最高の教育 -人に教えるということ-
ある小学校低学年の男の子は、親や先生が何度注意しても信号無視を繰り返し、言うことを聞きませんでした。「危険だから」と親や周囲がたいへん心配し、強く言っても、注意した時は守っていても、暫くするとまた信号無視を繰り返すのです。ある時、小学校の授業の一環で、幼稚園を訪問するという企画がありました。そこで、担任の先生は、信号無視する男の子に、幼稚園で信号の渡り方を園児に教えさせることを考えました。最初は嫌がっていた小学生の男の子も、自分を真似する園児の前でちゃんと教え始めました。すると、その男の子は次の日から自主的に、ピタッと信号無視をしなくなったそうです。教えるのではなく、教えさせるという、反対の目線は時には有効な手段となります。人に教えることは最高の教育なのです。