お父さんから子供たちへ

[エッセイ] カテゴリの記事

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• 言語化

  　言語化というのは人間の持つ能力の一つである。言語化が得意な人は、自分の気持ちや考えをきちんと伝えることができる。逆に不得意な人は、気持ちや考えをうまく伝えられない。お父さんは、言語化能力は鍛えることで上昇させることはできるが、身体的能力同様にある程度は持って生まれたものかもしれないと思っている。 　お父さんも言語化は得意な方ではない。じっくりと考えて原稿を書き、それを遂行して覚えればそれなりの話はできる。だがミーティングなどで臨機応変に自分の考えを明瞭簡潔に述べるのは、自分では苦手だと思っている。　イメージしやすいだろうとたとえなども使うことがあるが、これがまた余計相手を混乱させることがあるようだ。 　最近お父さんが受けている研修の講師は、この能力を努力というか訓練によって高めた人である。どんな話や質問が出ても、臨機応変に答えが返ってくる。問いかけに対してドンピシャな回答でないこともあるが、話題をそらしたなと感じるところまで外れてはいない。ボヤっとした内容の話でも、何となく説得力を感じてしまうので、かなり苦労して訓練をしてきたのだと思う。 　お父さんは訓練を意識してやってはいないが、社員を集めて話をすることが多くなってからは、聞いている人の反応をみて話の内容や、話し方を変えている。またベトナムで通訳が理解できないと、通訳に伝わるように言葉を変えることを日常的にやっているので、若い頃に比べれば言語を操ることができるようにはなったと思う。 　小説家やお笑い芸人などは、この言語化技術が高い人達だと思う。お父さんがあこがれても、そう簡単になれるものではないだろう。　お父さんの場合、多くの社員の前で少し長めの話をすると、居眠りをする人がいるのでそれほどわかりやすく楽しい話ができているわけでは無いと思っている。 　ちなみに言語化が上手くできていないことを認識できていない人は世の中に多い。お父さんの上司も、何を言っているのかわからない人がいるし、同僚にも「もう少し上手に話せないものか」とおもってしまうほど下手くそな人がいる。　言っていることは正しいのだが、言語化がうまくいかず相手に真意が伝わらなくて、悩むというより怒る人が多いのもお父さんの会社の特徴である。 　言語化云々の前に、聞き取るとか理解する能力の問題もないとは言えないが、わかりやすく相手に自分の意志を伝えるには、言語化能力は必須の能力だと思う。　子供達の中で、会話が上手なのは次女であるが、彼女は文書化ができない。上の二人は文書化はできるが会話が下手くそだとお父さんは思っている。社会に出る前にもう少し能力を高めてくれればと思うが、訓練が必要だと自分で認識しないと言語化能力は上昇しない。

  2024.09.14

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• 相手の立場で考える

  　相手の立場で考える。相手の視点に立って物事を見る。人の気持ちを察する。これは人間関係を潤滑に運営するうえで必須の能力と言える。あらゆる書籍や研修などで当たり前に出てくる概念である。　お父さんも子供や部下に、「相手の事を考えて行動しろ」と言ったことはいくらでもある。 　先日研修で同じように、相手の視点で考えましょうとか、相手の立場や考えを理解することから円滑な人間関係が始まるというような言葉が出てきた。さらに、相手を知るために相手にいっぱい質問をして、相手の潜在意識を理解することができれば、なお素晴らしいという話だった。 　言っている意味はよくわかる。だが究極的に言えば、相手の心を知りなさいと言うことで、マンガや小説には相手の心が読める人が出てくるが、実際は不可能である。相手の心を知ろうと頑張っても、どうしてもそこには自分自身の価値観や経験のバイアスがかかってしまう。だからお父さんも相手を思ってした言動で相手を怒らせたり悲しませたりした経験が多々ある。　　仕事で部下を励ますつもりで言っているのに、全く部下に響いていないと感じることなど日常茶飯事である。　結局今のお父さんの結論は、相手の事を思って行動するが間違えた時はあきらめるというものである。まあ失敗を恐れて行動しないよりは、失敗したら反省して次に生かそうということだ。だって相手の本当の心の中など絶対に分かりはしないのだから。さらに言うと、自分の本心や潜在意識だって自分ではわからないとお父さんは思っている。

  2024.09.12

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• ちくわの可能性

  　ちくわという食べ物がある。料理の主役になることはあまりないが、結構いろいろな料理に使われている。おでんにちくわが入っていないと寂しいし、お母さんの料理には結構ちくわが使われている。 　ちくわはかまぼこと同様に魚のすり身からできている。魚のすり身を棒に巻きつけて火であぶると完成する。ちくわの穴は巻き付けた棒の跡であるので、穴をあけようとしてできたものではない。しかしながら、穴の開いていないちくわは通常ちくわとは言わないので、ドーナツと同様に穴はちくわのアイデンティティでもある。 　ちくわはすり身を焼いてあるので、売っている時点ですでにそのまま食べることができる食材である。しかしながら、一人暮らしの若者がちまちまかじるのならともかく、皿の上にちくわを乗せてそれだけでテーブルに出されることはめったにないだろう。実に不思議な食材と言えなくもない。 　ちなみにお母さんはひじきの煮つけや炒め物などのよくちくわを使っている。5本で100円強とスーパーで売っているちくわはコストパフォーマンスが良いので、お母さんも使い勝手がよいのではないかと思う。 　ちなみにお父さんは最低でも週1回はちくわを食べている。お弁当に入ることが多いからだ。基本はちくわ単体ではなく、穴にキュウリやチーズが詰めてある。メインのおかずではないが、十分にお弁当のおかずとしてそれなりの存在感はもっている。 　不思議なことにちくわは穴に何かを入れることで、食材からそれなりの料理になる。ちくわにキュウリやチーズをつめてあれば、お弁当に入っていても「手抜き」とは言われないし、食べるときもちくわともう1品の味を楽しむことができるので、お父さんも結構好きなおかずである。　そう考えるとちくわはかなりの可能性を持った食材だと言えるのではないだろうか。穴につめる食材を変えることで、異なった味や食感の料理に返信するのだから。 　我が家ではキュウリが定番でその次にチーズである。それ以外をお母さんがつめたことはない。だがよく考えてみると、まだまだ詰められるものはありそうだ。そう思ってネットで検索をしてみたら、紀文のWEBページに「おくら、にんじん、ぱぷりか、ツナマヨ、タクアン、サラミ」などが紹介されていた。 　野菜でも肉でも相性はよさそうである。海苔巻きの様にマグロ、干瓢、納豆、梅シソなども美味しいかもしれない。肉でいくならそぼろ、コンビーフ、ハム、ベーコン、サラダチキンなども美味しいような気がする。野菜ならば生で食べられるものなら大体行けそうである。セロリ、レタス、トマト、ピーマン、玉ねぎもいけるか。タクアンがOKなら紅ショウガやキムチも美味しいかもしれない。 　書いているだけでおなかがすいてきた。この辺でやめようと思うが、ちくわの可能性は実に多岐にわたると思う。ただどれもメインのおかずになりそうにないのがちくわの限界だろうか。

  2024.09.05

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• デブの特権と悩み

  　お父さんは20代の頃からデブと呼ばれ始めて、50歳を越えてもまだデブから卒業できていない。30年間デブとして世の中を生きている。お酒は飲めないのだが食べることが大好きで、20代も30代もたくさん食べてきた。食事を制限するようになってきたのは40代になってからだが、それも自分で節制しようとしたわけでは無く、血糖値が上がってしまい医者から体重を減らすように指示を受けたからだ。　今は人生の最高体重からは10キロほど少ない状態だが、まだＢＭＩなどの数値では標準まで戻ってはいない。 　さて、デブとして生きることはデブでない人にはあまり想像できないいろいろなことがある。まず第一に、風邪をひいてもねんざなどで病院に行っても、原因が「太っているから」と言われることがある。すべての原因を「肥満」とされてしまうのだ。確かに間接的な原因にはなるのかもしれないが、風邪を引いただけで「デブだから」と言われても困ってしまう。風邪を治すために減量をしなさいと言うことなのだろうか。デブにしかわからない悩みである。 　ちなみに一般の人のデブのイメージは「なんでもよく食べる」とか「食べる量が多い」というものだと思う。実際にそのイメージは基本的に間違ってはいない。デブになるにはデブになるだけのカロリーを摂取し続けているという事実があるからだ。　しかしながら、デブから言わせると24時間いつでも大量に食べることができるわけでは無い。デブにも限界はあるし、体調が悪くあまり食欲がない時もあれば、それほどお腹が減っていない時もある。 　それなのに、飲み会とかで残った料理はデブに食べさせれば大丈夫ということになるときが多い。すでにたっぷりと食べてお腹がいっぱいの状態なのに、「食べられるでしょう」と残り物をかき集めて目の前に並べられるのはかなり厳しいものがある。　食べられないと断ればいいのだが、デブにはデブとしてのプライドもある。そこまで言うなら食べてやるとか、皆の期待を裏切ってはいけないと思って頑張って食べてしまうのだ。 　お父さんも飲み会で散々食べた後に、有名な大盛のラーメン屋に連れていかれて「おごるから特大のラーメンを食べろ」と言われて死にそうになったことがある。今でもその時のラーメンは写真に残っている。夏場だったので、大量の汗をかきながら食べたことになっているが、実際には食べきれなかったらどうしようという冷や汗と、お腹いっぱいで入らない状態で無理やり飲み込んでいたことに寄る嫌な汗だった。 　最近はデブから老化したおっさんに脱皮をするようにイメージ変更をされるように努力している。全盛期より痩せてきたし、周囲に新しい若いデブも育ってきた。デブの代表はそろそろ引退の時期だと自分でも思っている。　ただデブがデブのイメージで頑張りすぎるのは良くないと実体験から知っているので、新たなデブの人達には健康に気を付けてデブを演じてほしいと願っている。

  2024.08.31

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• 速度から燃費へ

  　お父さんが若い頃、自動車というのは男の夢であった。速くてかっこいい車をブイブイいわせて乗り回したいというのが、ほとんどの男性のあこがれだったと思う。速さを追求する人、デザインを追求する人、パワーを追及する人、エンジンの排気量を重視する人など、今はほとんど車のウリにならなくなってしまったものにあこがれた。 　若者は安い中でもデザインやイメージの良い車を中古で購入し、タイヤを太くしたり、シフトレバーを交換したり、ステアリング（ハンドル）を交換したりと個性を追求していた。お金のある中年以降は新車で高級車（クラウンやセドリック）を購入していたと思う。　だれがどんな車に乗っているか、誰の家にどんな車があるかというのは、その人や家のステイタスとして、よく話題に上がっていた。 　当時も燃費という概念はあったのだが、ハイパワーで燃費が悪い車は一種のステイタスでもあった。今の世の中に生まれた人には想像ができないだろうが、排気音をわざとうるさくしたり、サスペンションを硬くしてさらに車高を下げて、実に乗り心地の悪くうるさい車を「かっこいい」と思っていた時代であった。 　お父さんが大学生の頃、車を速く走らせることがかっこよかった。暴走族ではなく、走りやというのがもてはやされていた。週末に峠道を猛スピードで走行する「走り屋」は男性たちの中ではあこがれの存在であったと思う。 　ところがお父さんが30歳ぐらいになった頃から、燃費とか環境という言葉が自動車の新たな価値として市民権を得るようになった。世の中の流れだとは思うが、大きなきっかけはトヨタのプリウスの発売だとお父さんは思っている。ハイブリットという新しいシステムで、これまでの自動車の常識を覆す燃費の良さを実現してしまった。 　ガソリン代が高騰したりという追い風もあり、低燃費車に乗ることがかっこいい時代になったとお父さんは感じている。これからは自動運転がかっこいい時代になるだろう。緊急時の自動ブレーキは今や当たり前で、自動運転がこれからの自動車をけん引するウリ機能になってきている。　一般の人が気軽に買える値段になれば、自動運転の車以外は売れない時代になるのではないかと思う。 　自動運転が普通になった後は、何がウリになるのかわからないが、そろそろ空飛ぶ車が出てくるのではないかとお父さんは思っている。　お父さんが若い頃にやんちゃした話を、全くあこがれることなく冷たい目で聞いている子供たちを見ていると、あの頃の楽しさを今の子供達は何に置き換えているのだろうかと考えてしまう。

  2024.08.27

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• 電化製品の機能

  　お父さんは若い頃、電化製品をじっくり検討して買うのが好きだった。今と違ってネットもクチコミもない時代なので、電気屋にカタログを取りに行って候補にしている電化製品の機能を比較検討した。お金はないが時間は結構あったので、この比較検討する作業自体を楽しんでいたともいえる。 お父さんが若い頃は、電化製品は多機能が喜ばれるというかウリになる時代だった。カタログにはオリジナルの機能がいろいろと載っていて、正直こんな機能を使う人がいるのかというものまで存在していた記憶がある。 　電化製品というのは基本的に購入してしまえば使い方はそれほど多くなく、一般的な機能を3種類ぐらい使うぐらいが通常だと思う。それ以外の機能など年に1度も使わないというモノも多くあると思う。　それでも当時のお父さんは、何に使うかという考えよりも、何ができるのかということに魅力を感じて多機能品を値段と見比べて選んでいた。電気製品を購入するまで数か月検討したということも珍しくない。 　しかしながら50歳も過ぎると、まずカタログ（今はネット上の電子カタログ）を読むのが面倒くさくなっている。そして自分が使わないであろう機能に全く興味を引かれなくなってしまった。　テレビで家電芸人という人が、最新の家電製品をいろいろと紹介するのを何度か見たことがあるが、彼らが素晴らしい機能だとアピールする機能も、自分にはあまり必要ないなと感じるほどには、機能に興味がなくなってしまった。 　そのため最近の電化製品の選び方は、必要機能を事前にピックアップして、それを網羅している中から一番安いモノをネットで買うということが多くなっている。まあ一応日系メーカー以外を買うことはほとんどないが、ベトナムなどでは台湾製や韓国製も購入している。とにかく使えればよいという状態である。 　先日我が家のミキサーが壊れたので、新しいミキサーを買いにお母さんと電気屋に出かけた。お父さんではなくお母さんが使うモノなので、実機をお母さんが見て決めた方が良いだろうと思って、久しぶりに電気屋で電化製品を選ぶという行為をした。　残念なことにお母さんは電化製品を選ぶときに、全くと言っていいほど機能を気にしない。そのため、店について並んでいるミキサーから一番安いモノを「これでいい」と買おうとし始めた。 　さすがにそれなりに長く使うモノなので、もう少し検討しようという話をしたが、お母さんは、だったらお父さんが選べというスタンスになってしまった。　しかしながらお父さんはミキサーなど子供の頃に遊びで使った記憶しかない。お母さんが今何に使うのかもしらない。 　結局機能はほとんど確認せず、重さとかデザイン、あとは価格で購入するミキサーを決定した。時間にして15分ぐらいだったと思う。30年前のお父さんなら、実機をいろいろと触り、カタログを読み込んで、多機能なモノを選択していたと思う。よく調べなかったが、並んでいたミキサーにも多機能な高級品もあった。値段が高いので今回は全くそちらを見ることをなかった。 　昔はお母さんをバカにして、機能をきちんと確認して買うようによく言っていたし、お父さんが代わりにいろいろと検討して買うことが多かったが、お母さんがお父さんの買い方に寄るのではなく、お父さんがお母さんの買い方に寄る結果になってしまった。改めて考えるとなんか負けたような気もするのだが、電化製品に対しての興味自体が薄くなっているので、改めて頑張ろうという気にはもうならないと思う。 　電化製品の購入が趣味の世界から、実用品の買い替えぐらいの気持ちになってしまっていると感じる。ただ息子や娘たちを見ていてもそれほど機能にこだわったモノの買い方をしないので、令和の世ではそれほど多機能製品は売れないのではと思っている。安さだけで電化製品を購入されたら、日本メーカーは生き残っていけるのかと不安になってしまう。

