誰も知らない
前からみたかった。まいったよ。昔、こんな家庭があったよ。この柳楽優弥くんのけなげで、はかない姿。同世代の子どもがいるだけに、本気でまいった。本当にあった事件がモチーフに作られているのだけど、妹が亡くなるというアクシデントがなければ、多分、都会の片隅には、似たような境遇にさらされている子どもたちがいるんだろうな。20年以上前でもあったんだから。文盲率0%という日本の裏側には、底知れないものがあるんだと、若い頃にも思ったけど、今は表面上は豊かになっている分だけ、余計にその悲惨な情景が目に浮かぶ。物質的に豊かになった日本は、心を豊かにすることを忘れてしまったのかも知れないね。そんなことを考えさせてくれる映画だね。結末は分からないけれど、これで児童相談所に子どもたちはつれていかれるだろうけど、その後はまたもや同じなのだろうな。そして、心が育っていない大人の犠牲になるのは、いつも子ども。子どもを守ることのできない国になっている今の日本に、憂いを感じる。そして、この映画の音楽を奏でてくれる「ごんちち」この音楽もはかない。