国宝十一面観音 六波羅蜜寺
西国三十三所結縁総御開帳の一環として、11月30日まで開帳されていた、六波羅蜜寺の本尊、十一面観音像を見仏してきた。本来は、12年に1度、辰年にご開帳されるもので、次回は5年後の予定であったのだが、今回はこのイベントで、特別にご開帳されている。夏に東博の特集陳列「六波羅蜜寺の仏像」展で、この十一面観音がご開帳されることを知り、楽しみにしていたのだ。駅名が変った京阪の清水五条駅から清水寺へ向かう大通りの人の流れを避け、裏道をゆったりと歩く。小学校横の路地を曲がると、極彩色の六波羅蜜寺が見えてくる。さっそく本堂に上がり、国宝十一面観音を拝む。5、6メートル先の厨子の扉が放たれていて、そのお姿が見える。身体や顔の金箔はかなり残っている。ふっくらと膨らんだお腹が優美にくねる。下ろした右手は膝下まで届く長さ。お顔は聖林寺の十一面観音に似ているような気もする。額の白ごうが、光を反射して、ルビーのように赤く輝いていたのが印象的であった。ところが、肝心の頭上面は、厨子の影になっていて観ることができないのが残念であった。右手からは、カラフルな色取りのヒモが延びていて、礼拝所まで伸びている。このヒモを触って拝み、観音様と縁を結ぶという趣向。六波羅蜜寺の十一面観音は、1,999年に国宝指定となった。これで、日本の国宝の十一面観音像をすべて拝観することが出来た。ちなみに、国宝の十一面観音とは、奈良・聖林寺、奈良・室生寺、奈良・法華寺、滋賀・向源寺、京都・観音寺 、大阪・道明寺、そして、六波羅蜜寺の7体である。次回のご開帳は、来年のゴールデンウィーク(4/26~5/6)に特別拝観。そのあとは2,012年。今回、双眼鏡を持っていくのをすっかり忘れてしまった。厨子とかなり距離があるので、双眼鏡が必要だった。まぁ、今回は国宝十一面観音像、完全制覇と観音様と結縁を結べたことで満足。この写真は、本尊ではありません。本尊ともかなり異なっています。↓(11/30)