ドラゴンファイター 炎獣降臨
復活っ!…ということで復活繋がりの「ドラゴンファイター 炎獣降臨」を紹介しよう。物語は現代に蘇ったドラゴンとの息詰まる死闘…のはずだが、いきなり中世(と思しき時代)から始まるので一瞬焦る。中世の騎士(らしき格好)の一団が洞窟へドラゴンを追い詰め、多数の犠牲を出しながら退治する様が描かれる。物語はいきなり現代へと移り、VIP(らしき博士)を空輸する軍用ヘリコプター。どうやらこのヘリコプターを操縦している男が主人公らしい。主人公は軍の秘密研究所の保安主任として配属され、前述の博士を運んでいたのだ。到着早々、その基地の研究者たちを紹介&業務の引継ぎと忙しく展開し、休む間もない。次々に紹介される基地の人間たちに、一瞬「覚えきれん」と思ったが、その心配は無用だった。予想以上に少人数の施設なのだ。機密保持のためだろうが、ちょっと少なすぎはしないか?それ以前に保安主任の下に部下となる保安要員がいない。しかも保安主任に研究内容が詳しく知らされない。いくら機密保持を要する研究であっても、少し無茶ではないか?…などとツッコミどころ満載のまま、実験が開始される。実験は成功し、経過を様子見るということになる。すると案の定トラブル発生。実験で産み出された生物が急速成長して逃げ出したのだ。これが実は化石のDNA情報を移植して作られたドラゴンのクローンであった。基地内にドラゴンの餌となるのは人間しかおらず、必然的にドラゴンによる人間狩りが起こる。等身大のドラゴンと言うのもなかなか怖いモノで、回廊状の基地内をエイリアンよろしく攻防戦が繰り広げられる。それだけでも大変なのに、原子炉暴走の危機や脱出路の確保などといった様々なトラブルが追い討ちをかける。かろうじて脱出するもドラゴンも解き放ってしまう。主人公は最寄りの空軍基地に応援を要請すると共に、ヘリコプターでドラゴンの追跡を開始する。ここでおもしろいのは、応援にきた空軍の戦闘機がドラゴンにミサイルをロックオンできないことだ。言うまでもないが、ドラゴンの動きが特に速いとかいうことではない。生物の体温は、ミサイルのロックオンするように設定されている温度より遥かに低いためである。この点はよく考えたと思う。というか、生物に通常のミサイルをロックオンして撃ち込めること自体が大嘘なのであって、本来はこの映画のようにロックオンできないのが正解。結局どんな風にして退治するのかは、ご自身の目で確認していただきたい。低予算のB級映画ながら、思いのほか見所の多い作品である。ツッコミどころも多いのは、B級映画ならではの御愛嬌。