「あの頃ペニー・レインと」を観て
“たった15歳でローリングストーン誌のライターとしてデビューしたウィリアム。 優等生の彼を変えたのは、ロックと切ない初恋だった。”ユーモアもちょっぴり入れながら、70年代のロックシーンを描いた作品です。そして、少年が抱く切ない恋心もとってもハートフルに描かれてます。≪ストーリー≫厳格な母に育てられ、セックスもドラッグも知らない優等生のウィリアム。弁護士を目指すウィリアムが、ロックを聴き出したのは姉の影響から。地元の雑誌や新聞に掲載された原稿が、たまたまローリングストーン誌の伝説的なロック・ライターのレスター目に留まり、相手が15歳とも知らず、ブレイク寸前のバンド、スティルウォーターへの同行取材を依頼し、ウィリアムの生活は、一気にロックの世界に没頭してゆく。プロのミュージシャンが見向きもしなかったウィリアムの存在だったが、そのひたむきな純粋さが周囲の大人たちを徐々に惹きつけていった。そして、ミュージシャンたちは素顔を見せ、本音をウィリアムに話すようになる。そのきっかけを作ってくれたのは、バンドエイドのリーダー的存在のペニー・レイン。出遭ったその日から、ウィリアムにとってペニー・レインは女神のような存在となり、同時に、切ない恋の始まりでもあった・・・。デビュー作の「セイ・エニシング」、そして「シングルス」「ザ・エージェント」と、心の優しさをテーマにした内容の作品を手掛けてきたキャメロン・クロウ監督。今作では、監督・製作・脚本と3役をこなしています。第73回アカデミー賞で、脚本賞を受賞しています。主人公ウィリアムは、キャメロン・クロウ監督自身がモデルだそうです。ロック・ジャーナリストとしてデビューしたのがやはり15歳の時。その後、ローリングストーン誌のトップ・ライターとして活躍し、10代でありながら、レッド・ツェッペリン、ニール・ヤングなど当時のビッグ・アーチストたちを取材し続けていたそうです。そして、キャメロン・クロウ監督の16歳からの友人というピーター・フランプトンがテクニカル・コンサルタントを担当し、ミュージシャン役の俳優の人たちにテクニックとスピリッツの指導にあたり、ライブシーンでは実際の観客を前にして本物のビッグなロックバンドとしてエキサイティングな演奏を披露しています。ピーター・フランプトン・・・大好きで聴きまくってました!(笑)部屋にはポスターを貼って、下敷きには雑誌の切りぬきを挟んでました。 (*^ ^*)ゞ大ヒットしたアルバム「フランプトン・カムズ・アライブ!」のライナーノーツはなんと、キャメロン・クロウ監督が書いていたそうです。知りませんでした。この映画のために、ピーター・フランプトンはスティルウォーターの曲を共同での作詞に加わっています。サイモン&ガーファンクル、ロッド・スチュアート、デビッド・ボウイ、イエス、ザ・フー、レッド・ツェッペリン、ビーチ・ボーイズ、エルトン・ジョン、ナンシー・ウィルソン、オールマン・ブラザース・バンド、レイナード・スキナード・・・。サウンド・トラックには、当時のサウンドがいっぱいです!初映画出演となったパトリック・フュジェットが初々しいウィリアム役がピッタリでした。そして、ウィリアムが憧れるペニー・レインにはケイト・ハドソン。アカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演女優賞を受賞しました。バンドメンバーのラッセルにビリー・クラダップ、 他にフランシス・マクドーマンド、フィリップ・シーモア・ホフマン、アンナ・パキンなどが共演しています。評判どおり、ペニー・レインを演じたケイト・ハドソンはすごくキュートでした!作品のフォトを以前見た時に、“マドンナみたい”って思っていましたが、映像で観たペニー・レインは全然違っていて、本当に可愛くて魅力的でした。何かと、ケイト・ハドソンには“ゴールディ・ホーンの娘”という肩書きが付きますが、これからは、ママの方が“ケイト・ハドソンの母”と呼ばれる時代になりそうです。そして、ウィリアム役のパトリック・フュジェットは、あまり映画に出ていませんが、「ホワイト・オランダー」(2002)でアリソン・ローマンのボーイフレンド役で出ていました。また、「シャーロット・グレイ」や「ビッグ・フィッシュ」からは想像できない、ロックミュージシャンの役を見事に演じているビリー・クラダップには驚きました。ある意味、感動してしまったくらいです。よく邦題がイマイチ・・・という作品に出会うこともありますが、「あの頃ペニー・レインと」という邦題にしたのは大正解だと思います。ちなみに、原題は「ALMOST FAMOUS」。前述以外にも、ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル/コメディ部門)をはじめ、ロサンゼルス映画批評家協会賞では同助演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、ボストン映画批評家協会賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、イギリスのアカデミー賞では、オリジナル脚本賞、音響賞受賞を受賞しています。「あの頃ペニー・レインと」 オフィシャルサイト