Kの日々 大沢在昌
元警官の裏探偵稼業の木(もく)が、主人公になるミステリー。このキャラクターは、大沢作品でははじめて登場。一応、分けありの過去を背負っている設定だが、さほど重くも軽くもなく、普通の人格という感じで、大沢作品のキャラクターの中では、さほど強烈な感じではない。元やくざの依頼を受け、親分誘拐事件で行方不明になった身代金8,000万円を探す主人公。8,000万円を隠し持っている疑いのあるK(けい)に惚れてしまい、Kとともに、ヤクザ、中国マフィア、死体処理業者、悪徳警官が入り混じって、虚虚実実の駆け引きをしながら、深層に近づいていくというストーリー。一応、話が二転三転としていくが、まぁそんなところだろうと誰でもが思うような結末。帯に書いてある「驚愕の結末」という文字が、軽く感じてならない。ヒロインがラストまで純粋で美しい点と、それなりにハラハラしながら、読むことは出来たので、まぁ良しとするか。