沖縄
小林よしのり「沖縄論」を読み耽る。別に右でも左でもないし、よしりんの言う事が全てだとも思わないけど、何となく近い感覚で読めるという事は、私も左寄りではないらしい。毎回、よしりんの作品には考えさせられる。だけど鵜呑みにはしない。自分で考えて選ぶよう心掛けている。沖縄は、学生の頃にサークルの夏旅行で一度だけ行った事がある。レンタカーに分乗して各地を巡り、3日間滅茶苦茶遊んで飲んだ。初めて経験したカラッと暑い熱い夏。万座毛は神秘。「ハブ対マングース」ではハブが勝ってしまうというマングースの体たらく。たまたま入ったお店が、実はガイド本に載っている有名な料理店だという奇跡に泡盛も進む。学生時代の楽しかった思い出の一つ。中でも一番記憶に残っているのが、ひめゆりの塔。沖縄に行ったら、絶対にひめゆり平和祈念資料館を訪れたいと思っていた。ああいう場所はみんなで見て回るもんじゃないというのが持論。自分のペースで考えながら、感じながら、時に絶望に陥りながら見るもんだ。出口で見た、真っ青な空と真っ赤なハイビスカスのコントラストがあまりに綺麗で、それが鮮やかであればあるほど余計に痛かったのを覚えている。感想カードなるものがあったけれど、私には書くことができなかった。何を書けば、その時感じた痛みや怒りや悲しみや空虚感から解放されるのか、どうすればこの絶望が消えるのか、全く分からなかったんだなぁ。あの時は、場の空気も読めず笑っているサークル員が本当に忌々しかった。戦争という大きな括りならば、私も正直まったく実感がないけれど、一人の人間の行動だと思って一つずつを捉えていけば、笑っていられるはずもないのに。ハイビスカスを見ると、なんだか無性に悲しい花に思えて仕方ない。