「マイケル・コリンズ」を観て
イギリスの支配下にあったアイルランド独立のために戦った男たち、そのリーダーとして導いたマイケル・コリンズの半生を描いた、史実に基づき、実在した人物たちを描いたドラマです。原題はそのまま、“Michael Collins”、1996年の作品です。≪ストーリー≫1916年、12世紀以来、イギリスに支配されたアイルランド。独立を求めてマイケル・コリンズは、指導者デ・ヴァレラのもと、“イースター蜂起”と呼ばれる武装蜂起を決行するが失敗する。釈放されたコリンズは、同志で親友のハリー、配下のジョーらと語らい、“アイルランド義勇軍(IRA)”を率いて、新たな独立運動を展開する。処刑をまぬがれたデ・ヴァレラを獄中から救出し、コリンズの協力者となったブロイ警部からの情報によって、イギリス警察内部の諜報網を掴む。命知らずの青年たちに命じて、イギリスの官憲たちを次々と暗殺し、大胆な戦略で義勇軍を追っていた警察を翻弄していくのだったが・・・。≪スタッフ≫監督・脚本はニール・ジョーダン、製作はスティーヴン・ウーリー、協同製作はレドモンド・モリス、撮影はクリス・メンゲス、編集はジェイパトリック・ダフネー、トニー・ローソン、美術はアンソニー・プラット、衣装デザインはサンディ・パウエル、音楽はエリオット・ゴールデンサール。≪キャスト≫マイケル・コリンズにリーアム・ニーソン、ハリーにエイダン・クイン、キティにジュリア・ロバーツ、デ・ヴァレラにアラン・リックマン、ブロイにスティーヴン・レイ、ジョーにイアン・ハート、他にチャールズ・ダンス、ショーン・マッギンレイ、ジョン・ケニー、ジョン・オリアリー、ジョナサン・リース=マイヤーズ、ブレンダン・グリーソンなど。実話に基づいて描かれた作品で、リーアム・ニーソン主演だったこと、そして、まだ無名だった18歳のジョナサン・リース=マイヤーズがストーリーに重要となる少年役で注目された作品だったこともあり、以前からいつか観てみたいと思っていた作品です。アイルランドは多数の独立王国に始まり、バイキングやノルマン人による侵略、12世紀になり、イングランド王ヘンリー2世が主権を認められた後も、スコットランドからの侵略、国内での反乱もあり、16世紀になって、ヘンリー8世が国王となった後も、宗教革命、反乱は繰り返され・・・。アイルランドの歴史年表を紐解いていくと、イギリスと関係、確執、政治や宗教問題など、目まぐるしく様々な出来事が起きていました。DVDに収録されていた特典にジョーダン監督のインタビューがあって、監督自身が語っていますが、映画化するにあたって脚色した部分もあるそうです。公開当時、さまざまなプロットが史実と異なるという批判の声があがり、中には、“フィクションと明示すべき”という意見まであったそうです。史実を基に、ストーリーはやや飛ばし気味に描かれていますが、それでも2時間13分という長編作になっています。本来であれば、TVシリーズ並みのいろいろな出来事があり、映画としてまとめるには、はしょることは止む得ないことかと・・・。マイケル・コリンズがいかに部下たちから信頼されていたか、独立運動に貢献した人物だったかを知ることはできました。リーアム・ニーソンは演説シーンなど熱演が光っています。いろいろな作品でリーアム・ニーソンを観ていますが、知性に溢れ、指導力がある役は本当にお似合いです!アラン・リックマン、エイダン・クインという演技派が揃い、祖国の独立のため、命を懸けた男たちの戦いを魅せています。終盤になってジョナサン・リース=マイヤーズが登場して、その初々しい姿に、思わずTVに近づいてしましました。(笑)