  2024.08.26

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• 親子と性別

  　お父さんには3人の子供がいる。息子が1人と娘が2人だ。お父さん自身も3人兄弟で、上に兄、下に妹がいる中間子である。事実とは断定できないが、お父さんは中間子として、常に何かあっても順番は2番目だった。年の順では上からも下からも2番目。男だけが対象の時も基本は兄が上で先、女だけの時は妹のみ。中間子として生まれた良かったと思ったことはあまり記憶にない。　またお父さんは親の注意を引くために、自分がいろいろとできるという優秀さのアピールをしようと努力していたので、手のかからない子供としてますます親からの世話から離れていた。 　そんなお父さんを1番に扱ってくれたのが母方の祖父母だ。特に祖父はお父さんをひたすらにかわいがってくれた。両親からは1番にしてもらえなかったが、祖父母の元ではお父さんが1番になれるという思いがあり、あまり精神を捻じ曲げることなく成長することができた。祖父母には本当に感謝している。 　前置きが長くなったが、自分が中間子としていろいろと不利な立場にいたという思いから、自分の子供は絶対に平等に育てようと考えていた。そして実際に3人の子供を持ち育てているが、この平等というのがいかに難しいかを思い知らされた。親考える平等と子供の考える平等が異なることも原因なのだが、それ以上にお父さんが難しいと思うのが性別の差である。 　お母さんが長女を妊娠したとき、お父さんは男の子を希望し、お母さんは女の子を希望した。これは、初めての子供は自分の性別と同じ方が育て方がわかるという思いが強かったと思う。さらにお父さんは男として息子と男同士の絆や遊びを欲し、お母さんは女として娘とやりたいことがいっぱいあった。逆に言うと、自分と違う性別の子供とどう接してよいかわからないという思いが強かった。 　結局生まれたのは女の子であった。お父さんは少し気を落とし、お母さんはとても喜んだ。ちなみに二人目で息子が生まれた時は、完全にお父さんのほうがはしゃいでいた。まだ乳飲み子のうちからグローブやボールを買ったりして、息子と一緒に遊べる日が来るのを夢見ていた。　お母さんは娘と縫物をしたり、料理をしたり、一緒に買い物に行く楽しさを夢見ていたようだ。 　ところが結果として、お父さんは娘2人と遊ぶことが多くなり、お母さんは息子と出かけることが多くなってしまった。生まれる前の思いというか想像と正反対な結果になっている。　原因は、異性になる子供の方が可愛いと感じるからではない。同姓の子供に対しての思い入れが強すぎるからだとお父さんは思っている。 　お父さんは息子には「こうなってほしい」という具体的な思いがいろいろあるが、娘には具体的な思いがほとんどない。逆にお母さんは娘に対して「こうなってほしい」という具体的な思いがあるが、息子にはない。 　結局思い入れの少ない自分と性別が異なる子には、甘くなってしまうのだ。必然的に息子はお母さんになつき、娘はお父さんの方が優しいとお父さんになつく。もちろん息子が父親を嫌いになるとか、娘が母親を嫌いになる程ではないのだが、お父さんから見るとお母さんは息子にだけ甘いように見えるし、息子はお母さんに甘えていると思っている。　逆にお母さんは、お父さんが息子に厳しく娘に甘いと思っており、娘たちはお父さんに甘えていると思っている。 　子供が成長して思春期に入ると、この構造はよりはっきりするようになった。生まれる前には息子を待望したお父さんは息子と接点を減らし、娘を切望したお母さんは娘とよくケンカしている。　世の中思い通りに行かないものだとはいえ、本当に不思議なものである。

  2024.08.25

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• 性善説には意味がない

  　性善説か性悪説かという問題は、哲学の分野に限らず世界中で議論が分かれる命題である。日本人は性善説ではないが、人の善意を信じて行動することが美徳というかあるべき姿とされていることが多い。　しかしながら世界での常識というか、行動規範は性悪説に通じるモノが多いとお父さんは感じている。例えば窃盗に関してであるが、特に貧しい人が多い国では、窃盗は大きな罪ではないことが多々ある。窃盗した人よりも、窃盗された方の不注意であるとされることすらある。 　さてお父さんはこのブログで性善説か性悪説かを書こうというわけでは無い。性善説とか性悪説で白黒つけようというのがおかしいと言いたいだけである。別に世界で初めてお父さんが主張しているわけでは無く、世界中の多くの人が思っている事ではあるのだが、その主張のほとんどは善とも悪とも断言できないというものが多いと思う。 　お父さんが性善説と性悪説に白黒つくことはないと思っている根拠の一つは、善と悪の定義がはっきりしないということである。人間を悪人と善人に分けなさいと言われたら、どこに教会を持ってくるのが正しいのか答えられる人はいないだろう。　もし定義を無理やりしたとしても、その善と悪の定義に対してまた議論しなくてはならなくなるとお父さんは考える。 　もう一つの理由が、善と悪の定義は時代によって変わるだろうということである。性善説や性悪説が中国でできた2300年前から現在まで、善と悪の価値観は大きく変わっている。例えば王が国を支配していた封建制度では、王の命令は絶対である。王様が死刑と言えば死刑を逃れることはできない。そして王様はそれ以外の人が制御できない絶対的な権力を持っていた。 　王に従い、王を助けることは常に善であり、逆らうことは悪である。これは宗教も同じで神の名のもとにすることはすべて善であり、教えに背く行為はすべて悪である。それがたとえ虐殺行為であっても神の名のもとに行われるなら善となる。　しかしながら今の先進国でこの考え方は悪である。どんな人も他者から侵されることのない基本的人権を持っていることになっている。 　列強が植民地政策を実施し世界中に植民地を持っていた時代、植民地の人間に人権などは無かっただろう。アメリカ大陸に送られた黒人奴隷は人と言うより道具と同じ扱いだったとも聞く。 　世の中に絶対の善も悪も存在できないのだから、性善説も性悪説も意味がなく、善と悪の定義すら実際には難しい。　哲学的には考えることに意味があるのだが、実際の生活において善も悪も入り混じっているのが人生だろう。

  2024.08.15

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• 上げ底と靴

  　「上げ底」という言葉は、悪い意味で使われる。お父さんが経験した上げ底は、レストランの重箱というか天重などの容器が上げ底になっていて、見た目は5センチぐらいの深さなのに、実際は3センチもないというようなものが多い。コンビニの弁当や駅弁などにも上げ底を経験して、だまされたと思った経験はそれなりにある。 　今は観光客相手の店でもあまり露骨に上げ底の容器を使うことは無くなった。SNSを中心に画像入りで情報が出回ってしまうので、店側も悪い評判を立てられないように注意しているのだろうと思う。消費者にとっては良い時代になったともいえる。 　そう考えると昔はいろいろとだまされることも多かったし、だます方もいろいろ考えていたと思う。エビの天ぷらで見た目は太くて長いエビが入っているように見えるのに、甘えびのような小さなエビが入っているだけで、あとはほとんど衣という海老天は普通に存在した。みてくれの大きい海老天を作るのにはそれなりに技術が必要だったと思う。 　ちなみに批判されることはないが、カップヌードルなどもある意味上げ底になっている。カップのフチまで麺が入っているように見えるが、容器の底からずっと麵が入っているわけでは無い。麺と容器の底の間には結構な空間がある。まあお湯を入れて麺がほぐれれば気づかれることはないし、中の麺を少ないと思う人もあまりいないと思うので、今まで問題にされなかったのだろう。技術的な問題かもしれない。　ちなみに上げ底の様に配置ができないカップ焼きそばなどは、お湯を入れる前の麺の密度が低い。つまり上げ底の麺に比べて、麺のかたまりに空間が多い構造になっている。 　さて上げ底とは少し異なるが、お父さんが子供の頃に「シークレットシューズ」と呼ばれるものがあった。背が低いことをコンプレックスにしている男性専用で、かかとの部分が分厚くなっていて、5センチぐらい背を高く見せることができる靴である。外からは気づかれにくいが、靴の中ではハイヒールを履いたようにかかとが上がった状態で足を入れているモノだったと思う。実物を見たことがないので実際はよくわからない。　背の低い友人が真剣にシークレットシューズが欲しいと言っていたことを思い出す。女性はハイヒールやピンヒールなどでかかとを浮かせて身長を高く見せることができるのに、男は出来ないと嘆いていた。 　時代が進んで平成になると、厚底ブーツとか厚底サンダルなど、女性には身長を調整できる更なる履物が出てきた。今では連絡を取ることもなくなった友人は、さぞつらい思いを今もしているのではないかと思う。　ただ50歳も過ぎると、背が低いとかブサイクとかいう身体的特徴があまり気にならなくなってくる。お父さんもいろいろと身体的なコンプレックスはあったが、今気にしているのは健康かどうかを考えての体重増ぐらいだろうか。糖尿病でなければデブであってもあまり気にしないだろう。 　さて靴の話題に戻るが、最近ウォーキング用のシューズを買いに行って思ったのだが、シューズによっては靴底が2センチぐらいあるものが普通に存在している。機能を考えての厚底だと思うのだが、背の低い男性がなるべく靴底の厚い靴を購入して身長を調整できるレベルだと感じた。　運動にどれだけ適しているのかわからないが、男性も5センチぐらいの厚底の靴を履くのがおかしくない時代になるのかもしれない。 　ちなみにベトナムでローカルの従業員がパーティーなど会社のイベントに来ると、身長が10センチぐらい伸びているようなときがある。上げ底プラスピンヒールという2段形式で身長を高くするものを履いてくるからだ。こういうモノを変にみられることなく吐くことができるので、ベトナム人女性はほとんど身長と言うモノを気にしていないように思う。男性用は無いので、男は日本人と同じように身長にコンプレックスを持っている人がいるのかもしれないが、お父さんはそういう話を聞いたことはない。

  2024.07.25

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• 流さない理由

  　先日公衆トイレで久しぶりに流していないウンコに遭遇した。水が流れないのかと思ったが、流してみると普通に流れた。よほど急いでいたのかとも思ったが、おしっこと異なりウンコの場合はパンツやズボンを元の位置まで戻さなくてはならない。その間に、足元にウンコがあるのに気がつかないということはあまり考えられない。不思議だなと思ってふと気がついた。流し方がわからなかったのではないかと。 　小学校の頃、特に低学年の頃、お父さんは学校で流されていないウンコをよく見た記憶がある。なぜよく見たかと言うと、誰かが発見すると教室まで戻ってきて「トイレにウンコがある」とクラス中に知らせるのが慣例で、それを聞くとみんなでウンコを見に行くことをしていたからだ。 　今の小学生はわからないが、お父さんが子供の頃、学校でウンコをするというのはとても恥ずかしいことだと認識されていた。だから学校でウンコがしたくなっても、必死で家まで我慢することが多かった。もしどうしても耐えられないという時は、クラスメートがいない別のトイレまで行ってウンコをするということをお父さんはやっていた。　休み時間にクラスメートがいるトイレで大便用の個室に入ると、誰かがウンコをしているとはやし立てられるし、下手をすると上からのぞかれて誰なのか判明してしまう。そんな光景を常に見ていれば、みんななかなか学校でウンコは出来なくなる。 　こんな状態なのに、なぜウンコをした証拠をそのままにしておく人がいるのか本当に不思議だった。証拠を隠滅しておかないと、絶対に後から騒ぎになるのは明白である。騒ぎを起こそうという愉快犯なのかと当時は思っていた。　しかしながら、50歳を過ぎていきなりひらめいた。そしてかなり確信的に「流し方がわからなかった」というのが真実ではないかと思っている。　　お父さんが子供の頃、水洗トイレの家庭での普及率は半分ぐらいだったのではないかと思う。友人の家がボットン式トイレというのは珍しいことではなかった。自宅がボットン式トイレであれば、ウンコをした後に流すという行為を知らないということは十分に考えられる。　中学生以降、トイレにウンコがしたままになっているということがなくなることを考えれば、自宅が水洗式に変わったり学校で水洗式トイレのことを学んだからなのではないだろうか。 　ちなみに先日見た流されていない状態のトイレは和式のトイレだった。最近の家庭にあるトイレはほとんどが様式のトイレである。逆に子供が和式のトイレの水洗レバーを知らなくて流せなかったと考えるとしっくりとくる。　子供と言うのは人生経験が足りないので、状況というかいろいろとチェックしてこれが水洗用のレバーではないかと確認することができないこともあると思う。 　和式の便器は海外に行くと、アジアではまだまだ存在する。今の小学校のトイレはどうなっているのか知らないが、経験を積ませるための教育として和式のトイレは残しておいた方がよいのではないかと思い始めた。 　ちなみに最近は父親がいろいろと物忘れがひどくなっているので、老人が流す行為を忘れるということも十分考えられる。　人間長く生きて経験を積むと、世の中が見えるようになると言われているが、これもその一つなのだろう。真剣にこんなことを書いている自分に笑ってしまうが、トイレに行かない人はいないので、孫が生まれたらいろいろなタイプのトイレの使い方を教えてあげなくてはならないかもしれない。

