「ザ・ムーン」を観て
月への有人飛行を目指した、1960~70年代のアメリカの“アポロ計画”を宇宙飛行士が語る真実の言葉と素晴らしい映像で振り返っていくドキュメンタリー映画です。 “それは奇跡の‘宇宙’体験 月へ ――”原題は、“In The Shadow Of The Moon”、2007年の作品です。≪内容≫1969年7月16日に打ち上げられたアポロ11号。そして3日後、人類史上初めて月に降り立った。以来、最後のミッションとなった1972年のアポロ17号まで、12人の宇宙飛行士が月面に降り立った。しかし、いまだ月面に降り立った人間はその12人のみ・・・。奇跡の偉業を成し遂げた、“アポロ計画”の全貌を、10人の宇宙飛行士たちの貴重な証言と、これまでに公開されていない、NASA秘蔵の驚異の映像の数々で綴った感動のドキュメンタリー。監督はデヴィッド・シントン、プレゼンツ(提供)はロン・ハワード、製作はダンカン・コップ、共同製作・助監督はクリストファー・ライリー、撮影はクライヴ・ノース、編集はデヴィッド・フェアヘッド、音楽はフィリップ・シェパード。インタビューキャストは、バズ・オルドリン(11号)、マイク・コリンズ(11号)、アラン・ビーン(12号)、ジム・ラヴェル(8号・13号)、エドガー・ミッチェル(14号)、デイヴ・スコット(9号・15号)、ジョン・ヤング(10号・16号)、チャーリー・デューク(16号)、ハリソン・シュミット(17号)、ジーン・サーナン(11号)。 ※( )内は乗船したアポロ名2007年1月にサンダンス映画祭(アメリカ)で初公開され、ワールド・フィルム部門の観客賞を受賞しました。他に、フロリダ映画祭で最優秀外国映画観客賞、インディアナポリス国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー観客賞、アーサー・C・クラーク賞で最優秀映画賞など、数々の映画祭で賞を受賞しています。アメリカでは2007年7月に公開(地域限定)され、その後、イギリス、2008年にはオーストラリア、そして今年日本、ドイツで公開されました。提供を務めたロン・ハワード監督の名作「アポロ13」の大ファンですが、最新のVFXやCG技術を使って、リアリティのある映画に仕上げても、今作で得られる、“本物”の感動とはやはり違うものだと思います。TVなどで、アポロ計画のニュース映像などを観たことはありましたが、実際にアポロに乗船した宇宙飛行士たちの素晴らしいコメントの数々や今まで公開されなかった新たな映像や、当時の映像で構成された今作は、飛行士たちからの贈りもののような作品で、とても感動しました。当時、30歳代だった飛行士たちは、今は80歳近くになっています。そして、すごく魅力的でとても素敵なおじさまたちなんです!(笑)それぞれが語る言葉は、偉業を成し遂げた自慢話や単なる体験談でもなく、高度な宇宙技術の話でもなく、人としての温か味に溢れていました。当時の苦労話あり、実はあの時・・・という隠れたエピソードあり、外から見た地球のこと、戻ってきてから変わった考え方についてなど、一言一言を絶対に聞き逃したくないくらい、本当に夢中で観てしまい、1時間40分の作品ですが、3時間でも4時間でも、もっともっと、たくさん話を聴かせて欲しいという気持ちでした。現在も違う形で宇宙計画は進んでいますが、あの時代だったからこその月面に降り立つというアポロ計画について上手くまとめ上げられていて、当時のことをご存知の方も、まったく知らない若い世代の方にも、ぜひ、たくさんの幅広い世代の方に観て欲しい作品です。中・高生など学校で上映したら、ものの見方や考え方にいい影響を与え、悩み多き心や感性に変化を与えてくれる内容だと思います。こういう作品を生徒たちに勧められる先生もまた魅力的かと・・・。エンドロールでは、平井堅さんが歌う“ムーン・リバー”が流れました。日本版主題歌ということだそうで・・・。 (*^ ^*) ゞ1月16日より、全国ロードショー公開されています。「ザ・ムーン」 オフィシャルサイト