「ハンガー・ゲーム」を観て
未来の独裁国家を舞台に、最後の1人になるまで戦いを続けるという“ハンガー・ゲーム”に、貧困地区の24人の若者たちと取り巻く人々を描いたサバイバル・アクション作品です。 “生存率1/24 それは究極のサバイバル。 戦うことでしか、生き残れないのか ――― ?”原題は、“THE HUNGER GEMES”。≪ストーリー≫強大な権力を握る独裁者スノー大統領が君臨する国家パネム。パネムはエリート階層が暮らす都市キャピトルと12の貧困地区で構成されていた。反乱の抑止を目的に、毎年、12地区から12~18歳の男女1人ずつを選出し、最後の1人になるまで殺し合いをさせ、TVで生中継される“ハンガー・ゲーム”という、貧困層に対する見せしめのためのイベントを開催していた。プレイヤーの抽選会で、第12地区からは12歳の少女プリムが選ばれてしまうが、姉カットニスが身代わりを志願し、男子で選ばれた同級生ピータ・メラークとともにハンガー・ゲームが開催されるキャピトルへ、用意された豪華列車で向かった。各地区から集まった24人の若者たちは、教育係による過酷なトレーニングが行われ、また、エリート層のスポンサーを掴むためにスタイリストからアドバイスをもらっていた。そして、24人は究極のサバイバル・ゲームに身を投じていくのだったが・・・。≪スタッフ≫監督はゲイリー・ロス、製作はニーナ・ジェイコブソン、ジョン・キリク、製作総指揮はロビン・ビセル、スーザン・コリンズ、ルイーズ・ロズナー=マイヤー、原作はスーザン・コリンズ、脚本はゲイリー・ロス、スーザン・コリンズ、ビリー・レイ、撮影はトム・スターン、編集はスティーヴン・ミリオン、ジュリエット・ウェルフラン、プロダクションデザインはフィリップ・メッシーナ、衣装デザインはジュディアナ・マコフスキー、音楽はジェームズ・ニュートン・ハワード、エグゼクティブ音楽プロデューサーはT=ボーン・バーネット。≪キャスト≫カットニスにジェニファー・ローレンス、ピータ・メラークにジョシュ・ヤッチャーソン、教育係のヘイミッチにウディ・ハレルソン、スタイリストのシナにレニー・クラヴィッツ、スノー大統領にドナルド・サザーランド、カットニスの妹プロムにウィロウ・シールズ、他にリアム・ヘムズワース、エリザベス・バンクス、スタンリー・トゥッチ、ウェス・ベントリー、トビー・ジョーンズ、ジャック・クエイド、アレクサンダー・ルドウィグ、アマンドラ・ステンバーグ、イザベル・ファーマンなど。アメリカでは今年3月に公開され、4週連続で興行収入トップを獲りました。ホラーものじゃなく、若者同士が殺し合う映画ってどんな内容なのかと思っていました。しかも、アクションものとはこれまで無縁のゲイリー・ロス監督(脚本)だったし・・・。でも、キーファーさんのパパ、ドナルド・サザーランドが出演しているのを知ってから、公開されたらやっぱり観に行っちゃうかなぁと思っていました。観る前は、“ハンガー・ゲーム”のサバイバルな部分が中心かと思っていたのですが、予想は大きく外れて、サバイバルに突入するまでがとーっても長かったです。(苦笑)かと言って、突入前にこれといった重要なストーリー展開があるわけでもなく・・・。ストーリー全体の導入として、パネムという国家がどういう社会状況になっているのか、どうやって各地区から若者が選ばれるのか、教育係やスタイリストの役割は何なのか、ゲームを盛り上げるためのTVショーの存在、大統領、ゲームメイカーの紹介など。煌びやかなパネムの富裕層の人たちのファッションとメイクには驚かされました。特に女性たちのメイクがド派手ですごかったです!また、24人のプレイヤー1人1人を描くことも、時間的に無理があるので、カットニスとピータ以外は、数人のプレイヤーにしかスポットがあたりません。それにしても、戦うのが12歳から18歳までって年齢差が大きいような・・・。(笑)“ハンガー・ゲーム”のシーンは実写が多く、大自然の中で展開します。参加者は武器を使ったり、自然を生かして身を隠したり、食料を確保したり、ある者たちはチームを組んだり、助け合ったりし、眠る時も気が抜けません。誰かが殺されるたびに号砲が鳴り、また時にゲームルールの変更もあって、誰かを優位にさせたり、凶暴な動物を登場させたりと、ゲームメイカーによって、リアルタイムで観ている人たちを惹きつけるために演出が施されます。「ウィンターズ・ボーン」で演技力が高く評価されたジェニファー・ローレンスをはじめ、子役から活躍するジョシュ・ハッチャーソンなど、若手キャストがたくさん出演していて、前述のドナルド・サザーランド、さらにウディ・ハレルソン、スタンリー・トゥッチ、エリザベス・バンクスなど、実力派キャストが個性溢れる役で脇を固めています。レニー・クラヴィッツ、クールでメチャクチャかっこ良かったです!すでに続編「キャッチング・ファイヤー(原題)」が製作されることが決まっていて、全米公開が2013年11月22日の予定になっています。ゲイリー・ロス監督は準備期間が短いため辞退となり、「コンステンティン」「アイ・アム・レジェンド」のフランシス・ローレンス監督が新たにメガホンを取ることが発表されています。また、完結編となる「モッキングジェイ(原題)」が2部構成になることも決まっていて、前編は2014年11月21日、後編は2015年11月20日に全米公開予定です映画の内容から離れて、思いっきりキャストの余談になりますが・・・。オフィシャルサイトの“選ばれたプレイヤーたち”登場キャラクターの紹介では、カットニスが身長170cm、ピータが178cmと書かれていました。でも、映画の中では明らかにジェニファーの方がジョシュくんより背が高いです。IMDbで調べたら、ジェニファーが175cm、ジョシュくん170cmでした!現在20歳のジョシュくん、続編の撮影する頃になったら背が伸びているかな?それと、マーヴェル(第1地区)役に扮したジャック・クエイドくんですが、名前からわかる通り、デニス・クエイドの息子さん=メグ・ライアンの息子さんです!どちらかと言うと、お父さんの方に似ているかなぁ。とっても可愛い気のないクローヴ(第2地区)役のイザベル・ファーマンですが、あの異色ホラー「エスター」で主人公の少女エスターを演じた子です。あと、カットニスの恋人ゲイル役のリアムくんはクリス・ヘムズワースの弟さんで、クリスよりもやや甘いマスクですが、今秋公開される「エクスベンダブルズ2」に、元オーストラリア特集空挺連隊の凄腕スナイパー役で出演しているようです。そんなこんなで(?)若者向けのサバイバルものですが、プチッと恋愛物語も絡んでいます。極力、残虐なシーンは抑えられて描かれていますが、“殺し合う”のでそれなりには・・・。PG12に指定されていて、小さなお子さんにはあまりオススメできないかも!9月28日(金)より全国ロードショー公開されています。 (PG12指定)「ハンガー・ゲーム」 オフィシャルサイト