  2024.07.24

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• DIYの難しさ

  　「Do it yourself」、DIYは直訳すると「自分でやれ」となる。お父さんが子供の頃からある言葉で、「自分でできることは自分でやろう」という精神である。日本では日曜大工とかいう言葉でも代用されるが、大工仕事に限らず機械修理や家庭菜園などもDIYの範疇だと思う。お父さんのイメージでは日本にホームセンターができ始めたころから使われるようになった言葉だと思う。そう考えればホームセンターに売っているモノで何かを作ったり補修したりすることが、現在のDIYと言ってもよいのかもしれない。 　お父さんは趣味的な理由ではなく、金銭的な理由と時間節約の理由でDIYをしている部分が強い。例えば壊れた水道の蛇口の修理を業者に頼むと数千円から1万円ぐらいかかる。業者もすぐに来てくれるかわからない。その点ホームセンターでパッキンを100円ぐらいで購入して自分で交換してしまえば、あっという間に終わる。 　数年前にキッチンのシンクについている蛇口全体が壊れて丸ごと交換したことがあるが、これもネットで購入した蛇口代15000円ぐらいと、40分ぐらいの工事で終わってしまった。これを業者に頼むと蛇口の選定から始まって、部品の到着を待ち、それから工事日程が決まってようやく交換が完了する。どんなに早くても2週間ぐらいはかかってしまうだろうと思う。 　今の家に住み始めてすでに13年ほど経つが、家の中の修理関係で業者に依頼したのは犬がボロボロにしたカーテンの修理だけである。これはそもそもカーテンが特殊すぎてカーテン本体も部品も購入ができず、やむなく業者に依頼した。交換作業は古いモノを取り外して新しいモノをつけるだけなので十数分で終わってしまう。それでもカーテン代が高く10万円以上かかってしまった。 　ＤＩＹはうまくいけば業者に頼む費用の十分の一ぐらいに費用を抑えられる。部品交換など既成のモノを使う場合は業者に頼んだ場合と出来上がりも変わらない。しかしながらＤＩＹの内容によっては、かなり出来上がりの品質に差がついてしまう。　大工仕事系は、その人の腕やセンスによるがプロの仕事とには及びもつかないことが多い。お父さんは現在庭の芝生を貼り替えているが、出来上がりはプロの業者の仕事には絶対に見えないレベルになると確信している。それでも費用を十分の一に抑えるためにやっている。 　もう一つのＤＩＹの問題点は、それなりに知識が必要だということだ。先日お母さんが炊飯器を買いたいと言ってきたので、何が壊れたのか聞いたところ、電気炊飯器なのに最近おこげができるようになってきたという。　とりあえず炊飯器の状態を確認したら、内蓋のゴムパッキンが裂けていた。これでは密閉性が悪くなるうえに蒸気が逃げてしまうので、圧力不足で炊き上がりも悪くなるし、蒸気が逃げることで水分不足になりおこげもできる。状態と予測原因がつながったので、パッキンをネットで探したが、内蓋丸ごとの部品しか見つけることができなかった。5000円で内蓋を購入して交換したら、あっという間に元の炊飯器の炊き上がりに戻った。 　お母さんだけだったら、炊飯器の買い替えだっただろうと思う。知識、経験、考える力などがないとＤＩＹは難しい。たとえ興味があっても、それだけでできるものではないのだ。今はネットで様々な情報が手に入るので、検索してやり方を調べることも可能なのだが、まず自分でできないかと考えることができないと、自分でやるという選択肢自体が出てこない。 　お父さんは学生の頃からホームセンターをぶらぶら見るのが好きだった。そこで売っている工具や部品などを見ているので、自分でやれないかという発想が常に出てくる。まあ自分でやってみたいという気持ちが昔から強かったのも影響しているだろう。　残念ながら家族でお父さん以外に自分でやろうとする人がいないので、手伝わせても興味も覚える気もなく、戦力にならないのが悩みである。 　お母さんは裁縫が大好きで、モノづくりに適した性格をしているはずなのだが、裁縫以外に一切興味を示さない。電球交換すら嫌がるレベルである。　家族とＤＩＹで楽しむ映像などをたまに見るが、お父さんには与えられない環境である。孫が興味を持ったとしても、そのころお父さんには体力がないだろう。　ちなみに最近は家族が「お父さんに言えば、勝手にやってくれる」と考えているのが手に取る様にわかる。便利屋扱いは気に入らないが、作業が面白そうと思うとやってしまう自分がいる。やっぱり自分でいろいろとやるのが好きなのだなと思う。 　ちなみにお父さんは、ＤＩＹの為にかなりいろいろな工具を持っている。電動工具などは、あまり一般家庭にないモノも持っている。この辺りの経費を考えるとそれなりにＤＩＹは高くついているのかもしれない。

  2024.07.16

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• カスハラについて

  　先日JALとANAがカスハラ対策を厳密にするというニュースを見た。至極当然のことだとお父さんは思う。カスタマーハラスメントという言葉がどこまで浸透しているのかわからないが、客だから何をしてもよいという考えは、実にバカげた考え方である。　お父さんも今までの人生で、「こっちは客だ」という言葉で怒鳴りつけている人を何度か見てきた。日本人的感覚では、みっともないとしか表現できない光景である。 　お客様は神様ですと初めに言ったのは演歌歌手の三波春夫である。この言葉が人気となり全国に広がり、本来公演を見に来た人に対するお客様は、商業でモノを購入したり飲食店のお客様にすり替わっていった。お客様は神様という言葉が独り歩きして、「さらに金を払うのだから何をしてもよい。なぜならお客様は神様だから。」というところまで到達してしまった。これは企業側にも問題があると思う。顧客を大事にするための教育として、社内で「お客様は神様」というフレーズを使いまくったことも原因の一つであることは間違いない。 　神様というのは、本来精神的な存在で、世の中の人に神様から理不尽な要求をされた経験を持つ人はいない。だが人間よりも上位の存在として、神様に逆らうことは許されないというのも一般的な日本人の心理である。　この神様という言葉が使われていなければ、日本人によるカスハラは今ほどひどくなかったのではないかとも思う。 　人に迷惑をかけないとか相手を尊重するという日本人の美徳は、バブル期の好景気の頃に「金さえ払えば何でもできる」という物質主義にかなり侵されてしまったとお父さんは思っている。そしてカスハラの中心は、この時期に現役社会人だった人達になっていると感じている。1980年代に20歳として現在の50歳以上ぐらいの年代の人達である。お父さんもぎりぎりだがこの年代に入るのかもしれない。 　「お金を払っているから、客なんだから自分の方が無条件で偉い」「会社、店、店員はどんな状況でも客に逆らったり不快にさせてはいけない。」という考え方をする若い人に、お父さんは会ったことがない。今の若い人（この言い方はあまり好きではないのだが）は、良くも悪くも厳しい上下関係を経験していない。そのため、どっちが上とか偉いという発想をしないのだとお父さんは思っている。 　ちなみに儒教文化の強い国の人達は、日本人とは比べ物にならないぐらいひどい人たちがいる。王様と奴隷のような関係が当たり前という態度をするのだ。レストランでもホテルでもゴルフ場でも、怒鳴りつけたりひどい時は殴ったりする。自国の中では当たり前の行為なのかもしれないが、外国人から見ると犯罪者である。 　客と店はお互いのルールや良識を守ったうえで、店はサービスを提供し客はそれを享受するという当たり前の事ができる世の中に早く戻ってほしいと思う。　ただしどんな世の中であろうと例外というものはある。例外として扱われるレベルでダメな人は、法律や罰則で縛るしか方法はないだろう。悲しいことではあるが、自分は特別だと思っていたり、自分が少しでも軽く扱われたとか損をしたと思うと騒ぐひとは一定数存在するのだから。

  2024.07.13

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• 正義や正しさとは

  　社会正義（ポリティカルコレクトネス）というのは、すでに令和の世の中では無視できない重要なものになっている。人権などの解釈が過度に尊重されすぎている状態だとお父さんは思っているが、世の中はまだまだこの熱狂を続けるつもりのようだ。生きにくい世の中はまだまだ続いていくことだろう。 　正義というのは、「絶対不変の正しい真理」ではない。これまでこのブログで似たような話を書いてきたと思うが、時代、状況、思想など様々な要因によっていくらでも正義は存在するし、ある人の正義はある人にとっては悪というのも当たり前に存在する。　ロシアとウクライナ、イスラエルとハマスの戦闘においても、どちらもそれなりに言い分があり、どちらも自分たちが正義の執行者だと宣言している。 　なので、自分の考えている正義が相手に通用も理解もされないのは別に不思議なことではない。この正義を共通のモノにするためには、思想教育や扇動の様に多数の同意を得るために強制もしくは宣伝により大衆化を図る必要がある。　前者の強制的な思想教育は北朝鮮や共産主義国・独裁国などで行われているモノで、後者の大衆扇動は先進国で行われているやり方である。 　よくこのブログにも書いているが、お父さんは独裁でも王政でも民主主義など統治の種類であって、どれが正しいとも思わないし、どれが間違っているとも思っていない。国民が納得して幸せであれば、下手な民主主義より独裁の方が良い場合もあるだろう。まあ基本的に独裁は徐々に腐敗してダメになるからイメージが悪いのも理解はできる。　政治で独裁を許さない国民が、もっと身近な会社や家庭で独裁を許しているのを考えると、政治的な思想は、やはり扇動されて出来上がったものと言ってよいのではないのだろうか。 　この身近で考えるということが、意外と人間は出来ない。理屈に合わない方便で、家庭や会社で理不尽な思いをしている人はいくらでもいるのだが、「人権が」まじめに言う人は少ないだろう。ただ最近家庭はともかく会社組織ではいろいろある。　ミスを上司に怒られることも、上司にとっては正統な行為であり正義はあると思っているが、今の世の中では怒られた方が嫌な気持ちになったらパワハラになりかねない。人権や人の気持ちを尊重するのが最も重要と考えるなら、怒られて不快になり上司や会社を訴えるのも正義である。　正義と正義がぶつかり合ったとき、戦争ならば勝った方が正義になるのは昔からだが、ハラスメントなどは、弱者と考えられる方の正義が正しいとされる世の中になっている。 　今はいろいろと過度期であるが、この過度期はもう少し続いていくだろう。極端な例が続いていくことで、「やっぱりおかしいのでは？」と多くの人が思い始めた時に、徐々に揺り戻しがきて、また社会正義の在り方が変わっていくのだと思う。

  2024.07.06

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• 北京ダック

  　北京ダックという食べ物がある。中華料理の中でも高級とされる料理の一つだ。アヒルをローストしたモノの、皮だけをはがしてネギやキュウリと一緒に小麦の皮で包み、甘めの味噌と一緒に食べる。まあ詳しく解説しなくても見たことのある人は多いだろう。高級料理なので、日本でも海外でも量のわりに値段は高い。そしてお父さんはこの北京ダックを美味しいと思ったことはない。 　お父さんにとって中華料理というのは大好きな料理ジャンルの一つである。特に大衆向けの中華料理は見た目も味も香りも最高だと感じるものが多々ある。台湾や中国に出張に行って食べる中華料理は、美味しいモノがたくさんあるので、この地域への出張は食事を楽しみにきつい仕事を我慢できるという思いさえある。 　だが北京ダックは何度食べても美味しいと思えない。そもそもアヒルの皮だけでなく、ネギやキュウリ、それに味噌を加えて皮で包む。全体の中のアヒルの皮の割合は多くて20％ぐらいである。食べた時にアヒルの皮のパリパリした感触はわかるが、味まではわからない。というより味噌の味と風味しかお父さんには感じられない。　食通と言われる人は、この美味しさがわかるのかもしれないが、一般の日本人がこれを美味しいと思い、好んで食べるとはどうしても思えない。中国人なら美味しいと思うのかもしれないが、真相はわからない。 　広東省に、アヒルではなく豚の皮だけを食べる料理がある。これも食べ方はほぼ北京ダックと同様である。川は北京ダックよりもカリカリになっていて、サクサクと食感以外の風味や味はほとんど感じることができない。　料理の名前は知らないが、これも高級料理の一つである。誰かに昔聞いたことがあるが、位の高い人は皮を食べ、残った肉は庶民が食べるものだと言っていた。であるならば、お父さんは庶民として肉の方を食べたいと切に願ってしまう。 　日本にも珍味で高級とされる食べ物はいくつかあるが、例えばこのわた（ナマコの内臓）とかアワビのキモなど美味しいとはあまり思わない。しょっぱいとか苦いとかいう否定的な印象の方が強い。　誰かが勝手にこれは高級な料理で、この味がわかるやつが食通だとでも決めたのではないかと思うほど、庶民のお父さんには良さがわからない。 　王様にでも生まれ変わったら、高級料理の美味しさが理解できるのだろうか。先日マレーシアで北京ダックを食べながら、考えていた。

  2024.07.02

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• 言っていることは正しいのに

  　世の中には、正しいことを言ってそれが普通に受け入れられるという理想的な状況というのはなかなか多くはない。歌の歌詞や小説やドラマなどでは、道徳的倫理的かつ理論的に正しいというか正当な人が出てきて、悪に見立てられた人の妨害にあることもあるが、最終的にはうまくいくということはあるが、現実の社会ではなかなか難しいことである。　これは何も特別な場合に限らない。身の回りというか身近に常に起こっていることである。 　ここからが本題なのだが、お父さんの会社に上司として部下を持つ人が何人もいる。それぞれが自分のやり方、考え方で部下を指導しているのだが、素直に聞き入れてもらいうまく運営している人もいれば、部下から反感ばかり買う人も多くいる。　お父さんが見ている限り、上司が言っていることは基本的に正しい。会社を運営継続していく上でも、目の前の問題を解決するためでも、上司というのは経験が豊富でそれなりに正しい道筋を指導していることが多い。　ではなぜうまくいく上司と行かない上司がいるのだろうか。お父さんが見ている限りいくつか理由がある。今回はうまくいかない人の特徴をいくつか書いてみたいと思う。 　一番多いのは、すでに部下から嫌われているパターンの人である。嫌われる理由はいろいろあるが、お父さんの会社で嫌われる上司は説教が長くだらだらと関係ないことまで指摘して部下をうんざりさせている人が多い気がする。　一言で言うと、陰湿な上司である。人間というのは不思議なもので、どんなに正当な話をしていてもその相手を嫌いな場合、言う通りには動きたくないという気持ちが強くなってしまう。これは合理的ではないが、人間心理としてはお父さんも理解できる。この場合正しいかどうかではなく、誰が言ったのかで決まるので、すでに嫌われている上司は嫌われている原因を直さない限り、どんなに正しいことを言っても部下は動かない。 　次が、自分は出来るのだから部下も同じことができると思っている上司である。特に努力して頑張ってきた上司に多い。本人はとてもまじめで頑張り屋なのだが、同じ努力やセンスを部下に同じように求めてしまうのだ。　勉強しないと試験で点数がとれないのは学生でもわかるだろうが、勉強するという行為を日々淡々と来ない、試験前にさらに勉強ができる人というのは意外に少ない。お父さんもそんなことはしてこなかった。ところが、常に努力をした上司は学生の頃からそれを当たり前にしてきたようなタイプだ。努力すればなんでもできるという理屈で部下を動かそうとしても、うまくいくことは少ない。 　最後に言い方が悪いタイプである。人間関係とは、自分が好きなようにふるまっていては構築することができない。相手を尊重し、相手の性格や状況をできる限り考えながら話をしないと良い関係を築くことは難しい。　それを、正しいことを言っているのだから、文句を言われる筋合いはないとキツイ区長ばかりで部下と接する上司も一定数いるものである。　それが気にならない部下ももちろんいるのだが、常に正論ばかりぶつけてアタリがキツイ上司と長く付き合っていると、精神的にきつくなってしまう。こういう上司は、部下が報告や相談、いわゆる報連相をしなくなってくる。　部下としては、報告や相談をしなくても上司の答えがわかっているので、いちいちきつい口調で分かり切った指示や回答を受けるのが嫌になるのだ。 　上司になっている人というのは、自分自身は仕事ができる有能な人が多い。だが部下を使って仕事をするというのは、実務的な仕事とは異なる能力が必要である。　お父さんも若い頃はそうだった。正しいことを言っているのだから、そしてこれは仕事なのだからと、きつい口調で同僚や上司に対応していた時期がある。今思い出すと恥ずかしいことをしていたと思う。当時の上司に合うことが会ったら謝りたいと思うほどである。 　正しいということは大事であるが、それだけで人は動かないということを子供達にも学んでほしいと思う。

