のオノを手にする長男。「お、重い」鉄の比重は7.874。金の比重は19.32。密度約2.5倍。しかも金のオノは、柄まで金。子豚に持てる代物ではありません。哀れ、こらえきれずにオノを落とし、再び池の中へ。次の日、次男が木を切りに行きました。そして、わざとオノを池に落とします。あとは長男と同じ手順を踏みましたが、詰めがちがう。金のオノを台車に載せ、ごろごろ家まで運びます。「あとは換金するだけさ」そう言って質屋へ出かけましたが、どこも買い取ってくれません。延べ棒やアクセサリーならともかく、オノ。金で出来たオノ。なんのために造ったのかまったく不明。しかも、出所を聞いても、次男の答えはしどろもどろ。こんなあやしいものを買う表通りの質屋はいません。大金せしめてレンガの家の資金にする次男の計画は、早くも座礁。さらに、警察を呼ばれそうになる始末。あわてた次男は、金のオノを、証拠隠滅とばかりに、池へ捨ててしまいました。次の日三男が山へ木を切りにいきました。もうオノは一本も残っていないので、手にはノコギリ。ところがそのノコギリ。切れ味イマイチ。そりゃそうです。切れ味がよければ、長男次男がオノを持ち出すはずもなく。やがてノコギリは木にひっかかり、ムリに外そうとした反動。ぽーんと池に落ちてしまいました。「ふー、またか」どっこいしょと神様があらわれました。仏の顔も三度まで。神様も、いちおう同じようで。「あー、お前の落としたのは、この金の・・・アレ?」三男の姿がどこにもありません。きょきょろ見回し、さらに第六感までつかって・・・ああ、三男は池の中へ。世をはかなんでの・・・ではなく、池の中へノコギリを探しにいったのです。神様なんて、待っちゃいません。すぐに三男はノコギリを見つけ、ついでに長男次男が落としたオノも見つけました。まとめて拾って、三男が池から上がると、もう神様はいませんでした。翌日、兄弟そろって木を切る、三匹の子豚が森にいました。そんな三匹を見て、神様は言いました。「天は自らを助くる者を、助ける」三匹が切った木で家をつくったものの、狼にまた吹き飛ばされるのは、また別のお話。 おしまい