チャールズ皇太子の再婚
今日の午後、ウィンザーでチャールズ皇太子とカミラさんの結婚式が行われた。ウィンザー及びその周辺は大変な人出だったようだ。イギリス国内ではこの再婚に関して、盛り上がりはイマイチ、と言う感じは否めなかったものの、今夜のニュースでは「30年間の交際に終止符。チャールズやっと念願の結婚。」と言ったキャプションが各局並んだ。通常、将来の英国王となるべき人と結婚した女性は公的にHRH, the Princess of Walesとの称号が付与されるそうだ。それなのにカミラさんの場合、最初からこの称号は放棄していた。それには、離婚後も故ダイアナ妃が「Princess of Wales」の称号を有していた事とも関係があるのだろう。そして彼女はHRH, the Duchess of Cornwallで将来チャールズ皇太子が王位を継承した後はHRH The Princess Consortと称されるそうだ。(英国王室HP参照)この点について、結婚式の直前まで、憲法論議まで巻き起こして英国国会ではもめていた。挙句にローマ法王の崩御で結婚式が一日延期されることになって、最後までケチが付いた感じである。私はイギリス王室通でもないし、カミラさんのこともあまり知らない。もちろん、チャールズ皇太子についても同様だ。ただ、故ダイアナ妃が私と同じ歳だった事もあり、彼女が20歳でチャールズ皇太子に嫁いだ時の結婚式はリアルタイムでTVで観た。また、その後の彼女達のあまり幸福ではなかったと思われる結婚生活や不運な最期についても報道された程度の情報は認識している。故ダイアナ妃側に立てば、彼女の人生はあまりに不幸だったようにも見える。また、チャールズ皇太子側に立てば、30年余の思いを実らせた世紀の結婚、とも言い得よう。ある中年(老年?)男女の再婚という一つの事実についてこれほど異なった捉え方ができてしまう。結局、だれが幸福でだれが不幸か、何が正しくて何が誤りなのかと言った事柄は当事者にしか、わからない事なのかもしれない。また場合によっては当事者にさえわからない事もあるのだろう。ただ、私が感じたことと言えば、1. カミラさんは非常に人間的魅力があると言う話を聞いた。話題が豊富でかつ相手の気を逸らせず、一緒にいて、楽しい人だと言う。おつきあいして30余年と言う月日を考えればこれは正しいかもしれない。2. 故ダイアナ妃がイギリス国民に人気がありすぎて、チャールズ皇太子やエリザベス女王がかすんでしまい、特にチャールズ皇太子の嫉妬を買ってしまった、と言う話もある。多分、ダイアナ妃としては、当初は必死に夫の気を引こうと努力した、と思われる。その結果として夫の気ではなく、国民の気を引いてしまい、夫の嫉妬を買った、というのはあまりに皮肉。3. チャールズ皇太子はカミラさんに心底惚れているのかもしれない。というのは、彼らの年齢や今までの来歴から結婚して得るものと失うものとのバランスを考えるとカミラさんとしてはそんなに結婚に執着するものがあるとは思われないからだ。逆に下手に結婚して表舞台に立てば、一挙手一投足を故ダイアナ妃と比較されることになってしまう。カミラさんの元夫も実家も大金持ちだというから、生活に苦労しているわけでもない。とするとこの結婚で得るものが大きいのはチャールズ皇太子で、おそらく実質と形式の結びついた「心の平安」というお金で買えないものが得られるのだろう。4. 2人の王子達はどう感じているのだろうか。ダイアナ妃にそっくりのウィリアム王子とパパ似で問題児と言われて久しいヘンリー王子。自分達の産みの母親を思わざるを得ないだろうに。願わくば彼らが実質と形式の結びついた実のある人生を送リますように。それにしても50歳半ばでの新たな人生の展開。人間何かを始めるのに遅すぎる、という事はきっとないのだ。