ミュージアムパスポート
ホントならちゃんとした美術館や博物館に行きたいのに、なかなか時間がとれない。そんな私にとって極めて有り難い存在が、百貨店催しの美術展。職場近くに「大丸」があるおかげで、平日の昼休みや終業後にひょいと行けるのが嬉しい。そして近年有り難いのが、期間限定ではあるが、全館フリーパスの「ミュージアムパスカード」1.500円。半年間(今なら今年の8/9から、来年の2/27まで)京都・大阪・神戸・東京・さっぽろのすべてのミュージアムに期間中何度でも入れる。これね、むちゃくちゃお得。大概、普通の展覧会で大人1枚800円なので、2回行ったら元が取れるのだ。気に入った時のリピートや、評判のいいものは混んでてゆっくり見られなくても分けて見に行けるし。わざわざは行かないようなものでも、ちょっとのぞく気になる。趣味にあわなけりゃ、さっさと出ればいいし。お店も考えたよねー。私のように「近所だから」行く人はともかく、普通の人が百貨店に展覧会に来て、まずそのまま帰らないものね。前後の食事はもちろん、ついでにお買い物、という人がほとんどでしょう。はかったようにミュージアムって最上階かその手前にあるし。・・・と、前置きが長くなりました。昨日、会期が終わりに近いので2館をハシゴしました。「赤ずきん」と名作絵本の原画たち(大丸ミュージアム梅田~10/9)ドイツのトロースドルフ美術館の「赤ずきんコレクション」と人気の絵本作家達の原画展。実に過去200年350点というのは圧巻でした。古今東西かわいらしいのからシュールなのまで、ヴァリエーションの豊かなこと!古い本の挿絵は本ごとの展示だったので、昔の印刷物の、特に「文字(活字)」の美しさにも見惚れてしまいました。一番気に入ったのはコレクションをしていた夫妻にあてた、画家からのグリーティングカードがとってもステキだったこと。。。しっかり絵はがき、ゲットしましたよ。田川啓二の世界ーオートクチュールビーズのすべてー(大丸ミュージアム心斎橋~10/2)ご存知、ビーズ刺繍のカリスマ田川啓二さん。今回は心斎橋店開店280周年記念と言うことで、これまでにない規模の作品展となったそうです。入り口の「不思議の国のアリス」をモチーフにしたファンタジーな世界から始まり、黒い壁に囲まれたキモノ(振り袖や留め袖)の意匠をいかした「和」のドレスと襖絵・錦絵を忠実に再現した日本画の世界。そして2億円という「総プラチナ製のウエディングドレス」と「ウエディングケーキ」を境に、一転白い壁になり、はなやかなで豪華絢爛な「夜会服(イブニングドレス)」の世界。さらにピカソ・ゴッホ・マネから、カンディンスキーという現代の作家に至る名画の数々。・・・まさにため息づくしの、こちらも「圧巻」な展覧会でした。ビーズ刺繍といっても、田川さんはスパンコールがメイン。それにモール糸や羽、紐等を巧に組み合わせ、近くで見ても、遠目に見ても本当に素晴らしい「芸術作品」。ミュージアムショップでは目の飛び出そうな宝石や洋服、衣料品だけでなく、実際に制作に使われているスパンコールや、手頃な小物がいっぱい。少しでもその世界に浸れるものを買って、満ち足りた気分で帰りました~。