非常
昨夜のライブの興奮が冷めず。まだ手にしていないCDを買いに出掛けようか。市内のタワーに車を走らせるか、はたまた、いっそ電車で天神のタワーまで行ってみようか。ジャージからジーンズに着替えようとした矢先の非常事態。10時53分。いや、参った、シャレにならん。最初は「ゴーゴーうっせぇな、風か?トラックか?」と思うに過ぎなかったけど、次の瞬間ワッサー揺れ出して、いやもうとんでもない横揺れで、「ていうかこれ地震?いやいや、ハンパないから、死ぬから」と、妙に冷静に独りごちてみたり。人間、パニクった時はおかしな行動を取るもんだ。履きかけたジーンズを脱ぎ、またジャージを履く始末。そのままジーンズ上げろよってな話。なんで履き替えたんだろう?説明不可。ただ「こんな姿で遺体で発見だけはイヤ!!!」と切に思った。乙女心。物は落ちてくるし足元はおぼつかないし、しゃがんで物に掴まるという選択肢がなかった時点で異常。非常。直ちに外に出るべきか、揺れが収まるまで待つべきか、ひどく迷う。とりあえず通帳と印鑑をバッグに入れて、ガス栓を確認して、家中を点検して回ったけど、まったく被害なし。あたしの部屋だけ物が散乱してやがる。物が溢れて汚いからか?その瞬間、何かが頭上に落下。「死んだ!!」と思ったらハンガーだった。「バカにしやがって!!」と己の気の小ささに憤る。いやでも、そんなもんよ、非常なんだから。揺れが収まって外に出てみたら、近所の人たちも出てきていた。正直、「こんな人たちが住んでたのか」と初めて知る程度の付き合いだが、声を掛け合ってみんな被害が無い事を確認。こういう時、ご近所って大事ね。家に戻ってテレビを付けたら早速ニュース速報。やるな、N○K。ウチの地域は震度5強だったらしい。あの揺れで5強とはね、過去の震度7とかどれだけ揺れたんだ。あり得ん。福岡市内は6弱だという。こっちで地震なんて本当に皆無だから、油断していた。まさか九州北部でこんな地震が起きるとは。固定も携帯も電話がまったく繋がらなくて家族にも連絡が取れず、メールは使えたからシャンシャン送ってみる。外出していた両親は無事だったが、市内に嫁いだ姉は自宅も携帯も出ないしメールも返事が来ない。どうなってんだ、姉!!!程なくイナトモより「大丈夫!?」メール。サンクス!!(吉川風)トレーナーにパンツ一丁で怖かった事を必死に訴える。それから、近くのパート先の母を迎えに急ぐ。余震の恐れがあるのに車はないだろと思いつつも、旧型マーチ出動。競輪場で地震に遭った父は、ごく稀にみる一家の主意識を発揮し家族の安全を確認。姉からは連絡来ず。時間が経つにつれて、被害状況が明らかに。どうした天神!?休日は、例外なく鬼のような渋滞に陥る魔の渡辺通りがガッラガラ。福ビルのガラスがアホのように割れて地上に散乱。あの~昨日、その辺に居たんですけど。ていうか、むしろ今から天神に行こうと思ってたんですけど。電車も完全ストップ。行けば帰って来れないところだった。鳥肌。競輪大好き父、帰宅。「いや~凄かったねぇ!!!」軽く楽しそうなアホ親父。その後もたびたび余震が続く。怖ぇ~!!地震怖ぇ!!!夕方になって、姉からメール。「携帯を家に忘れて海の中道に行ってた~!!!」父親譲り。あの~海中は危険も危険、ストライクだと思うんですけど。姪が無事で安堵。県内の親類みんな無事。これでとりあえず、我が家の地震騒動は収まった。ネットにて、仲間たちに状況説明。生きてます。そうそう、何度かメールをくれたという管理人さん。返事がなかったと言うが、そもそもメール来てねぇぞ!!(爆)余談だが、パンツ一丁で地震に遭うほど恥ずかしい事はないと思っていたが、まだ福岡に居たというテナーのDr.シンペイちゃんは、ウォシュレットの最中だったそうな。負けた、それには負けた。それはヒドイと思う。ってこんなふざけた事が書けるのも、大した被害がなかったおかげだが、笑い事ではないことは重々分かっている。とんでもない事になった。ずっと福岡に住んでいるのに玄海島の存在を初めて知ったが、家屋の損壊を目の当たりにして本気で衝撃を受けた。私の大学4年間の思い出が詰まった百道も、埋め立て地であるがゆえ、ぐちゃぐちゃになっている。参った。本当に参った。気を付けようにも、気を付ける術がない。自然は大きく優しいだけではない。怖さを知った。人生初、自分の力ではどうしようもない、どうすることもできない先行き不透明さ、身の危険を回避できる保障のない不安に苛まれた日。