  2024.06.29

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• 人材育成セミナー

  　社会に出ると、職種や会社の方針によって様々な社内外のセミナーに参加することがある。お父さんもこれまで技術的な講習から管理者用のセミナー、現場管理や改善のセミナーなどいろいろなものに参加してきた。　役にたったと思うものもあれば、なんの役にも立っていないものまでピンキリであるが、少なくともセミナーというものに需要があることは、どのセミナーにもそれなりの参加者がいることから理解できる。 　最近お父さんの会社では、人材育成を強化するという社長方針によって、社外のセミナーに参加する人が増えている。お父さんも参加を勧められているが、今のところ参加が決まっているセミナーは無い。　お父さんは画一的な方法を教えるセミナーというのがあまり好きではないのだ。一般論や、平均的な組織の話を聞いてもすぐに役に立つものは少ない。　しかしながら社長は、すぐに実践に移行しろと命令してくるので、セミナー参加には慎重にならざるを得ない。 　ちなみに社長は人に命令するだけでなく、自分でもセミナーに参加するとその内容をすぐに社内で実践する。結果として社内が大混乱に陥ったり、成果が出ないことで社長が起こり出したりするので、社長のセミナー参加もお父さんは否定的である。 　上にも書いたが、セミナーで教わる内容や手段、特に人材教育や部下の管理などに関することは、一般的な理論でありどの会社にもそのまま当てはめてすぐに使える、効果が出るものではない。　それを理解しない若者が、セミナー翌日から突然おかしな行動をしてしまうのは笑えるレベルであるが、会社トップの変化は全社に影響を及ぼすのでとても笑えるレベルの話ではない。しかしながら、残念なことにお父さんの会社の社長はマニュアルが大好きで、マニュアル通りに行動すれば、マニュアル通りの結果が出ることを期待する人物である。お父さんたちは、それを何度も経験しているのでセミナーに行きたくないというのが多分にある。 　そもそもセミナーの内容は、人によって受け取り方も、理解の深さも違う。学校で先生から同じ授業を受けても、内容以上に理解する人から、勘違いする人、全く理解できない人までいるのでテストをすると差が出るのである。　人材育成セミナーや部下の管理方法・上司の模範行動などを教えるセミナーは、相手があることでもあるし、自分の性格や立ち位置によってやれることもやらなければならないことも違う。電話の対応や挨拶の仕方、名刺の交換マナーなどと異なり、そのまま実践することは効果がないどころか悪化する危険さえ伴う。 　部下への対応など千差万別が当たり前であり、セミナーで「あなたがこう言えば、相手はこう思う」などという話は一つの事例に過ぎない。セミナーなどで権威付けられた知識を学ぶと、それが真理であると勘違いする人は正直迷惑である。　　残念なことにお父さんの会社の社長は、セミナーに参加するとマニュアルとして実践投入する人である。そのためセミナー翌日から今までと話し方や態度が変わったりする。一番困るのが、セミナーで教わった意見を自分オリジナルの考えとして全社員を前に発表したり、これまでと正反対のことを言いだすときだ。ベテラン社員はいつものことだなと流せるのだが、まじめな若い社員は意味が分からず混乱する。　だが問題なのは、若い謝意よりベテランの方だ。別のセミナーに社長が参加すればまた異なることを言いだすことがわかっているので、今の社長の意見を本当の意思だと受け止めて行動をしなくなってしまっている。　　セミナーで受けた内容をかみ砕いて自分の環境に照らし合わせて、どのように得た知識を実践に活かすかを考えることが非常に重要である。ましてや自分の昔から考えていたかのように、部下にセミナーの内容で説教をするような上司は論外と言える。応用ができない人はセミナーに参加すべきではないとお父さんは思う。 　ちなみにセミナーに参加するともれなく報告書を提出するのだが、部下から上司へのセミナー参加の報告書というのは、必ず「このセミナーで実に有益な情報を得た。」「自分がいかにダメだったか理解したので、反省してやり直す」「得た知識を元に現場改革をし、必ず結果を出すようにする。」「こんな素晴らしいセミナーに参加させてくれた会社に感謝する」という内容で書かれている。逆にこれに反することを書いてはいけないのが社会人のルールである。 　残念なことに社長は2代目で、入社した時から次期社長という人物だったので、一兵卒の社員が何を考えているかを理解していない。そのためこのような形式的な報告書をうのみにして、社員の意識が変わったと喜んでしまう。どちらにとっても有益なことは何もない。

  2024.06.27

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• 努力を重視する人の他者評価

  　努力というのは人間の美徳の一つである。努力を続けて何かを成し遂げる人は結果を得るだけでなく、周囲からも称賛されるのが普通である。　日本には、おそらくは世界にも、「努力を続ければ何事も成し遂げることができる」というような言葉が存在すると思われる。 　お父さんも子供の頃から「努力しなさい」「努力しないとまともな人間になれない」「努力はいつか必ず報われる」というような言葉をずっと言われてきたし、自分の子供達にも同じような言葉を投げかけている。　これはお父さん自身も「努力は重要」と考えているからである。お父さんも仕事や家庭で様々な努力はしているが、一心不乱に努力しているかというとそんなことはない。さぼっている時も多々ある。 　そもそもこれだけ世の中に「努力せよ」という言葉があふれていると言うことは、努力をすると言うことが簡単ではないことを物語っていると思う。　世の中にある言葉で、こうしなさいとかこうしないとだめですという類の言葉は、それが簡単に継続できないことを意味していると言っても過言ではないだろう。　夜更かしをするな、お酒はほどほどに、人には親切に、ウソはいけないなどどれも大事なことであり、道徳上も倫理上も健康上もその人の人生に有用なことである。そしてどれも簡単にできないからこそ、世代を超えて言われ続けているのだとお父さんは思っている。 　逆に、言われなくても通常当たり前にできることは、あまり一般の人が言われることはない。毎日ご飯を食べなさいと怒られる人は少ないだろうし、きちんと呼吸をしないさいと言われたことのある人はほとんどいないだろう。　言われなくても誰もが通常実施する行為を尊いと説いたり、格言的な言葉ができると言うことはないのだ。 　さて前置きがちょっと長くなりすぎてしまった。努力をするということは簡単なことではない。しかしながら、世の中には努力によって成果を出し、それが成功体験となってさらに努力をして成功を積み重ねる人というのが一定数いる。　常に努力し続けない人でも、ここぞという時はきちんと努力して成果を出す人もいる。　このようにきちんと努力をすることができる人、かつそれによって成果を出すという経験をしている人が、陥りやすい思考がある。それが、「努力しない人はダメな人」とか「努力しても成果が出ないのは努力が足りないから」という思考だ。 　お父さんも若い頃はこれに近い思想を持っていた。なぜなら若い頃は努力すれば一定の成果を上げることができたからだ。実に幸せな人間だったと今では思うようになった。　今は、努力は尊いし、努力は大事だと思ってはいるが、それを周囲の人にまで押し付けようとは思わない。　それはこれまでの人生で、お父さんがしたことがないレベルで必死で努力をしている人を何人も見ている中で、全員が結果を出せるわけでは無いという現実を見てきたからだ。やり方が間違っているという理由もあるかもしれないが、明らかに必死で努力している人が、たいして努力をしているように見えない人に負けてしまうというのは、現実ではよくある光景なのである。 　さらに言うと、努力というか一つの事を集中して継続するというのも人間の能力の一つで、努力ができないという人も存在するということをこれまで見てきた。努力ができないといは、努力しないとかさぼるとは根本的に違う。　何か課題があった時に、解決しなければならないのはわかるのだが、何をすればいいのか理解できない、もしくは思いつかないので立ち止まっているだけという人は一定数いる。こういう人に努力しなさいと言っても、何をすればよいのかわからないので不可能なのだ。人を卑下しているように聞こえるかもしれないが、気の毒なほどに自分で思考できない人というのがいるのは事実である。　またその人なりに一生懸命努力しているつもりでも、周りから見たら努力しているように見えないことも多々ある。 　努力して成功してきた人達の中には、こういう人がいることが理解できないことが多い。なので、成果を出せない人を努力不足と断定してしまう。言い方はきついが、どんな人でも努力すれば成し遂げられるというのは、現実では起こりえない。これはお父さんの持論であるが、実際にそういう人を多く見てきた実感でもある。 　会社にも努力至上主義の上司が何人かいるが、努力できない人にとってはパワハラとさして変わらないレベルの嫌な上司になるのかもしれない。

  2024.06.24

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• 日本人の悪癖②

  　先日日本人の悪癖として、道徳感や倫理観を絡めた主張に反論できず黙るしかない日本人の悪癖について書いたが、今回は続きとしてその具体例や、世界との隔離について書いてみたいと思う。 　最近の例で言えば、イスラエルのガザ地区への攻撃で、「子供が犠牲になっている」というニュースが良く流れることを挙げてよいと思う。。今回の場合はガザ地区もイスラエルでイスラエル国民に入らなくもないが、その地区を実効支配するハマスという組織がイスラエル人に攻撃をし、人質を取ってガザ地区に連れ去った。どう考えてもきっかけはハマス側にあるし、テロ行為だと世界中から非難されるのはハマスである。　自国民を助けるために軍事的にガザ地区に侵攻するのはイスラエルがもつ当然の権利であり、これを否定する国家は存在しない。日本の左翼と反イスラエルの国が不快感を表明するぐらいである。 　国際的に裁判をしても、軍事攻撃に反撃したことを有罪にできる国際法は無い。ところが日本という国は、軍事行動自体が悪となっている。軍隊の暴力行為によって子供たちが被害を受けていると報道される。本来はイスラエルとハマスの軍事的な状況などがニュースのメインになるべきである。ところは日本では、「子供は常に純粋な被害者でどんな勢力も犯すことが許されない」という無言の圧力があるので、以下にイスラエルが非道な行いをしているかという内容になる。ハマスに限らずテロ組織などは先進国のこのような価値観を知っているからこそ、被害にあった子供を捏造してでも作り上げ、報道協力という状態で世界に発信させている。 　「差別はいけない」が発展して、不法入国した外国人を日本の政府が保護し生活を支援しろ、彼らには子供もいて教育も受けられない状態だという声まで出てくる。拡大解釈にもほどがある。日本人で海外在住の人間が、在住国で選挙権を主張したり、政府の保護を求める姿など見たことがない。国民を守るのはたとえその人が海外にいようがいるまいが、国籍を所掌している国である。だから日本人が海外で人質になったりと事件に巻き込まれれば、日本政府が対応する。 　難民申請をして拒絶されたらその国には滞在できなくなる。世界が認めるルールである。ところが人権は守られなければいけないという倫理観によって、難民認定されない人がかわいそうだから、日本政府は何とかしろと言い出す人もいる。政治難民はともかく、経済難民は受け入れてくれる国を探して難民申請するのが本来の姿である。 　ウクライナから戦火を逃れて日本にやってきた人に焦点を当てて、日本人の対応が冷たいと文句を言っている姿も報道される。滞在許可から生活費までもらっても文句を言うウクライナ人はおかしいと言うと、「戦火に巻き込まれたこともない人間のクセに、相手に対する気遣いもできない」と言われる始末。 　人権、子供、思いやりなどの言葉を出されると、日本人はまともに反論せずうつむく人が多い。独裁、戦争、差別はすべて悪で、そのように認定されたら社会で不利になるので、たとえその指摘がまるで虚偽であっても謝るのが日本人だ。国民性と言えば簡単かもしれないが、はっきり言って海外の常識から見れば、お人よしを通り越して頭がおかしいという評価になると思う。 　勝った負けたは別にして、戦争をしたことのない国はほとんどない。日本だけが戦争責任を感じる必要はない。特に第2次世界大戦は戦後処理がすべて終わっているのだ。それで終わりなのが世界の常識だ。日本は原爆被害も、空襲による民間人の大虐殺に対してもアメリカに国として賠償を求めたことはない。ちなみに戦後補償を解決後も叫び続けているのはお隣のＫのつく国だけで、あの中国ですらそんなことはしていないのだ。　それをいまだに必死で謝罪謝罪とＫの国が叫ぶのは勝手だが、日本人や日本国政府が相手にする義務は全くない。ましてや今生きている日本人に、戦時中に軍人や軍属として戦地や占領地で生活していた人などほとんどいないのだ。 　日本人にはもう少し国際的な常識を身につけ、国防にしろ経済にしろ国政にしろ、弱者を仕立て上げて声を上げる勢力に、常識ある多数派としてきちんと対応および反論できる民族性を持ってほしいと心から思う。

  2024.06.22

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• 日本人の悪癖①

  　「日本人はなめられている」というのは海外に駐在したことのある日本人が共通して感じることだと思う。ただし、なめられていると感じても、それを覆すために強硬な態度に出る人というのはあまりいない。　中国人や韓国人が東南アジアの国々で傍若無人にふるまっているのを見かけるのだが、日本人的に「ああはなりたくない」と感じてしまうからだ。本来アジアの正しい態度は「上下関係をはっきりさせ、ある程度権力を行使して部下など目下に畏怖を植え付ける」というのが正しい態度らしいのだが、これは日本人の道徳観に反する行為なので、ほとんどの日本人が実行できていない。 　ワールドカップなど世界大会があると、日本人観客のマナーや選手の態度などが称賛されるニュースを日本ではよく見かける。しかしながら、ベトナムにいてみたことは一度もない。一般のベトナム人は日本人がマナーが良いとはそれほど思っていない。　唯一、ホテルや観光客向けの仕事をしていて、いろいろな外国人と接している人だけが、日本人は丁寧だとか親切だという感覚を持っている程度だろう。それも尊敬している人よりも、日本人はお人好しで扱いやすいと思っている人の方が多いのではないかと思う。 　お父さんはこの日本人の道徳感と正しいことをするという行動力は今後も日本人のステイタスとして持ち続けていきたいし、日本人が捨ててはいけないものだと思っている。たとえ一部の外国人からなめられようと、軽視されようと日本人は誠意をもって、尊敬の念をもって人に接するべきであると考えている。　それができない国民の国は、生きるのが大変であると知っている。治安は悪くなるし、詐欺や泥棒などの犯罪に常におびえて過ごすことになるからだ。今で言うパワハラで、外国人に対する傷害事件も珍しい話ではない。 　ただし、お父さんは日本人がもつよろしくない道徳感というのもあると思っている。本来ならそれも立派な意識であるのだが、それに付け込まれて操られやすいと言うことだ。先進国のインテリ層や富裕層も似た傾向にあるが、日本人ほどひどくはない。　それは耳障りの良い言葉に対して否定ができないというものである。耳障りが良いで正しいかはわからないが、言い換えると道徳的、もしくは倫理的にNGなことを表立って追及されると反論できずに黙ることしかできないということだ。 　「こうあるべき」という理想論に現実論できちんと反論できないのが日本人であり、現実論や自論として意見を述べても、さらに批判の対象にされてしまうことがある。今では炎上するという奴だろうか。社会がそうなので、日本人はいつまでたっても変わらない、変われない。だが世界の人すべてがそうではないので、日本人がいいように負けているのを見ると、お父さんは悔しくなる。この悪癖を克服できる日本人も納得の理論はないのだろうかとよく思う。

