UMA レイク・プラシッド
メイン州のブラック湖で、ビーバーの生態調査をしていたダイバーが、下半身を喰いちぎられて死亡する事件が発生した。その場に居合わせた地元保安官のハンクは、駈けつけた狩猟監視員のジャックと共に調査に当たる。そのダイバーの死体の傷口からは、巨大な歯の欠片が発見された。知らせを受けたニューヨークの自然史博物館は、研究員のひとりで古生物学者のケリーを派遣する。彼らが衝突しながらも調査の準備をしていると、1機のヘリコプターが飛来した。大富豪の神話学者でワニの専門家でもある、へクターだ。彼は、この事件の犯人がワニだと睨んだのだ。しかし、メイン州には野生のワニはいないはずだった。はたして、ダイバーを襲ったのは何物の仕業なのか!?原題は「LAKE PLACID」静かな湖という意味だ。劇中で地元保安官のハンクが愚痴るのだが、文字通り静かな湖なのでプラシッド湖と名付けたかったらしい。ちなみにプラシッド湖という湖は、ニューヨーク州北東部に実在する湖の名称だ。閑話休題。都会っ子の主人公が大自然の中で四苦八苦する姿を面白おかしく見せながら、そこへ上手にUMAを絡めてハラハラさせる…その辺のバランスもなかなかのものだ。それに加えて、オリバー・プラット演じる富豪のへクターがいい味を出している。そう、地元保安官ハンクとの丁丁発止のやり取りは、かつてのジョン・ベルーシを彷彿とさせるのだ。この部分だけでも十二分に元は取れる作品だ。今更言うまでもなく、この作品はコメディである。小難しいことは考えずに思いっきり腹を抱えて笑おう。モンスター・ムービーということで敬遠せずに、ぜひ一度観ていただきたい逸品だ。