日ノ本一の狡くて恐ろしい男、その名は曽我泰久、ヤッチン。
まずはじめにヤッチン、54歳のお誕生日おめでとう。そして曾我 泰久Birthday LIVE ! LIVE ! LIVE ! 「ROCK 54」見せてくれてありがとう。お祝いと感謝の気持ちを伝えます。そして、本題。曽我泰久は狡い男である。素晴らしいライブパフォーマンスを持っている。何百人ものファンを唄わせ、踊らせ、タオルを投げさせ、熱狂させる。ライブの勝利者、征服者、支配者である。にもかかわらずだ。たかだか50人しか入らない小劇場にまで手を伸ばしてくるのである。こんなの征服されてしまうに決まっている。この国は支配したから隣の国へ侵略してくる戦国武将のようだ。ここは取ったから、隣、そのまた隣、そのまた隣。結構たまってきたからいっそのこと全国統一へ、そう信長だ。だが泰久は信長よりも恐ろしい男だ。まずい、楽しすぎるライブで興奮しすぎだ。落ち着け、俺。そもそも、ヤッチンと初めて仕事をしたのは20年も前の楽園伝説という、西田ひかるが主役のミュージカル。そうだ、その時からヤッチンは歌って、芝居もしてたのだ。しかも、ジャニーズという、すでに大大名だったのだ。あの時からすでに、日本エンターテイメントの天下統一という野望は始まっていたのだ。そして、この男の最も狡くて恐ろしいところは優しい笑顔と人当たりの良さと物腰の柔らかさだ。今日も楽屋に行った時だ。ものすごい笑顔でヤ「どうでした?」っていうから俺「すごい楽しかった。ノリノリだった」からの、笑顔の握手。完敗だ。この男には敵わない。帰りに、パンニャでチキンと羊のキーマのハーフアンドハーフを、食いながら思い知った。俺はとっくのとうにこの男に負けていたのだ。とっくの昔から家来(ファン)だったのだと。この男は信長よりも恐ろしい。なぜならもう54歳なのだ。人生50年、夢、幻のごとくなりを、とっくに超えているのだ。そして、この男は60でも70でも生きている限りライブを続けるだろう。自分の野望を叶えるために、家来(ファン)を増やし続けるだろう。立てなくなったら車椅子で、余命を告げらたらホスピスのベッドから酸素チューブを付けてでも自分の領土を広げ続けるだろう。だったらこの男の生き様、死に様を最後まで見届けてやろう。これほど恐ろしい男が21世紀の今日他にいるだろうか。ちっちゃい俺の野望なんて、明日からの稽古でセリフがいっぱいすぎて苦労すればいいのに。それくらいなもんだ。曽我泰久、この男の名を人は忘れないだろう。(PS)器の大きな俺はそんな泰久のために稽古場へ行ってアドバイスしたり、大道具運んだり、たて込んだりしてあげるのだ。チッチェ〜俺!