追っかけ日記 NO.196ー観風会ー
昨日は、観世能楽堂に「観風会」を観に参りました。この会は、観世流シテ方・津田和忠さんの主催する会で、素人会の催し物でした。 生徒さんのお知り合いの方が出演なさるとのことで、そのご縁で拝見させていただきました。素人会ということで、萬斎さんのスケージュールとしては、公表されていなかった会でした。 入場無料の会で、全席自由席。早く行こうかと思いましたが、多分、見所の出入りが多い会になるだろうからと思い、開演午前9時の10分ほど前に入場いたしました。思ったとおり、まだ見所はとても空いていましたので、希望の脇正面最前列の左端のお席に座ることができました。 この日のご出演の演目からして、このお席が一番近いはず。 お能の素人会は始めて拝見しましたが、素謡、独吟、仕舞、舞囃子、能などそれぞれの演目を、地謡で見守りながら、スタートの合図をしたり、終わった直後に労いの言葉をおかけになったり,先生のご苦労がしのばれました。 ダンスの発表会と同じで、お能の会もやはり、いろいろと大変だと思いました。 萬斎さんのご出演は2番。 能「鷺」。ある夏の日、神泉苑に御幸した帝(北岡謙一)が、池の州崎に遊ぶ鷺(シテ)を捕らえるよう蔵人(ワキ・森常好)に命ます。蔵人は忍んで近寄るが、鷺は飛びあがって逃げようとします。そこで、蔵人が「勅錠(帝の命令)だ」と呼びかけたところ、鷺はおとなしくなり蔵人に捕らわれたので、それを見ていた帝が、蔵人と鷺を五位に叙し、鷺は感謝の舞を舞い、その後放たれて、どこへともなく飛び去っていくのでした。 この「鷺」は、直面(ひためん・面をつけない)で、少年か還暦を過ぎた演者が演じる決まりがあるそうで、このシテをなさった女性は、米寿のお祝いに舞われたそうです。 萬斎さんは、いきなり、最初に出てこられ、アイをつとめられるとあっというまに引っ込んでしまった。多分半能で後半部の上演だったからでしょうか。でも、私のまん前~でしたから。 そして、次は、素謡「道成寺」。素謡は何度か拝見したことはあるのですが、シテ、ワキ、アイも出る素謡は初めて。どのような形式でやるのかと思っておりました と、萬斎さんを先頭に4人が舞台に。斜めに横一列に並び、謡いを中心に、「道成寺」のダイジェスト版のような内容でした。 シテの女性を囲み、ワキとワキツレを津田和忠さんと、津田和岳さん、アイを萬斎さん、そして地謡にも観世清和さんや、関根祥人さんが加わっておいででいた。シテの女性がお素人さんなのでしょうが、とてもお上手で謡いだけでも、迫真の演技で、十分に「道成寺」の場面が伝わってまいりました。 先頭で出てらした、萬斎さんは、私のまん前に横向きにお座りになりました。「道成寺」のダイジェストといっても、30分近くはかかるから、 ~わ~~い、30分、横顔見放題だ~ラッキー 久しぶりに見る裃姿。そして、なぜか、セットでもされたように前髪がリーゼント風に立っている、なぜ? お髭は、剃られたばかりのよう。 そして、あらためて、 ~萬斎さんの横顔って、こんなに綺麗だった?~しばらく、しわしわの実盛メイクばかりを見ていましたので、久しぶりの素顔に思わず、見惚れ…。アイ狂言のお声も、やはり、ハリがあって美しい。 と、大満足の会でした。 お土産まで、いただいてしまいました。