散髪屋さんも成長する
タイトル、『売り上げをぐんぐんのばす散髪屋さんの話』ではありません。3年生自閉くんがお世話になっている散髪屋さんの話です。日記にも何度か書いている散髪屋さんネタですが、今回は自閉くん立場ではなく、変化していった散髪屋さんのオヤジさん(店主さん、ですね)の話です。車で10分程の場所にある散髪屋さんです。ダンナも小学生時代からお世話になっている散髪屋さんです。だからオヤジさんと親しいかというと全くそんなことはなく、じゃあ腕がいいかというとそんなこともなく、、な感じがして、(…なんでダンナはこんな店にこだわるんだろう)なんて思っていました。夫婦と30代後半の娘さんの3人でやっています。数年前に娘さんが介護関係の資格を取得されたとかで、どんな方でも気楽にどうぞ、な雰囲気な店になりました。でもだからといって何が変わったわけでもなく口数少なく黙々と散髪をするオヤジさんの姿に変わりはありませんでした。…自閉くんが超多動で家での散髪が危なくなり、3歳頃その散髪屋さんに連れていくことにしました。散髪屋さんとは何だかわからない、場所見知りの息子、おそらく自閉症なんて知らなかったオヤジさん、の出会いでした。…連れていったダンナからSOSの電話です。何度も店を飛び出し散髪どころではない、オヤジさんもお手上げだから途中で中止にした。暴れてるから来て。みたいな電話でした。びっくりして行ってみると明らかに被害者めいたオヤジさんの口調です。まるで「こんな子を散髪なんてできるか。危なっかしい」と言わんばかり。そのままじゃカッコ悪くて出歩けないような状態で中途半端なまんま中止…、プロなら少しは悔しくないのだろうか。。…なんて思いながら頭を下げてお金を払ったのを思い出します。それから数年、さすがに散髪屋さんチャレンジはできませんでした。そして『超』多動が、ただの『多動』ぐらいにおさまってきた頃再び散髪屋さんチャレンジの開始をしました。どうせなら迷惑ついでにオヤジさんに切ってもらおう、と、同じ店に連れていきました。…そして今日まで、ずっとその店でオヤジさんにお世話になってきました。…もちろん自閉くんは毎回いろいろやらかしました。でもそうすることで、店側に、これはよくない(店側としてもやりにくいな)とかこうしよう(こうするとウケがいい)と気付くキッカケになり、毎回、工夫が見える変化がある、と、連れて行き役のダンナが言います。私が連れて行くのは年に1回程度ですが、あんなに陰気で口数少なかったオヤジさんが今は私にしゃべりかけてきます。こうしたらうまくいってます、とか、成功例を教えてくれるんです。自閉くんをうまく散髪できる、機嫌よくしてくれてる、のが、たまらなくうれしいみたいです(*^^*)そして今では襟足を剃るのに、泡をつけてカミソリを使ってます。ヒエ~!びっくりです。感覚過敏の自閉くんに泡とカミソリなんて私でもできない…(^^;)でも電気シェーバー嫌いのオヤジさん、プロの意地を発揮して頑張ったんだろうなあ。…なんだか、自閉くんの椅子の周りに3人が機嫌をとりながら散髪をすすめていく姿を後ろから見ていると『大会社の社長相手』みたいでかなり笑えるのですが(笑)ああ、ありがたい、といつも思います。オヤジさんはプロでした。画像は…自閉くんが大好きなサイトです。0歳から現在に至るまで、ディズニー作品に沢山出会ってきた自閉くんですが、先日、25周年記念DVD『メモリーズオブ東京ディズニーリゾート』を見てから突然、ミッキー大好き!!!!!!になってしまい、今はこのサイトばっかりのぞいています。(文字はあんまり読まないので動画目的です(^^;))で、昨夜片付ける時間になり、立ち上がったら長いことこれを見ていたので足が痺れていたみたい…。しばらく笑いながら片付けをしていた自閉くん、私と目が合い、『足が痺れたのがだんだん治ってきた!』…ハッとしました。口を開けば何かのストーリーのセリフだったり、自分の世界でひとりしゃべりをしていることがほとんどで、しゃべることができるんなら、と思って会話を試みるとトンチンカン…そんな自閉くんなので、こんなに長いオリジナル文を言えるようになっていたとはびっくりでした。で、感動する私の気持ちをよそに、次の瞬間にはまたトンチンカンモードに戻っていた自閉くんでした(笑)こうしてゆっくりゆっくり成長するんだねえ。