19周年の実力、そしてマダムキラーのギャルソン。
昨日の晩ごはんは、こちらでご紹介。前日にその店の前を通りかかると、店内から楽しそうな声が。見ると満席!ふーん、と思って前に出ているメニューを見ていると、中からマダムらしき方がニコニコしながら出てきた。「19周年の記念のコースもありますので、是非」とチラシを数枚くれた。このお店は引っ越してきた時から気になっていた。ちょっと古い感じの店構え、でもお昼も夜もお客さんがしっかり入っている。このあたりはオフィスも結構あるので、ランチは安くてボリュームたっぷりな事が要求される。19年も続いているのなら、まあ間違いないんだろうなあ。確か以前、料理王国にも紹介されていたなあと思い出す。そして昨晩、訪れてみた。入り口に立つと、きびきびした青年が「すぐにお席をご用意しますのでお待ち下さい」と口角がぴっとあがった笑顔でお出迎え。うーん、これまで出会ったことないほど笑顔が見事なギャルソンである。席に通される。見るとまたもや満席である!熟年の男女グループや外国人を交えたグループ、若いカップルなど、客層もバラエティに富んでいる。キッチンはオープンで、シェフと若い女性がコック帽をかぶっている。昨日の素敵なマダムは今日はいらっしゃらないよう。メニューを見せてもらう。イタリア料理屋なのかな、と思っていたけど、パエリアなどもあって地中海料理をうたっているようだ。さっきのギャルソン君が来て「ただ今、19周年でこちらのコースメニューがございます。シェフがとても力を入れて作っている料理ばかりで、とてもお勧めです!」とまた口角ぴっの笑顔である。実は、体調の悪かった私は、軽く飲んで軽くつまんで、と考えていたのだけど、あまりにも彼の笑顔とセールストーク(?))が見事で、コースをお願いすることにしてしまった。ワインも「こちらのトスカーナが非常に美味しいです」、更に「白ワインをグラスで召し上がって、その後赤をボトルでお召し上がりになってはいかがですか」と非常に具体的なサジェスチョン。お勧め通りにトスカーナの白をいただくと、うん、美味しい!ワインは詳しくないので、よくわからないけど、しっかりして蜜を感じるような、そんなワイン。そこにお料理がやってくる。冷たいアンティパストは4種類。海老とポテトのポルペットーネ白菜のピクルスメカジキのシチリア風蒸し焼き山伏ポークの蜂蜜風味ポルペットーネはコロッケですね。メカジキは玉ねぎやトマト、松の実、レーズンなどのみじん切りをメカジキで包んだもの。美味。豚もさっぱりとした脂で肉の旨みもしっかり。蜂蜜と粒マスタードがよくあう。これですっかり食欲回復。温かい前菜は、ほたてのカラメリゼ南国の装い。南国風?ってのは、薄ーくスライスした乾燥したパイナップルを添えているから。ほの甘いパイナップルとホタテがいいかんじ。赤ワインはまたギャルソン君のおすすめで「メインのお料理を考えますと、こちらくらい強いほうがあうと思います」と5,800円のトスカーナを勧められる。今日は、軽く食べるだけだったのになあ、予算オーバーだよ、と思いつつ、やはり彼の笑顔に「ま、いいか、美味しくいただきましょう」とお願いしてしまう。パスタはオットはコースの「コンキリエのマロンクリームソース」私は、トマトソースのが食べたかったのでお願いして「アラビアータ」に変更してもらう。コンキリエは貝殻の形のショートパスタ。ちょっともらったのだけど栗の甘味とクリームソースで美味しい。コンキリエってあまり使ったことなかったけど、くぼみにしっかりソースを絡ませられるので、いいかも!アラビアータは辛味はそれほど強くなく、フレッシュトマトの爽やかさが満点。メインは私は「地鶏の宝石箱、生ハムトリュフ詰め」、オットは「庄内ラムのブレゼ」。鶏は皮の焼け具合も火の入り方もちょうどよく、生ハムの塩気がアクセントになっていて美味しい!もちろん黒トリュフも。すっかりご機嫌。体調不良はどこへやら、である。ラムはデミグラスソースで柔らかく煮込んだもの。これも一口もらったけど、美味しかった!ボトルもなくなり、オットのみ途中でグラスで赤ワインをいただく。またまたギャルソン君「こちらをグラスでも召し上がっていただけますが、いかがでしょう。ラムにぴったりです。」と1万円のトスカーナ。もう、頼んじゃって!味見させていただくと、5,800円のよりも滑らかで飲みやすい。美味しいわ、さすが。最後のデザート。我々が酒飲み(カモ?)だとしっかりわかったギャルソン君、「秘蔵のグラッパもございますが」と。グラッパ好きのオットが我慢できるわけもない。見せてもらうと木箱に入ってご大層である。恐る恐るお値段を聞くと2,500円とのこと。オットは飲みたい光線を送ってくる。どうぞ、頼んじゃって!私は蒸留酒は苦手なので、すこしなめさせてもらう。グラッパって無色透明で口に含むとぱっと蒸発しちゃうようなのが多いけど、こちらはとろんとした琥珀色、香りも味も杏のようなかんじ。バローロのぶどうを使っているそうです。デザートはオレンジスフレとチョコガナッシュ。2本添えられた焼きメレンゲは20周年への架け橋だそう。うーん、いい感じに酔っ払った私の頭には「栄光の架け橋へと~♪」とオリンピック応援ソングが流れたわ。ようやくエスプレッソまで到着し、店内を見ると、他のお客様はもういない。ああ、遅くまで失礼しました。思いもかけずしっかり食べてしっかり飲んでしまったけど、そうさせるお料理とサービスのお店です。つまりよいお店だということ。お店は今はやりの感じではないし、盛り付けも華麗というわけではない。でもしっかりと実のあるお料理。そしてお料理の出るタイミングも見事。これはサービスと調理場がちゃんと連携できているから。サービスはあの前日のマダムのもと、みんなちゃんと仕込まれているのだろう。あの若さであれだけの気配りの出来るギャルソンはなかなかいない。そのうちこのあたりのマダムにお店でも持たせてもらうんじゃなかろうか・・・なーんて思ったりして。最後にお店の名前を明かしておきましょう。「ハウス アオヤマ」お勧めです!::::::::::日曜日の夜ごはんは、のちほど…。と思ったけど、あまりにも長くなったので月曜日の日記にて。