  2024.06.21

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• ベトナム人の朝と日本人の夜

  　ベトナムに限らずなのだが、東南アジアの国に来ると日本とは明らかに違うと感じることの一つに、朝が早い人が多いというのがある。朝4時ぐらいにはもう1日が始まるひとがかなりいる。　お父さんはたまに早朝からゴルフに行くために4時半ぐらいに車で出かけることがあるが、冬場の暗い中でもジョギングやウォーキング、エアロビなどのダンスを健康のためにやっている人たちが路上にたくさんいるのを見る。 　これは都市部にいっても同じで、首都であるハノイでも、5時ごろからあちこちでエアロビの音楽が響いている。ウォーキングやジョギングをしている人もお父さんの会社のある田舎町よりも断然多いと感じる。　健康に対する意識と実行力が違うと感じるが、何よりも体に日の出とともに起床して生活するという習慣が染みついているのだと思う。 　2001年にお父さんの会社はベトナムに進出したのだが、ベトナム人は夜遅くまで仕事をするよりも、朝早くから仕事を始めるのを好む状態だった。夜8時まで残業するより、朝4時から出勤することを希望する人の方が断然多いのだ。 　日本で朝4時から運動をして会社に出勤する人というのもいないではないのだが、それほど多いとは思わない。それぐらいの時間に起床して運動をする若者はほとんどいないだろう。どちらかと言えば、60歳以降の朝目が覚めてしまう人で、仕事もゆっくり出金できるか、すでに引退している人にそういう人がいるのではないかと思う。　なので、都市部のジムなどは、会社帰りに運動できるように夜遅くまで営業しているところが人気だと思う。 　日本とベトナムの違いがどこから来るのかと考えた時、日本人が家庭で電気（照明）を得てから100年ほど経過しているのに対して、ベトナム人が自宅で当たり前に電気を使えるようになったのがつい最近であるというのが関係していると思う。　日光中心の生活から照明中心の生活に切り替わった歴史の長さが違うのだと思う。 　日本でも電気がない頃は、日の出前の暗いうちから1日がスタートしていたと思う。落語などに出てくる話や、歴史小説などを読んでいてもそういう描写が普通に出てくる。逆に夜は、提灯やろうそくと言ったある程度の財産を持った人が出歩くだけだったのではないだろうか。　証明がろうそくしかなかった時代に、夜に行動する意味がなかったし、ろうそくでは暗すぎて、仕事にならなかったと思う。 　有名な江戸時代の芝居というのも、朝からスタートして夕方には終わるという昼興行しか行っていなかったはずである。日の入り後の夜というのは、家で過ごし、日の出に起きるように早めに寝る生活を電気（照明）を得るまでは、日本人もしていたのだ。 　ベトナム人も最近の若者は、結構夜まで起きて遊んでいる。飲食店も深夜まで営業しているところがいくつもある。多くは店舗というより路上での営業であるが、夜遅くまで飲み会をしている人たちが一定数いる。　結婚式なども、日本風の時間で終わる披露宴ではなく、家の前にテントを立てて会場を作っているので、時間はたくさんある。照明がありカラオケセットもあるので、夜遅くまで騒いでいる。どちらもなかった時代には、今ほど遅くまで騒ぐことはなかっただろう。 　ベトナム人も最近は朝4時から働きたいという要望はほとんど聞かなくなっている。早起きしている人はまだまだたくさんいるが、日本人がアフターファイブとして、仕事終了後に使っている時間を、朝に設定していると思う。　会社に来る前に自転車で40ｋｍ走っているとか、出社前に運動をしている社員は未だに多い。 　それでも照明がある生活が続くにつれて、ベトナムでも徐々に夜型の人間は増えていくだろうと思う。ベトナムより早く発展したタイやマレーシアでは夜もかなりにぎやかに過ごしている。　ベトナムもハノイやホーチミンなどの都市部では、どんどん夜に遊べる施設が増えてきている。

  2024.06.20

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• 実利と名誉

  　「名を捨てて実を取る」ということわざがある。文字通り、名誉や体裁を捨てても実利を得る方を選ぶという意味である。人間がどのステージにいるかの判断にもなる行為だとお父さんは思っている。　名を捨てて実を取る人というと、狡い人、欲深い人などあまり良いイメージで使われることはない。しかしながら、実際の用の中では多くの人が名誉より実利を選ぶとお父さんは思っているし、お父さんもその一人である。 　人間がどのステージにいるかという言い方が正しいかどうかわからないが、実より名を選ぶ人は、すでに十分なほどに実（主に経済力や権力）を持っている人である。つまり財産を持ち、権力も持っている人ならば、あとは名誉を欲すると言うことだ。　成功した人が、慈善事業に乗り出したり、勲章を欲しがったり、非営利団体の役職を欲しがったりするのがいい例ではないだろうか。 　お父さんは今現在の状態であれば、人から受ける名声よりも現金をもらえる方がうれしい。間違いなく名より実を取るという自信がある。　しかし、子供がみな独立し、自分も老後を十分裕福に暮らせる貯えを持ったとしたら、実よりも名を欲しがるようになるかもしれない。 　お父さんが知る限り、財務的な裕福さをもたずに名をとる人というのは、世の中にほとんどいないと考えている。人間にとって必要なのはまず衣食住、そして余裕である。中国のことわざにも「衣食足りて礼節を知る」というのがある。礼儀や作法を覚え実行するにはまず食べ物や服、住まいなどが保障されていないとできないと言うことである。　これは人間の基本的な性質であり、よほど何かの理由がない限りは裕福になるまでは名誉などどうでもよいのが普通である。 　ところが、人間というのは不思議なモノで、自分の欲求と人の欲求は同じだと考えてしまいがちである。自分が欲しいモノなら、周りの人もほしいのだと考える。これは実に危険な考えなのだが、多くの人が無意識に思っている真実である。　これが原因で、いろいろな人間関係がおかしくなることがある。自分が良いと思ったものをプレゼントしたら、喜ばれるどころか受け取りを拒否されるなどと言うことはよくあることだ。 　長く生きていれば、要らないものどころか迷惑なモノをプレゼントされた経験の一つや二つはあるものである。お父さんの会社の会長が、あちこちに木彫りの布袋像を配っていた時期がある。それも高さ５０ｃｍほどのかなり大きなものだ。　会長にとっては誰もが欲しがり、もらえば喜ぶものと思っての事であるが、もしお父さんがこれをもらったら捨てることもできずに持て余したことだろう。打診はあったがうまく断ったので我が家には今のところないのだが、危ないところであった。 　今の時代、お父さんが若い頃よりもさらに名誉を要らないと思う人が増えていると思う。我が家の子供達を見ても、実利以外に興味はないという雰囲気である。　ところが会社などで成功した人は、給料は簡単に上げられないので、名誉を与えて喜ばせようと考える人が少なからずいる。　社長賞とか奨励賞などという表彰を社内に取り入れて名誉を与える。社員は初めは喜ぶ。なぜならば、自分が会社に評価されたから、給料が上がると思うからである。ところが昇給も賞与にも反映されないとわかると、賞を与えられたことに対して逆に恨みを持つ。 　お父さんの会社でも、社長会長が相談して月間優秀社員などという制度を昔からやっている。しかしながら、それを喜ぶ社員は少ない。実が伴わないからである。お父さんは何度か賞金をつけるように言われているが、もともとの発想がお金をかけない社員のモチベーションアップなので、そう簡単にはいかない。 　社長や会長は成功者であり、年齢もそれなりなので、名誉を喜ぶ人になっているのだろうが、お父さんや部下達社員はまだそのステージに上がっていない。つまりまだ「名を捨てて実を取る」段階にいるのだ。　社長も会長も若い頃は同じだったと思うのだが、どうしてそれが理解できないのだろうか。これはお父さんが「名をとる側の人間」にならないと一生理解できないだろう。

  2024.06.17

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• グローバル化と英語

  　グローバル化という言葉が日本で普通に使われるようになったのはお父さんが大学生ぐらいの頃である。バブル全盛期に日本人の賃金は上昇し、円高となり、製造業を中心に日本国内では世界と競争できなくなった企業が海外に活路を見出していった。　その後バブルがはじけて、日本の国力が落ちていくと、国内需要だけで採算が取れなくなった企業も次々と海外へ進出していった。日本のバブル崩壊とともに、日本に近いアジアの国々が経済力を向上させて、どんどん発展していったことも大きいだろう。 　グローバル化とは、日本だけで通用するやり方ではなく、世界中で通用する方法に切り替えていくという概念だと思うが、実際に「グローバル化とは何ですか？」と聞かれてすぐに答えられる人は少ないだろう。それぐらいグローバル化とはあいまいで広義な言葉だとお父さんは思っている。今のＩＴ化とかも同じである。ＩＴ化はもはや世界中で当たり前の概念だと思うが、コンピューターを使って情報処理能力を上げた結果（ＩＴ化をした結果）成功した人や企業は意外と少ないとお父さんは思っている。 　たまに有名な経営者や企業が、社内の共通語を英語にするとか発表することがあったり、同一労働同一賃金とか言って、世界中で同じ仕事であれば同じ賃金を支払うと宣言したりする。その後の成功譚などが聞こえてこないので、口だけの発表であったか、うまくいかなかったかのどちらかとお父さんは思っているが、おそらくほとんどがうまくいかなかったのだろうと思う。 　そもそも製造業など日本の賃金が高いから、安い途上国に行くのである。そこで同じ賃金を支払ったら大変なことになる。さらに言うと世の中には昇給というものがある。世界中の工場や販売店で社員の給料を同じだけ上昇させるというのは不可能である。　英語に関しても同じで、英語を母国語とする人以外で、英語を外国語として学んで仕事に支障なく使える人など、どこの国に行ってもほとんど存在しない。 　そもそも人間の思考というのは言語で行われるのがほとんどだ。日本人なら日本語で考える。それを会議の場で英語→日本語→英語とやって発言していたら、効率はもちろん思考も2段も3段も落ちてしまう。言語が障害になって持っている能力を使いこなせなくなるのだ。　社内ではさらに、自国語を英語に訳すという余計な仕事が発生する。いくら共通語を英語にしても、英語ができない社員のために通訳や翻訳は必要だからである。学校で英語を教わった生徒が全員満点をとれるほど英語を理解できないのと同じで、教えたから英語ができるようになるわけでは無い。 　本能的にでも、理屈としてでも理解している優秀な人は、共通語が英語という自国の企業に就職することはないだろう。　本当のグローバル化とは何なのか、今のお父さんにはよくわからない。そのうちそのような言葉が消えて、世界のルールが各国で当たり前に認識されるようになって初めて達成されるのではないかと思うが、その時の言語が1つになっているとは思えない。　ちなみに、お父さんの周りで英語の重要性を説く人は、英語ができない人の方が多い上に、彼らは英語の勉強をしていない。自分は例外もしくは通訳をつければいいと思っているのではないだろうか。

  2024.06.16

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• プライドの使い方

  　お父さんは仕事をするうえで、プライドを持っているかどうかをとても大事なことだと思っている。プライドや負けん気がなく、人の指示ばかりに従い自分を出さない人間をあまり頼りにすることもないし、信頼もできない。　お父さんは自分の仕事をできれば部下に丸投げして、別の仕事をどんどんやっていきたいタイプなのだが、プライドがない人には責任感もない人が多いので、なかなか丸投げができない。 　しかしながら、このプライドというのは実に厄介であり、扱いに困ることが多々ある。プライドとは、過去の栄光でもなく、自己評価でもなく、現在のありのままの状態に対して持つもの、もしくは理想の自分を思い描き、それに少しでも近づくための努力をするために持つものであるべきなのである。 　本当にできる人で、かつプライドをそれなりに持っている人というのは、現状の自分の仕事とそれに伴う結果を常に確認している。結果が出なければ、プライドにかけて結果が出るまで努力をしていく。こういう人は、「俺はすごい」と周囲に言うことはない。自分の心に秘めたプライドを持っているのである。 　逆に「俺はすごい」という人をお父さんはあまり信用することができない。特に過去の実績のみを自慢して、現在評価が低い人というのは、外に向けたプライドが高い人が多い。こういう人は、人に教えるときも高飛車で嫌味な態度が多く、同僚や部下から嫌われていく。その雰囲気を肌で感じると益々おかしくなっていく。　自分に対する批判などあれば、激怒して反論し反省することなどしない。自分を評価しない人を嫌い、そういう人に近づかなくなる。場合によっては悪口や陰口までいい始める。こうなるともう手遅れで、周囲から完全に相手にされなくなってしまう。 　他者の評価というのは、ある程度誰もが気にするものであるので、気にするなと言っても無理なのであるが、他者からの評価が悪いと思ったときに、改善できない人は復活することができない。そして、不思議なことに評価してくれる人を探すようになる。　こういう人が上司にいると、その周りはイエスマンだらけになり、本当に実力のある人は離れていくことになる。 　プライドは、人生にとって、仕事をするうえで本当に重要なものであるのだが、扱いを間違えると自分を滅ぼす諸刃の剣でもある。　お父さんもこんなことを書いているが、歳を重ねるごとに、ダメなプライドが顔を出すのを感じている。気をつけねばならない。

  2024.06.15

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• 現場から管理職に上がるということ

  　お父さんの会社の業種は製造業であり、モノづくりの会社である。なので基本的に新入社員は現場に出てモノづくりを覚えるところからスタートする。現場を知り、作り方を知らないと管理職には昇格できない。　当たり前の話だが、上司がモノづくりを知らないで現場の管理など不可能であるのが理由である。さらに言うと、モノづくりの企業というのは、自社独自の技術や考え方、さらに言うと歴史がある。これも管理職に上がるにはとても重要になってくる。 　また現場の作業者も、自分たちの作業を理解していない上司の言うことは聞かないという性質を持っているのも製造業の常識だと思う。大会社の役員が現場の細かい内容を知らなくても問題がないかもしれないが、お父さんの会社のような小さな企業は、自分ができることで部下が言うことを聞くようになるという性質が多分にある。　されに言うと、部下よりもできることが重要になってくる。一通り理屈は知っているぐらいでは、部下に失望させてしまう結果になる。 　そんなわけで、今お父さんの会社で管理職（間接業務）をしている人達は、それぞれ自分が体験した作業に関してはかなりのエキスパートであり、経験・知識・実技能力が高い。なので新しく管理職になって人は、自分が抜けた現場が落ち着くまで、しばらくは兼務して現場作業を手伝うことが多々ある。　後継者が育ち自分がいなくても現場が問題なくなるまでは、簡単に現場を離れることができない。そのため、管理職になってもしばらくの間は掛け持ちの仕事をしているので、現場での技能も最新の技術も身につけている。 　問題はそのあとである。現場が成長し自分が完全に現場仕事から離れてしまうと、当然のことながら体に染みついていた作業の感覚というのが鈍くなってくる。さらに最新の現場での改善などから離れるため知識的にも徐々に現場から遅れてくる。　現場の世代が変わり、その人が現場にいたことすら知らない世代が育ってくると、現場の直接的な指導をしようとしても、現場からの信用が得られないこともある。 　管理職になった人間の製造的技術や技能は、管理職になった瞬間から停滞し、時間が経つにつれて退化していってしまう。お父さんもある程度現場の仕事をやってきたし、ある工程に関してはお父さんがゼロから立ち上げたので、ある程度の知識も技能も身につけている。　しかしながら現場を離れてすでに10年以上経っているため、今現場のヘルプに入ったとしても作業自体は簡単なモノしかできないと思う。　自動車の免許を取って10年毎日運転していたとしても、その後10年1度も運転していなければ、安心して運転などできない状態になるのと同じである。 　現在は人手不足の世の中になっている。状況によっては管理職が現場のヘルプができるなら、理想的な人員配置ができることも想像できるのだが、なかなかに難しい。　これと同様に、大手メーカーを定年した人などを顧問として迎え入れることがあるが、彼らがいくら20年前に現役バリバリで現場作業ができていたとしても、出世して管理職となり現場を離れていた人は、実際の作業を自らやって見せることは出来なくなっている。 　これは自転車の乗り方を座学で教えるようなモノであり、極めて成果が出にくい。その結果、顧問の評価が低いと言うことはよく起きている。　管理職になっても現場が好きでいつまでも離れない人というのもたまにいるのだが、こういう人は逆に偏屈で評価が低いことが多い。自分の技能にプライドがありすぎて変化を嫌うからである。現場からも不満の声が上がるようになる。 　管理職になる人は、自分が現場から信用も信頼もされなくなる未来を受け入れる覚悟が必要であるし、管理職に指名する側も、その人が現場の仕事が能力的にできなくなると言うことを覚悟する必要がある。

