フライトナイト2 バンパイアの逆襲
昨日の「フライトナイト」には続編がある。多くの続編は1作目に及ばないと言われる中、1作目と同等かそれ以上によくできた続編がこの「フライトナイト2 バンパイアの逆襲」だ。物語は、1作目のダイジェストから始まる。そのダイジェストは、主人公チャーリーの回想だ。彼は、精神科医の治療を受けていたのだ。その精神科医の問いかけに次のように答えるチャーリー。「ダンドリッジは、偽祈祷師で殺人鬼だ。エイミーとエドが誘拐されて、防衛本能が彼を吸血鬼だと思わせたのだ」と。精神科医は、よく3年に及ぶ治療に耐えたとチャーリーを誉める。どうやら事件から3年が経過しているようだ(と、映画を観る者はここで知る)精神科医はピーター・ヴィンセントに会いに行くように促す。かつてのチャーリーと同じようにダンドリッジが吸血鬼であると頑なに信じていることや(正当防衛とはいえ)チャーリーの友達エドを倒したことが、チャーリーの心理面に影響していると精神科医は考えていたのだ。彼は、今のチャーリーがピーターに会っても、もう考えは揺るがないであろうと判断したのだった。チャーリーは大学へ進学し、そのキャンバスで出会ったアレックスと今は付き合っていた。そのアレックスを伴って、ピーターの番組収録が行なわれているスタジオを訪ねる。ピーターはというと相変わらずだった。いや、むしろ例の事件を経験したことで、超自然現象が絵空事ではなく実在するのだということを信じた分、熱の入った語りをしていた。収録が終了すると、チャーリーとアレックスはピーターのアパートへ。そこでは、ピーターの昔話を楽しんだ。ふと窓の外に目をやるチャーリー。そこには、柩のような長方形の箱が3つ運ばれる様子が…あたかも3年前のあの事件の時のように。慌てて、その思いを振り払うチャーリー。ピーターの部屋を後にして、エレベーターホールでアレックスを待つ間、3人の従者を連れたエキゾチックな美女とすれ違う。彼女の美しさは妖艶という形容が相応しいものだった。その夜、チャーリーのアパートに彼女が現われる。偶然にしては出来過ぎだったが、彼女に魅了されているチャーリーは不自然さを感じることもなかった。「火を貸して欲しい」という彼女を何の疑問もなく部屋へ招き入れるチャーリー。勢い怪しい雰囲気になってしまい、彼女と唇を重ねるチャーリーだったが、刹那彼女は吸血鬼になって…チャーリーは、悲鳴をあげながら飛び起きた。吸血鬼の夢を見たことで不安になったチャーリーは再び精神科医のもとを訪ねるが、それは正常な証しだと言われる。精神科医は「気分転換にボウリングでもするように」と勧めた。言われるままにテンションも高くボウリングに勤しむチャーリーを、アレックスはクラシックのコンサートへと誘った。チャーリーがアパートへ戻ると、友人のリッチーがネクタイを借りに来る。アレックスとの待ち合わせ場所へ向かうチャーリーは、途中でリッチーを見かける。彼は、あの美女と一緒にいた。妙に気になったチャーリーは後を追ってしまうのだが…簡単に言えば、1作目の吸血鬼ジェリー・ダンドリッジの妹レジーン・ダンドリッジが兄の復讐を試みるも返り討ちに遭う話だ。だが、もちろん物語がそう単純であるはずもなく、観る者をワクワクさせる要素がいろいろと詰め込まれている。とりわけレジーンの連れている3人の従者がなかなか個性的で面白い。加えてチャーリーが物語の前半にレジーンに血を吸われてハーフヴァンパイア化してしまうのだ。この部分が後半の展開への伏線となっていて…そして何よりロディ・マクドウォール演じるピーター・ヴィンセントがいい味を出しており、作品全体を引き締めている。残念ながら現在DVDは入手不可なので、レンタルビデオ店を利用するか、放映された時にチェックして欲しい。