I'm in love with my car
Queen4作目"A Night At The Opera"所収。Roger Taylor作。言わずと知れたことではありますが、同アルバムにはQueen代表曲"Bohemian Rhapsody"が収められております。ただの女に振られた曲じゃねーか、と思ってましたね。昨年6月末、ちいさな軽自動車を購入しました。藍色のホンダライフ。今では私の愛娘であり、路を走る先生であり、four-wheeled friendです。自分で運転するようになって、この歌の歌詞が「わかってきた」と、思う。初夏、冬タイヤを履いたままで彼女は私のところにやってきました。灰皿には、煙草の吸殻。主人にタイヤ交換してもらい、私は車体の泥を落としながら、私の頭の中にこの歌が響き始めました。I'm in love with my car~あ、ほんとだ。私、この娘を好きになることができる。ガソリンが無くなってきて車体が軽くなると、エンジン音が澄んできて、離陸しそうなくらいいい音です。私の独り言も鼻歌もエンジン音に吸い込んで、容れてくれる。愚痴、悪態、不満さえも(雪道の悲鳴も)。"Cars don't talk back they're just four wheeled friends now"女と違って口答えしない、だと解釈していて、なんだつまんねえ男だな、なんて思ってましたが違いますね、。この”talk back"は、きっともっと深い。ついつい発してしまった感情を、小さな、暖かい空間に聞こえてくるエンジン音は、吸い込んでくれる。ここに車と人の交歓のような、気持の安らいでくるものがあるのだ。そして、このことをわかって歌にするなんて、Roger Taylor、あなたも深い男だったのねえ。と、勝手に惚れ直すことにした。*歌詞は、HOLLYWOOD RECORDS "QUEEN TWENTY YEARS REIGN""A Night At The Opera"から引用しました。【中古CD】オペラ座の夜/クイーン