  2024.06.14

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• そばつゆのジレンマ

  　お父さんの好物の一つに「そば」がある。特にざるそばがお父さんの好物で、お店で食べるのも好きだし、家で食べるそばも大好きである。お母さんもそれなりにそばが好きなのだが、ざるそばよりかけそば派であり、温かいそばの方が美味しいと感じるらしい。 　さてざるそば好きのお父さんが、昔から抱えている問題がある。50歳を越えた今でもお父さんはこの問題を解決できていない。いや、ざるそばが生まれて何百年も経つと思うが、この問題は日本人が解決できていないと言えると思っている。　その問題とは、そばつゆが食べているうちに薄くなると言うことである。 　ざるそばは、きちんと水切りしてあってもそばについている水が完全に取れるわけでは無い。ましてや家でそばを茹でた時などは、ざるの中で適当にしか水切りをしていないので、そばにはかなりの水がついている。　その水がそばつゆを薄めていってしまうのだ。お店で食べるソバが、自宅で食べる時ほど薄まることは少ないのだが、塩分が少なめのそばつゆだと、やはり薄くなったと感じてしまう。 　そもそも人間の舌は味に慣れて刺激を感じなくなるものである。そばつゆも、最初の一口が一番濃いと感じ、徐々に舌が慣れてきてしまう。そのうえで麺つゆが薄くなってしまうのだから、これはお父さんにとって結構大きな問題である。　そばの通（つう）と呼ばれる人は、そばつゆをほんの少しだけつけて食べるというし、それが「粋（いき）」だと聞いたことがある。実際に試してみたら、全く美味しく感じなかった。お父さんはたっぷりとそばつゆにつけて食べるのが好きなのである。 　自宅の場合は、濃縮のそばつゆを使っているので、そばつゆをたすと濃さも復活するのだが、お店のそばつゆは補充用のつゆがあったとしても、そばチョコの中に薄まったそばつゆが入っているので、すべて飲んでしまわない限りは最初の濃さを再現することができない。　市販の2倍とか3倍の濃縮されたつゆは、お父さんが抱えるこのジレンマも考えての事かもしれないと思ってしまう（実際はサイズや重さが理由だと思うが）。 　冷たいかけそばがあれば、問題は解決するのだが、ざるそばがあるせいで冷たいかけそばというのは存在しない。冷やしタヌキそばや冷やしおろしそばは存在するし、お父さんはこれらも大好きなので注文することはあるが、香川系のうどんには、ぶっかけなど冷たいかけうどんがざるうどんとともに存在しているので、そば屋も見習って見てもよいかと思うが、おそらくあまり売れないだろう。なぜならお父さんもそばだけを食べるならば、ざるそばを食べたいと感じてしまうからだ。冷やしかけそばは、やはりざるそばの魅力とは異なると感じている。　そばつゆをそばチョコごと交換していくシステムができることを願っている。

  2024.06.05

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• 知らないことは恥ではないが

  　先日、「仲良くしている」とか「懇意にしている」という意味で、「彼とはじっこんにしている」と使う「じっこん」の漢字が「入魂」と書くのを知って驚いた。あまり使わない言葉なので、今まで書いたことはないが、もし漢字のテストで出てきたら「実懇」と書いて正解だと思っていたと思う。 　テレビのクイズ番組などの影響で、一時期「漢字検定」というものが世の中に流行って、難しい漢字を読み書きできるとインテリぽくてカッコイイという風潮になったことがある。漢字に興味があって、好きで勉強するのならとても良いことだと思うが、漢字検定の準1級や1級の試験問題を見ると、こんな字を日常で使ったら逆に相手が読めないだろうと思うような漢字ばかりである。言い方を変えると「実用的でない」の一言に尽きる。 　小中学生やせめて高校生ぐらいなら、難読漢字を友達に見せて読めないのをからかうというのもわかるが、大人になってもそれをやる人がいて鬱陶しい。今書いた鬱陶しいという感じもパソコンで書いているから普通に使えるが、自分で書いたことはないし、お父さんにとっては何も見ないで書ける感じではない。薔薇とかも同じである。 　こういうことで周囲の人をからかう人は、お父さんは精神年齢が低い人だと思っている。「こんなのも読めないのですか」と言われても、「はい、読めません」と答えて終わりである。そんな文字が読めても書けても実生活が便利になるなどのメリットを感じない。　それよりも普通に使っている感じをきちんとかける人の方をお父さんは尊敬する。パソコンを使って30年も経つと、筆記で漢字を書くことができないという実感があるので余計にきちんと書ける人を尊敬してしまう。 　話を戻そう。お父さんは何漢字など読み書きできない自分をダメだとはまるで思わないが、学歴などにプライドやコンプレックスを持っている人は、こういうくだらない事でムカついたり落ち込んだりするらしい。　「恥ずかしい」という思いになるからなのだと思う。この程度で感情が動く人を、なだめても慰めてもあまり意味がない。漢字が読めないのが問題ではなくて、プライドやコンプレックスの問題であるからだ。 　人間というのは「必要ないと思うものは、興味がない限り覚えない」という生き物だとお父さんは思っている。知らないことは決して恥ずかしいことではないが、世の中の常識といわれるモノは必要なものとして覚えておかなければならない。その線引きは意外と難しいのかもしれない。

  2024.06.04

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• 子供にとっての昭和のイメージ

  　お父さんは昭和47年に生まれた。昭和64年が平成元年なので、高校1年生の時に平成になった。つまり中学生までがお父さんの昭和だ。　最近子供達、特に息子と次女が「お父さんは昭和だから」というような言葉をよく使うようになってきた。この言葉は、良い意味ではなく、基本的には悪い意味で使われている。 　子供達にとって「昭和」とは、すぐに殴る、怒鳴る、理不尽が当たり前、男尊女卑、根性論、非論理的、ハラスメントだらけ、差別、暴力と負のイメージだらけで、今の価値観で評価すると、最悪の時代というイメージのようだ。　実際に今の価値観、今の常識と照らし合わせれば、「悪い時代」と思われても仕方がないことがたくさんあったと言えるとは思う。 　実際の状態を経験していない子供たちにとって、暗黒時代である昭和を経験している人は、考え方が古く現代に合っていないと思うようだ。もちろんそういう面は多々あるかもしれない。　お父さんは、昭和といっても戦後の生まれなのだが、子供の頃、昭和初期（戦前や戦中）、さらに言うと祖父母が生まれた明治や大正時代は、「暗黒時代」だと思っていたので、同じような感覚なのだろうと思う。　お父さんにとっての戦前の日本は、貧乏で暴力的、女性に人権がなく、家父長制が強い。長男至上主義で次男以降は使用人と同じ扱いなど、負のイメージが強かった。　実際に経験していないので、自分が子供の頃の昭和後期の価値観で判断するのだから致し方ないだろう。 　少し話を戻すが、お父さんが小中学校時代と、我が家の子供達の小中学校時代を比べると、今の小中学生の方が大変というか、自由がないように思える。安全や人権、責任を追及しすぎて様々なことができなくなっている。時代が進むとだんだん良くなると思っていたお父さんにとって、今の子供達の生活が幸せには見えない。　もちろん今の子供達は今の時代しか知らないので、不自由さも息苦しさも感じてはいないようだ。 　それでも、公園あった遊具は危険だからと撤去され、ボール遊びも犬の散歩も許されない。砂場はナンタラ菌の温床になるとやらで廃止となり、今あるのはブランコぐらいだが、おそらくブランコもそのうちなくなるだろうとお父さんは思っている。　学校帰りに寄る駄菓子屋もなくなったが、そも注も今の子供達はまじめで、帰りに寄り道や買い物を禁止されると、きちんとそれを守る。　帰り道にある本屋で本を買いたいのに、一度家に戻ってから買いに行く姿を見ていると、バカなんじゃないかと思ってしまう。それが昭和なんだと子供に言われてしまうのだが。 　お父さんは子供の頃から親にも学校の先生にもバンバン殴られてきたし、部活で先輩から理不尽な扱いをされるなど当たり前だった。公園で怪我をしても危険な遊びは山ほどしていたし、友達と学校帰りの買い食いはとても楽しかった。　教師の暴力に対して、人権侵害とは思わなかったし、少なくとも学校で女子が差別されているとも感じなかった。お父さんと1歳違いのお母さんが、子供の頃は男女差別がひどかったと言ったのを聞いたことがないので、お母さんも不満はなかったと思う。 　今のように、あれはダメ、これはダメなどと言われることがあっても、そんなのを気にせず、むしろちょっとした罪悪感をスリルとして楽しみながら行動していた。　それに比べて、思春期であり反抗期の子供たちが、どうしてあれはダメ、これはダメと言われて素直に従っているのか本当に不思議である。　お酒やたばこなど、早ければ小学生、遅くとも中学生の頃には、試したことがあった時代だ。もちろん100％とは言えないが。 　こういう経験から考えると、太平洋戦争中は日本本土が空襲を受けたり、その後の食料不足などの時代は大変だったとは思うが、それ以前の明治、大正、昭和初期に生きていた人にとって、その時代がひどいとは思っていなかったのではないかと思う。　もっと言えば、江戸時代だろうと「平和」である限りは、その時代を生きた人が不満を持っていたとは思えなくなってきた。 　数十年後の未来から見れば、今の時代もひどい時代になるのだと思う。何がやり玉にあげられるのかはわからないが、きっと我が家の子供達も自分の子供達から「平成の考え方」と言われるのだと思う。

  2024.06.03

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• 大根おろしと焼魚

  　大根おろしは、様々な料理において「薬味」や「添え物」として使われている。子供の頃は、大根おろしなど何が美味しいのかとお父さんは思っていたが、いつの間にか大根おろしが好きになっていた。　しゃぶしゃぶのポン酢に大根おろしが入っていないと納得しないし、天ぷらのつゆも大根おろしがないととても寂しい気持ちになる。余談だが、お父さんはそばが好きだが、大抵の場合、ざるそばかタヌキそば（冷）かおろしそば（冷）で悩んでいる。ざるそばに大根おろしが薬味で着くことがあるが、小指の先程度しかないので足りないのだ。タヌキそばは天かすが捨てがたい。 　ちょっと横道にそれてしまったが、我が家で大根おろしを食べるときは、あまり不満はない。基本的に大根半分ぐらいをおろしてしまう上に、子供たちが大根おろしをあまり使わないのでお父さんはたっぷりと大根おろしを堪能できるからだ。　しゃぶしゃぶでも天ぷらでも焼き魚でも、大根おろしをスプーンでどんぶりからすくってバンバン食べることができる。 　ところが、外食をすると大根おろしが我が家に比べて異常なまでに少ない。上に書いたようにざるそばについてくる大根おろしは、小指の先程度で「風味」はあるのだが、そばの前半で風味もなくなってしまう。　天ぷらを頼んだ時も、大根おろしはそばよりはやや多いことが多いが、それでも大匙1杯程度が関の山で、お父さんの欲しい量にはまるで届いていない。 　一番納得がいかないのが、焼き魚である。サンマの塩焼き、ホッケの干物、サバの塩焼きなど多くの焼き魚を食べる機会は多いし、外食で食べる焼き魚にはほとんどの場合大根おろしがついてくる。　しかしながらその量は、とても皿の上の魚を食べるときに使う量として足りるものではない。3口も食べると無くなってしまうレベルの量しかついてこない。 　そのせいで、居酒屋で友人たちと焼き魚をシェアするような場合は、お父さんを含めて誰も大根おろしに手を出さない。量が少なすぎて、自分が使ったら他の人の分がなくなるという心理が働くからだと思う。　その証拠に、最後の一口を食べる人が一気に大根おろしを一緒に食べる光景を目にすることが多々ある。 　そばや天ぷらの場合、薬味として使わない人もいるし、一度つゆに入れたらそれなりの時間風味がするので、少量でも致し方ないかと思う。しかしながら焼き魚の場合、大根おろしは一口ごとにそのまま口に入っていく。一口目で食べた大根おろしの風味を口の中で保ったまま次の一口を食べるということはできないのだ。 　見た目によいから大根おろしをちょこんとのせているだけだろうとしか思えない焼き魚についてくる大根おろしは、本当に寂しい気持ちにさせてくれる。　もし誰か焼き魚に詳しい人がいて、あの量で魚一匹を食べるのに十分であるという食べ方を知っている人がいたら教えてもらいたいと心から思う。それとも世の中の人はお父さん程大根おろしを好きではないのだろうか。でも世の中には人気メニューとして、おろしハンバーグもあれば、鶏のから揚げに大根おろしをかけているモノもある。大根おろしはそれなりに人気の食材のはずである。 　とにかくお父さんは外食における焼き魚の大根おろしを今の10倍ぐらいにはしてほしいと願っている人間である。しらすおろしでは、シラスの量より大根おろしの量の方が多いことも多々あるというのに、焼き魚で魚より大根おろしの量が多いものを見たことがない。

