ちょっと引きます、フランス系ギャグ・・・
先日だらだら生活を送った時に、家にあったビデオを見ました。その一つがパトリス・ルコントの「リディキュール」。自分の領地の窮状を訴えようとベルサイユに赴いてきた田舎貴族が目の当たりにする愚かで滑稽な(リディキュールの意味)宮廷絵巻。当時の宮廷では、エスプリに富んだ話術があればもてはやされ、それのできないものは残酷にも見捨てられていく。タイミングよく、ビシッとエスプリを効かせないとアウトなわけです。フランスはかつてこういう厳しい世の中だったようですが・・・。そりゃあもうお腹を抱えて笑うくらい面白い人々も仲間内にはいるけれど、私は全般的にどうもフランスのギャグのセンスに笑えないことが多いです。確かに私は芸の道には厳しい関西出身なので、多少のことでは笑わないということはあるでしょうが・・・。あ、そういう風に見ると、関西はある意味上記の18世紀のベルサイユのようですね。なんてったって、関西では男に求める条件の上位に「面白い」というのが入ってるくらいですから。フランス語でJEU DE MOTS(言葉遊び)なんて言えば、非常に聞こえはいいですが、はっきり言って「これってただのオヤジギャグじゃ・・・(汗)」と思うことも。フランス語だからまだきれいに聞こえて許されるんですけどね、日本語に訳したらかなり寒いのがいっぱいあります。これが面白いっていうんですから、まさにカルチャーショックです。それとも私がフランスのエスプリを解さないのか!?言葉遊びにもなってるんですが、どうしても私が理解できない小話を一つ。"PAS DE BRAS, PAS DE CHOCOLAT" (発音的にはパ・ド・ブラ、パ・ド・ショコラと韻は踏んであります)両腕のない子供がお母さんに「チョコレート取って」と言います。お母さんは「棚にあるから自分で取りなさい」と返事します。子供は、「お母さん、私には腕がないんだから自分では取れないよ」と言い返します。するとお母さんは、「だからね、腕がない子にはチョコレートはなし(フランス語でPAS DE BRAS, PAS DE CHOCOLAT)」チャンチャン。????じゃないですか、これって。だいたい腕がない子を出すということ自体、日本ではかなりギリギリですよね。それにこの最後のお母さんの強烈な答え。私の結構気に入ってる歌手が、このタイトルの歌を作ってわりとヒットしてたんですけど・・・。どうやらこれで終わったみたいです。ま、あんまり売れるとコンサートとか高くなるし、ちょっといやかもと思ってたので、私的にはOKですが。そういうちょっと寒いんじゃないの?と思われる言葉遊びを口にするフランス人には、それは日本ではオヤジギャグである旨を説明しています。ここで寒いオヤジギャグの例でも挙げれば盛り上がるかなーと思ったので、一生懸命考えてみましたが、そのカルチャーがない私には不可能です。そこでネットで調べてみたところ、意外な事実が・・・。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)オヤジギャグとは、否定的なニュアンスで受け取られるギャグ。主に40代以上のオヤジが連発して若年層の失笑を買うことからこの名称がついた。具体的には何のウィットもなく単に語呂あわせだけのダジャレ(例:「ふとんが吹っ飛んだ」など、古典的なもの)とか、卑猥な表現を多用してセクハラ気味のギャグなど。オヤジギャグをいう本人は自分はユーモアのセンスがあると思い込んでいるが、単に社会儀礼として笑ってもらっているだけであることを自覚する必要がある。、「寒い」あるいはそれに関連した表現はオヤジギャグに対する拒否反応なので、これらの表現を耳にしたときはそのような思考パターンこそが若年層に嫌われるものであることを自覚することも大切。と警告が並んでいますが、なんと「2005年1月3日付の朝日新聞によると、日本の76%がオヤジギャグに寛容な態度を見せている。」のだとか。ということは、寛容じゃない私の方が少数派なんですね。これから先、これを容認、いや黙認の方向に持っていかないと、フランスでも日本でも住み心地が悪くなるってことでしょうか・・・?クリックよろしくお願いします!→ も(さぼり気味ながら)開館中!