9-12月の本
このカテゴリーを更新するのは8月末ぶりで あまりの読書量の少なさに反省。 この秋は、一体何をやってたんだろう…三島由紀夫 豊饒の海(一)全四巻の一巻目なのに主人公が死んでしまい、この先、どうするの??という印象。描写がとても細かくて、丁寧に読んでいけば情景が鮮やかに浮かびそうですが、細かすぎてちょっと苦手でした。これって映画になったんですね。読み終わってから気付きました。これの映画ってどんなのなんだろう?金原ひとみ オートフィクション “どうして世界は彼が浮気した瞬間に破滅するシステムになっていないのだろう”、というのは極端だけど、信号が青になったのを見て、“信号が青だと認識している自分の脳みそを信じるのは危ないかもしれない”、と感じるのは、分かる気がする。それにしても、使っている言葉が汚い。意図として使っているのだろうけれど、言葉が汚いと読みにくいし、後味が悪い。よく計算して構成されているような気もするけれど、全体的に不安定な感じ。不安定な感情を表現しているからというのではなく、文章が不安定、なのかなぁ?宮部みゆき あやし ~怪~9篇からなる短編集です。人の怨念、恨みがかたちになって起こる妖しくも悲しい話ですが、その怨念に立ち向かうのが家族への愛情だったり他人への慈しみだったりするので、“怖い”印象はありません。恐怖の中に人の温かみを感じさせるところがさすが。宮部みゆき 日暮らし(上)(下)上巻は、短編仕立てで、思いやりや支えあい、助けあいが中心に描かれていて優しい気持ちになれる。下巻になると、上巻の話をすべて巻き込んでのミステリーが展開。下巻ももちろん面白いのだけれど、上巻のほうが繊細に丁寧に書かれているかんじ。「偽」という字が、今年の字に選ばれてしまうようなこの一年、年末に読んでみるものよいかも。心がぽっとあたたまります。どうやら前作があるみたい。次はそちらを読みます。