モネ 連作の情景 上野の森美術館
はじめは、またおなじみのモネの絵の展覧会か~と思ったのと土日の入館料3,000円と高額なので及び腰だったのですが、思い切って出かけてよかった展覧会でした。サロンに出店していたころの初期のモネ。「昼食」に見られるようなきっちりとした室内画も描いていたという発見もあり、初期の風景画の明るい色彩はやはりモネだなぁと実感しました。印象派の時代の作品。モネもドービニーに倣ってセーヌ川を廻るアトリエ舟を利用していて風景画を描いていたことを知ったのも発見でした。2階に移ってからのエトルタを描いた作品もステキでした。マンヌポルト=大きな門の光景も日によって、時間によって、天気や季節によってまったく趣が変わった絵になっており興味深く眺めることができました。エトルタの光景だけでひとつの展覧会を開いても面白いかもしれませんが、これは贅沢というものでしょうね。いよいよ積みわら、ウォータールー橋の連作のコーナーです。特にロンドンのウォータールー橋のような固定の建造物が様々にその表情を変えます。まさに「印象派」の面目躍如の作品です。最後の「睡蓮」とジヴェルニーの庭のコーナーになると、人があふれて、ひとつの絵の前で何回も前後に移動して見ることは困難になりました。後ろに移動するともう前の人で絵が見えません。モネがはじめて描いた睡蓮の絵。その凛とした花のたたずまいに心惹かれました。 (12/23)