カシラダカ
今日は冬至です。ふつう12月22日ですが、今年は閏年だったので1日ずれて21日です。 (春分の日3月21日、夏至6月22日、秋分の日9月23日、冬至12月22日)今日は古代マヤ暦で人類滅亡の日だそうですが、西暦には0年がなく、紀元1年の前の年は紀元前1年です。もしかして数え間違いなんてことはないでしょうね(^O^)閏年による冬至の1日遅れを見て、そんなことを考えた人がいました。暦ひとくちメモ。化女沼の小鳥たちです。今の時期よく見られる小鳥は、このカシラダカです。再掲です。カシラダカを見ると、私が自費出版した義父の本の次の一節を思い出します。 カスミ網 当時(昭和15年ごろ)はまだ、カスミ網で小鳥をとることが許されていました。 これを商売にしている人もありました。私は、荒巻の網場に通いました。 今でいうと、北仙台から西に歩いて間もなくあるガードの西のゆるやかな傾斜面です。 そこに高橋さんというお爺さんが、幾枚も幾枚ものカスミ網をかけていました。 三時四時頃にはチャンと準備を調えて、引鳥を引いて、渡り鳥をよぶのです。 渡り鳥の経路は大体決まっています。 遠く遠く青森や岩手の方から夜、私たちが寝ているときに群れをなして、鳴きながら南へ南へと下るのです。 東天の白むころになって、漸次飛来の高度を落とし、田んぼと山地の境界線を縫うて下ります。 餌を求めるためです。この習性を巧みに利用したのが網場です。 カシラダカの群れがよく来ました。おじいさんは、引鳥を引きます。 カシラダカの囮の足につけた細ひもを引くのです。 囮はパタパタしながら、群れ飛ぶカシラダカに「救い」を求めるのでしょうか、 「チェッ、チェッ」としきりに鳴きます。 すると、群れ飛ぶ幾百羽のカシラダカは大きく輪をかいて、ついには急転直下囮をめがけて下り立ちます。 これで完全に仕掛けられたカスミ網に文字通り一網打尽、カシラダカはみな網にかかります。 お爺さんは手に網袋を持って走っていって、網から引っかかった鳥を巧みに外します。 一寸かわいそうですが首をひねって袋に入れます。 お爺さんは、ボタンのついた着物は絶対に着てません。これは、ボタンが網に引っかかるからです。 網は細い細い糸で編まれています。私はおじいさんに教えられて、洋服のボタンは全部取りました。 胸のボタンも、袖口のボタンも、ボタンというボタンを全部取りました。 そして、私も走っていって小鳥のとり方を手伝いました。これが勉強でした。 中には、珍しい、きれいな、小さいキクイタダキがかかっている時もありました。 カシラダカと違って、ひとりさびしく渡る小鳥と思えました。 私は、このようにして、秋になると幾年か続けてこの網場に通いました。 朝、暗い中に起きて自転車を走らすのです。 そして、夜がすっかり明け放れて朝日がきらきら輝いて、朝ご飯になる頃に帰ってくるのです。 苦しいが私にとっては楽しい勉強でした。