  2024.05.26

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• 新月とパワーストーン

  　我が家はお母さんから始まって、今は全員がパワーストーンのブレスレットを持っている。ここ数年は流行りなのだと思うが、腕にパワーストーンをつけている人を見かけることが多くなっており、市民権を得た様である。　お父さんも昔は「何ですか？」と聞かれることが多かったが、最近はほとんど聞かれることはない。 　パワーストーンに本当に効果があるのかどうかは、つけている本人しかわからないが、お父さんの場合はつけていてもわからない。気分としては神社のお守りと同じで、ないがしろにしているわけでは無いが、毎日気にして祈りをささげるものでもない。何となくつけているといったところだろうか。 　このパワーストーンと言うのは、神社のお守りとは異なりメンテナンスが必要である。パワーの落ちた石を交換したり、浄化という行為をした方が良いとされている。浄化方法としては、水で洗う、音叉で音を当てる、セージの葉の煙にくぐらせる、満月の月光に当てるなどいろいろとある。どれが良いとかは人に寄るし、石にも相性があるらしいがお父さんはあまり気にしていない。基本的に浄化という行為はお母さんに任せている。 ただし浄化方法の中に、一つだけよくわからないものがある。それが「新月にあてる」というものだ。満月の夜に、月の光にあてるというのは、月の光がパワーストーンにあたる姿が見えるので、「ああ、月光で浄化されるのね」と思うことができる。だが、新月にはあたるものが何もない。というか新月の夜は、月は太陽と同じ方向にあるので、日中に南天して夜には太陽とともに地平線の下にいる。 お母さんが最初の頃、新月の晩にパワーストーンを浄化しようとして空を見上げ、「月はどの辺かな？」と言ったのを聞いて思わず笑ってしまい、怒られたことがある。小学校課中学校で月の満ち欠けの仕組みは学習しているはずなのだが、大人になる程忘れてしまうのだと思う。「新月の夜空で月は見えなくなっているのではなく、空側にない」という単純な事実を認識できていないのだ。 なので、新月の夜にパワーストーンを外に出す意味が今一つわからない。真っ黒な月が見えないけれど空に出ているのなら、パワーストーンにたまった「よくない気」のようなものを吸収してくれるとも思えるが、何もない空に向かってパワーストーンをだしてどうやって浄化されるのかがよく理解できない。 お母さんに言うと、また理系の嫌な理屈が出たと言われるが、気になるのだからしょうがない。月がない状態が良いのなら、三日月の日の月の入り後でも良いし、下弦の月の頃に月がまだ出てこないうちに浄化してもよいような気がする。自分でも屁理屈であることはわかっているのだが、いまだに納得できる新月と浄化の関係を語ってくれた人はいない。 ネットで調べても、月の位置関係を説明してくれているサイトを見つけることができなかった。おそらくこれからも納得できる日は来ないのではないかと思う。

  2024.05.25

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• 化学調味料

  　化学調味料というものがある。最近ではうま味調味料とも言うらしい。化学調味料という言葉は人工的なイメージが強く、体によくないモノという印象が強いからこその名称変更なのだろう。中身が変わっていないのだから、あまり効果があるとは思えないのだが。 　お父さんも以前は化学調味料に対してかなり負のイメージを持っていた。きっかけは「美味しんぼ」というマンガである。本物であることが大事、本物以外はまともな食事と言えない、化学調味料は毒であるぐらいの認識になっていた。　　しかしながら実際に料理をしていると、鰹節からとった出汁よりも、ほんだしを使った方が旨味を感じる自分に気がついてしまった。ベトナムで味の素をたっぷり使ったフォーと味の素を使わないフォーを食べ比べると、断然味の素を使っている方が美味しいと感じてしまう。お父さんの体は毒を美味しいと思うダメな体になったのだろうか。若い頃ならそう思ったかもしれない。 　しかし今は化学調味料を使うことも食べることもどうでもよくなっている。どちらかと言えば旨味を強くするために積極的に化学調味料を使っている。　味の素やほんだしを筆頭に、ハイミー、アジシオなど化学調味料はお父さんが作る料理になくてはならないものになっている。 　化学調味料は人工的に作られているうまみ成分を圧縮したモノであり、そもそも人体に悪いモノではない。旨味を感じさせるアミノ酸が主成分だ。原料も基本的には自然界にあるものでできている。　件の美味しんぼと言うマンガでは、うま味調味料はサトウキビから砂糖を作るときに出る廃糖蜜というどろどろの廃棄する物質から作られると書いてあった。でもそれって原料は砂糖きびと言うことになる。 　この理屈で廃糖蜜が悪いのなら、オカラは豆腐を作るときに捨ててしまう大豆のだしがらであるので、体に悪いということになるのではないだろうか。　おからと廃糖蜜の違いがお父さんにはわからない。出汁を取った後の鰹節や昆布も体に悪いモノになるのだろうか。 　ちなみに化学調味料を嫌悪する人は意外と世の中に多い。特に子供を産んだばかりの母親は、自分が食べるものも子供に食べさせるものも有機栽培の野菜とかにこだわる人は多い。化学物質が自分の子供の体に入るということが、精神的に怖くなるのだと思う。お父さんもその気持ちはよくわかる。 　しかし、こういう人が、薬は化学物質だから飲まない。飲むとしても漢方薬だけだという人をお父さんは見たことがない。現代における薬と言うのは、工場で生産された化学物質であると言うことを否定する人はいないだろう。　それなのに、化学物質である薬はダメだという人がいないのは、化学調味料を嫌悪する人がいることを考えると不思議に思えてくる。 　点滴や注射など、血管内に直接化学物質を送られることを、化学物質であることを理由に嫌がる人はいないだろう。　そう考えると、化学調味料反対という考えは、ただの気持ちの問題だと思うのは、お父さんだけだろうか。

  2024.05.24

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• 本物が美味しいとは限らない。

  　お父さんはカニカマが結構好きである。安い上にカニの味がしてお父さんの食欲を十分に満たしてくれるからだ。本物のカニでないことは理解しているが、本物は高い上に殻を剥くのが面倒であり、ゴミも残る。　その点カニカマはお手軽な値段に加えて、殻も剥かなくてよい。それでいながらカニと同じような味なので、最近本物のカニを家で食べることはほとんどなくなってしまった。 　高級で新鮮なカニに比べたら、カニカマはおそらく味も食感も劣るのだろうが、宴会などでたまに出てくるあまり高級に見えないカニなどは、カニカマの方が美味しいと思うようになっている。本物を食べているという満足感以外の価値を感じなくなってしまったようだ。 　子供達も本物のカニをあまり食べていないこともあるだろうが、カニカマが大好きである。最近は奮発して鍋にカニを入れることもなくなり、カニカマを入れたりしてるのだが、子供から文句を言われることはない。　逆に言うと、それだけカニカマ業界が努力を重ねているとも言えるのではないだろうか。 　世の中には本物が一番という人は多いし、無意識に思っている人も多いと思う。お父さんはひねくれものなので、偽物の方が美味しいモノがあると言うことがあるが、賛同してくれる人は少ない。　鰹節を削ってたり、煮干しでしっかりとった出汁の味噌汁は確かにそれなりに美味しいが、ほんだしでとった味噌汁もお父さんは美味しいと感じている。だからお母さんが料理にほんだしを使っていることに怒ることもないし、違和感もない。 　ちなみにニセモノと言ってよいか判断に困るのだが、昔ながらの濃い味の豆腐というものがある。食べてみると大豆の香りが強く、これはこれで美味しいと思う。だが普段食べている一丁100円の薄い味のしない豆腐になれていると、逆に風味の強さや豆腐の密度に違和感を感じるようで、子供達は「本物」の豆腐を美味しくないという。　お父さんも一生どちらかしか食べられないとしたら、100円の豆腐を選ぶだろう。大豆とにがりだけで作った「本物」の豆腐は、100円の豆腐の1000倍ぐらい大豆の成分が濃いという話も聞いたことがあるが、「だから何？」としか思わない。 　100％のオレンジジュースは確かに美味しいが、果汁10％でも美味しいジュースはいくらでもある。「私は100％果汁しか飲まない」という人がいるが、そういう人が缶コーヒーやコーラを飲んでいるのを見ると、何がこだわりなのかよくわからなくなる。 　お父さんのこの意見は、賛成してくれる人は少ない。というかほとんどいないと言った方が正しいかもしれない。ただ賛成しない人たちの行動を見ていると、プライド的に賛成できないだけではないかと思うことが結構ある。

  2024.05.23

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• 食べ放題

  　若い頃、食べ放題のお店と言うのはとても魅力的だった。どんなに食べても値段が変わらないのだ。大食いだったお父さんにとって、こんなにうれしいことはない。焼肉の食べ放題が最も一般的ではあるが、食べ放題の一種であるバイキング（ビュッフェ）スタイルのレストランなども、よく行ったものである。 　若い頃と言うのは不思議なもので、一定額で好きなだけ食べられる→いっぱい食べなければ損をする→店が損をするほど食べなければならない（元をとる）という考えで食べ放題で食事をしていた。　特にこの「元をとる」という考え方は、日本人が食べ放題へ行ったときにほとんどの人に当てはまる意識だとお父さんは思っている。 　結構昔の話だが、プロレスラー一家が食べ放題で店に損をさせるまで食べられるかという規格の番組をやっていたのを思い出す。この一家は全員がかなりの大食漢だったので、真実はわからないが店側が「負ける」ということもそれなりに会った。　真偽がわからないと書いたのは、本当に損をするほど食べる客が増えたら、お店は営業を続けられないし、どんなに食べても店側が「損をしない」と言うことになると、日本人の「元をとる」という意識がなえて、食べ放題の人気が下がる可能性がある。ましてや毎回挑戦者が負けていてはテレビ的に面白くないという事情があるのではないかと思うからだ。 　お父さんは今は食べ放題の店と言うのにほとんど行かなくなってしまった。東北の田舎町にそんなものは無いというのも理由の一つだが、食べ放題の焼肉屋での支払いと普通の焼肉屋での支払額が、我が家ではほとんど変わらないということが理解できたことが大きい。　お父さんも今では普通にしか食べられないし、お母さんも娘2人も同じだ。頼りの息子は食べ放題に行くとなぜか食が細くなる。 　今のお父さんにとって、食べ放題の魅力は2つだ。一つ目は、同じ量や品を普通のレストランで食べた時よりも、食べ放題の方がお得である場合、もう一つが食べ放題というかビュッフェスタイルのレストランはいろいろなものが同時に食べられるというメリットを感じるときだ。 　一つ目の場合、例えば和牛カルビや厚切り牛タンというような、普通の焼肉屋では一人前2000円前後するような品を気軽に食べられる時に感じる魅力だ。普通の焼肉屋では注文しないか、注文しても1人前だけのメニューを気兼ねなく3人前とかで注文することができる。　つまりは、普通の焼肉屋で同じものを注文したときには支払いが高額になるだろうと思われる食事を一定額（それも事前に分かっている金額）で食べることができることに魅力を感じるのだ。そこに元を取るという気持ちはない。 　もう一つの例は、例えばイタリアンのビュッフェスタイルの食べ放題などに行くと、ピザやスパゲッティなどいろいろな種類を好きな量食べることができる。お父さんは食べることが好きなので、スパゲッティを1種類だけ選ぶというシチュエーションが好きではない。ミートソース、トマトソース、ナポリタン、ペペロンチーノ、ボンゴレなど食べたい種類は山ほどあるが、全部頼むことは食べる量を考えても、金銭的な問題を考えても不可能である。ところが食べ放題のビュッフェスタイルなら、量も調整できるしおかわりもできる。精神的に悩むことがない。お父さんにとっては最高のシチュエーションだ。　よってここにも元を取るという考えは存在していない。 　食べ放題というシステムができたころ、元を取るという考えがものすごく強かったが、いつのまにかそういう考えは無くなってきている。学生街のお店ならいまだにそういうお客さんは多いかもしれないが、令和の世の中では、食べ放題の方向が変わってきている気がする。元を取るという考えの人は少なくなっているのではないだろうか。 　そういえば、一点だけ気になることがある。日本では、食べ放題、特にビュッフェスタイルの場合、ホテルの朝食でもイタリアンレストランでも、しゃぶしゃぶの店でもなぜかカレーがあることが多い。　おなかを満たし、人気もあり、単価も安いというお店にとって実に理想的な食べ物がカレーなのかもしれないと思う。

  2024.05.22

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• 味と値段

  　味と値段は比例するのだろうか。これはお父さんが昔から悩んでいることである。今のお父さんの答えとしては、「比例するものとそうでないものがある」である。　　比例するものの例として、同じ食材であれば、比例することが多いとお父さんは思っている。例えば牛肉であるが、安い牛肉より高い牛肉のほうが美味しいと思う。すべての牛肉に当てはまるとは言えないが、高い肉はきれいにサシ（脂身）が入っていて、すき焼きにしてもステーキにしても軟らかくてジューシー、味も美味しいと感じる。少なくとも肉に臭みがないような気がする。高い肉は管理もしっかりされているのだと思う。 　魚介類も同じモノであれば、価格が高いモノの方が美味しいと思うことが多い。安いカニと高いカニでは身の入り方が全然異なるし、百円ずしのウニと高級な寿司屋のウニではまるで味が異なる。無論高いほうが圧倒的に美味しい。 　食べ物の値段は毎年需要と供給の関係で変化するので、今年はサンマが高いから美味しいということはないし、今年の玉ねぎは安いから美味しくないということもない。　つまり食材の値段は、希少価値や需要と供給の関係によって決まっている。 　サンマよりもイワシが安いのは、イワシがサンマよりも不味いわけでは無くて、イワシの方がサンマよりもたくさん獲れるうえに、需要がそれほどないから安くなるのだ。サンマも豊漁になれば一匹70円ぐらいで買えるのだが、最近は不漁続きで一匹300円になることも珍しくない。サンマ好きのお父さんとしては食べる機会が減って寂しい限りである。 　さて脱線してしまったが、サンマは高くても一匹300円ほどだ。これに対して鯛は一匹が大きいから一匹当たりの値段は当然鯛の方が高いのだが、同じ重さで比べてもタイの方が高いのが普通だ。タイは高級魚とされている魚である。　ではお父さんはどちらが美味しいと思うかと言うと、刺身でも焼き魚でも断然サンマが美味しいと思う。 　個人的な好みにもよるが、こういう例を考えると、値段と味は比例しないと言えるのではないだろうか。　高級食材として知られる世界三大珍味（トリュフ、フォアグラ、キャビア）が驚くほど美味しいというわけでは無いし、日本三大珍味のウニ、このわた、からすみなども非情に値段は高いのだが、驚くほどの美味しさではない。まあウニはお父さんの大好物ではあるのだが。 　安くて美味しいモノを求める人やその料理をB級グルメなどと言うが、美味しいモノは値段に関わらず美味しいし、高くても美味しくないものはいくらでもある。お父さんは安くて美味しいモノを食べる方が性に合っている。

  2024.05.21

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• お母さんの性格

  　お母さんは我が家の王様である。家事一般から子供の送迎まで頑張ってやっているので王様は言い過ぎかもしれないが、我が家で一番権力があるのは間違いない。なぜならお母さんの意見は絶対であるからだ。　ちなみにお父さんや子供達のお願いは、お母さんに却下されればそれで終わりである。 　お父さんが子供の頃、まだ亭主関白的な家庭が一般的と言うか、父親の権力が強かったころ、父親の意見が家庭内では絶対であるという雰囲気のマンガや小説は多かった。それからどんどんと女性の権利が世の中で認められるようになり、フェミニズムという考え方が一般的になるにつれて、父親と母親の権力は入れ替わりが起きてきたのではないかと思っている。 　お父さんもフェミニズムの思想を強く受けていると自分で思っている。自覚があるので普通にやっていけているが、そういう思想を受け入れる自分を意識しないで今のお母さんの対応を見たら、「ひどい」と思うのではないだろうか。　　まだ子供が生まれていなかったころは、夫婦二人だけなので、週末どこへ行こうとか、何を食べようとか何でも二人で話し合って決めていた。それに対してどちらかが拒否するということはなかった。 　子供が生まれてからは、子供が生活の中心になっていった。このころからお母さんが生活の主導権を握るようになる。何か計画していても、子供の調子がよくないなどを理由に、急なキャンセルも増えてきた。　子育てと言うのは、お父さんの想像した以上に大変であった。授乳やおむつの交換、風呂や着替えなどルーティンに組み込まれるモノ以外に、突然の発熱や食欲不振など主に体調の悪化による突発的な対応が想像以上だった。 　結果として、お母さんは旅行の計画などに消極的になっていった。子供の体調がいつどうなるかわからないのだから、計画していてキャンセルになると精神的にも金銭的にも負担がかかる。　元々外へ出るより、家の中にいる方が好きな性格だったお母さんは、この時期に完全にインドア派に転向した。 　子供が大きくなって、ある程度自分の事は自分でできるようになったし、今では末の娘も中学3年生だ。子供を家に残してお母さんと旅行に行ったとしても大きな問題ではない状況になっている。　お父さんが中学生の頃、お父さんの両親は年に数回、夫婦だけで旅行に行っていた。だからお父さんも、子供が大きくなったのだから夫婦で出かけようという話をするのだが、インドア派になったお母さんは、外出や旅行計画のほとんどを拒否するようになっている。ひどい時には、行きたければお父さん一人で行けばいいとまでいうようになっている。 　完全にインドア派で、すべての外出を拒否するわけでは無いが、お母さん以外の家族全員が、「行こう」と言っている案件ですら、お母さんは拒絶する。興味がないので嫌なのだという。そういうことを繰り返すうちに、子供達もお母さんに対する欲求を抑えるようになってしまった。　　お母さん自身は、人に迷惑をかけていないと信じての行動なようだが、実際に家族からの評価は「自分勝手」になってしまっている。　なぜなら、自分が興味があることなどは、家族に強制して外出したりすることが多々あるからだ。自分が行きたいイベントなどは、この日を空けておくようにと家族に命令し、出発時間の厳守や、それに合わせて事前の準備などを強制してくる。 　お父さんや子供達の要求を拒否している自覚はあまりないようで、自分の時だけ強制するのはおかしいという子供達の訴えは、「お母さんはそんなことしていない」の一言で済ましてしまう。わかっていて言っているのではなく、本当に自覚がないようなので、お父さんも対応のしようがない。 　これが普通と子供たちが思ったとき、将来自分が作った家庭で摩擦を起こすのではないかと心配している。家族でいる以上、学校のイベントなど強制的なスケジュール以外にも、それぞれの人間の欲求なども尊重して生活しなければ、家族といえどもまとまりが無くなってしまう。　子供達には、お母さんは少し普通とは違うと話をするときもあるのだが、娘も息子もかなり危ない状態になっている気がする。

  2024.05.18

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• 貯蓄と使い道

  　お金というのは現代社会では、なくてはならないものである。どんなに意地を張ったところで、お金のない生活をすることはできない。　実際にお父さんがどうして働いているかと聞かれたら、臆することなく「お金の為」と答えるだろう。家族と離れて海外出張を繰り返す生活など、お金がもらえなかったらやるつもりはない。 　さて、お父さんの収入は平均から比べたらやや高い方だと思う。子供を3人育てつつも、1馬力で何とか生活を支えている。家のローンも払いながらなのでなかなか貯金は出来ないのだが、破城しないレベルでは生活ができている。ある程度幸せな人生だとは思って感謝している。 　日本人の意識としては、お金は不測の事態が発生したり、将来の為に貯蓄をしておかなければならないと思っている。貯金ゼロのかつかつ生活を平常心でするのは、今のお父さんには難しいだろう。　だが海外でいろいろな人に出会うと、意外と貯蓄などしていないという人にであう。収入があるのだから、気にしないという人もいれば、実際に困った時は誰かに助けてもらうという感覚の人もいる。 　日本では計画性がないと言われるかもしれないが、親類にお金を持っている人がいれば、いざという時は助けてもらえるという人はアジアでは珍しくない。お金持ちは親族を援助するという不文律が存在しているのだ。ベトナムもそういう国の一つである。　うらやましいかはどうかは別にして、こういう援助する側の人が親族で権力を持ち、援助を受ける側はある程度従うのも常識のようである。 　お父さんもお母さんも、これから10年が子供に一番お金がかかる時期だと思っている。そのために月の給与はほとんど貯蓄できていないが、ボーナスはほとんど使わずに貯蓄に回している。子供達の学費を払いながら、これからは老後の貯蓄をしなければならないのだが、いったいどれだけの金額が必要なのか見当がつかない。　そのため現在は「貯められる金額を貯める」という感じで生活している。 　経済的な計画をきちんと立てている人から見れば、ざるともどんぶり勘定ともとれる雑な生活である。貯金は多い方がよいに決まっているが、どれだけあれば大丈夫なのかなど、実際に理解して貯蓄している人は少ないのではないだろうか。　あこがれの地に旅行に行くために100万円の貯蓄を目指しているとか、起業するために1000万円貯めるため頑張っているというのならともかく、生活を成り立たせるための貯蓄はどの金額が適当かは正確に把握できないのが普通ではないだろうか。 　ちなみに子供達の友人が、休みに家族でディズニーリゾートに行ってきたとかいう話を聞くと、連れて行ってあげたいとは思う。まあお金よりも休みを家族で合わせる方が我が家では大変なのだが、お金も問題である。もしディズニーのオフィシャルホテルに泊まって1泊2日でＴＤＬに行ったとしたら、新幹線代、宿泊費、食事、お土産などでざっと計算すると家族5人なので、少なく見積もっても40万円ぐらいは必要になる。　絶対に行かなくてはならないのならば、出せない金額ではない。だが、貯蓄から40万円使うことが今の経済状況に対して適当かどうかは判定できない。　　同じように、車の買い替えを考えることもあるのだが、今の生活スタイルを維持するならば、家族5人が乗れる車としてはミニバン1択だ。一般的なミニバンでなんだかんだ400万円、大型ならば550万円ほどかかる。　貯蓄を崩せば現金でもなんとかなる。ローンを組むことも可能だろうが、月々の支払が発生する。買えなくはないのだが、現在の経済状況に照らし合わせた時に、車の購入がやってよいモノかどうかの判断ができずにいる。 　結局どれだけの貯蓄が必要で、今後どれだけのお金が必要になるかを把握していないからこうなっているのだと思う。フィナンシャルプランナーなどに相談すればある程度見通しはつくのだろうが、お父さんの住む東北の田舎町に、そんなこじゃれた職業の人がいるとは聞いたことがない。せいぜい保険屋さんが保険の見直しをしてくれるぐらいだ。 　こうやって書いてみると、お金については実にだらしない生活をしている気になる。しかしながら、きちんと計画的に生活している人や世帯の方が実際は少ないのではないかと思っている。　上に書いたフィナンシャルプランナーのような人が、全国に当たり前にいて、生活スタイルに合わせて収入の目的別振り分け（使う分と貯める分）を当たり前にやってくれるようになれば、日本はもっと景気が良くなるとお父さんは思う。 　いくら貯めればよいのか、今の状態は余裕があるのかそれとも厳しいのかを教えてもらえないと、使ってよい金額がわからない。無駄に貯蓄している人も少なくないと思う。亡くなった時に、多くの現金遺産を残す人がいるのも使ってよい金額がわからずに使えなかった人なのかもしれない。 　お父さんの人生もすでに終盤というか後半に入っている。もう少し真剣に考えないといけないのだろうが、具体策が浮かばない。結局、今生活できているから少なくとも間違ってはいないと思うだけである。

  2024.05.17

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• 男親と息子

  　第2子が男の子だと知らされた時は、本当にうれしかったのを覚えている。第1子が女の子だったので、次は何とか男の子が欲しいと常に思っていたので、念願がかなったという気持ちだった。　父親として、息子とやってみたいことが山ほどあった。月並みなキャッチボールなどの遊び、釣りを教えたり、キャンプに行ったりと主に遊び方面での希望がたくさんあった。まだ赤ちゃんだったのに、子供用グローブを買ってきてお母さんにあきれられたぐらい、息子との交流に期待していた。 　お父さんの父親はお父さんが物心ついた時から仕事人間で、日曜日も仕事でほとんど家にいなかった。たまに日曜日に一緒に出掛けても会社に連れていかれて、会社の庭で遊んでいろと言われて放置されることがほとんどだった。兄弟がいなかったらやることがなかっただろう。　今考えるとあれは母親から子供の面倒を日曜日ぐらいは見ろと言われてやむなく会社に連れて行ったのだと思う。 　息子が成長してきて、話ができるようになるとお父さんの思いは爆発した。しかしながら息子は何かに夢中になるというのができない子供だった。長女ともキャッチボールなどはしていたが、うまくいかないとできるようになるまで繰り返す性格だった。　なので息子もそういうものだと思っていたのだが、息子は1回やってうまくできないとやりたくなくなる性格をしていた。 　キャッチボールでボールをうまく投げられなければ、トイレに行くと言って家に入ったまま出てこなくなる。家ではダメだと公園まで連れ出しても、大きい方が出ると言って家に帰ってしまう。もちろん戻っては来ない。　釣りに連れて行って、オモリだけつけて投げる練習をさせても、最初の数回でうまくいかないと言って座り込んでしまう。練習しなくてはうまくならないと言っても無駄だった。 　自転車の練習も、家の前の道路でやっていたが、数回転ぶとその場に寝たまま動かなくなる。お父さんが「もういい」と言うのを待っていた。スキーを初めて教えた時も、転んだまま立つのを拒否した。無視してその場に放置して、もう一回リフトに乗って息子のところまで戻ったら、横になって動かない子供を心配した別のスキーヤーに助けられていた。嫌になって寝ころんでいただけなのに、知らない人に助けられたせいで体が痛い演技をしていることに、腹が立った思い出がある。 　さらに成長すると、息子はなぜかマニュアル人間になってしまっていた。所属したミニバスでうまくプレーできないので、庭で練習させても「コーチはそんなことを言っていない」とお父さんの指導内容を否定して、できない練習を繰り返していた。ステップが1から5まであるとしたら、４や5の練習をいきなり始めるのである。1から順にというお父さんの教えは、コーチという権威の前では息子にとっては何の意味もなかったようである。 　釣りに連れて行っても、本で読んだ仕掛けや釣り方にこだわって、お父さんが釣れている仕掛けや釣り方を教えても、絶対に従うことはなかった。どうしてここまで親の言うことを信用しないのかと悩んだが、こういう性格なのだとあきらめるしかなかった。 　結局高校生になる今まで、息子とやりたいと思っていたことは一通りやってきたが、内容は思っていたようには一つもならなかった。すでに思春期に入り、親の干渉を嫌うようになってしまったので、これ以上は一緒に遊ぶということはできないだろう。　ちなみに息子は未だに親の言うことを信用せず、ネット情報や友達の話の方を信用している。この性格でいる限り、おそらく人生で苦労すると思うがどうにもできないでいる。 　お母さんには、夢見た息子との交流はほとんどダメだったねとからかわれている。そういうお母さんも娘とやりたかったことはほとんど思い通りになっていない。子供とはそういうものなのか、我が家が例外なのかはわからない。

  2024.05.16

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• 男親と娘

  　当たり前の話であるが、お父さんは男である。よって子供の頃は「息子」として親と接してきた。第1子が女の子と知った時に、お父さんが一番最初に思ったのは、娘とどうやって接すればよいのかわからないということだ。　お父さんには妹がいるが、兄として妹との接してきた方法が参考になるとは思えなかった。娘として生きた経験がないので、娘が父親とどう接していくのか全く想像ができなかった。 　長女が生まれて2年ぐらいは、性別はあまり関係なく、赤ちゃんとして接してきた。娘との関係ができ始めたのは娘が言葉を理解するようになり、意思の疎通ができるようになってからだ。　さすがにそれまでの世話の経験があるので、娘に対しておびえるというようなことはなかった。下に兄弟が2人も生まれたため、長女とは意識して遊ぶ機会を増やしていたこともあり、長女はかなり父親好きになったと思う。 　男親にとって、娘はかわいいとは聞いていたが、お父さんも完全に娘にはまってしまった。だが第2次成長期を迎えると、ここでまたお父さんの悩みが始まった。小学生ぐらいまでは可愛い娘として遊んでいればよかったのだが、中学生くらいからは女性としても扱わなくてはならないのではないかと悩んだ。 　一緒にお風呂に入ることもなくなり、自室にいる娘にわざわざ話をしに行くこともなくなってくる。娘との共通の話題が無くなってくる。結果としてますます娘との交流が減ってくる。お母さんにも何度か相談したのだが、適当でいいのではないかという実に適当なアドバイスしかもらえなかった。 　ちなみにお母さんとお母さんの父親との関係は、普段はお互いに一切干渉せず、何かあったとしても父親が一方的に娘になにかしてあげるという関係である。お母さんの実家に行っても、父親の寡黙な性格もあるのだが、お母さんと父親が仲良く話している場面をほとんど見たことがない。お母さんはそういう父と娘の関係でよいのだというが、お父さんとしてはもう少し娘と仲良く話したり遊んだりしたいのだ。 　困ったことにお父さんもいい具合にオヤジになり、世間一般で言うオヤジ化してきている。テレビドラマのようなカッコイイオヤジになることは難しいだろう。　さらに昨今では親子関係の間にも人権というかポリコレ的な制約が社会通念として形成されている気がする。 　最近は長女と共通の話題がなくて、帰省されても会話が弾まなくなってしまった。代わりに次女が末っ子丸出しで、無邪気にお父さんに話しかけてくるので、次女との会話やお出かけは多い。　次女曰く、お父さんと遊んでいるとお姉ちゃんににらまれると言っているが、長女もお父さんとの距離感が上手く作れていないのかもしれない。 　少し深刻な雰囲気で書いてしまったが、娘と父親が楽しくお互いに話ができる関係を自然に作れる人はいいなあと思う。お父さんは考えて努力しないとできないような気がする。最初に書いたように、娘として生きた経験がないので、娘が何を考え何を望んでいるかは試行錯誤で理解していくしかない。

  2024.05.15

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• なんでもいい、どっちでもいい禁止

  　先日子供達の対応があまりにも適当だったので、お父さんとしてこのままでは子供達の人生によろしくないと考えて、あることを強制することにした。　それは、「どっちでもいい」とか「なんでもいい」という返事を家庭内では禁止するというものだ。 　何かを尋ねられたときに、この「どっちでもいい」とか「なんでもいい」という返答をする日本人はとても多い。もちろんお父さんもそういう返事をすることは多々ある。あまり人の事は言えないのだが、仕事などに対してはこの言葉を使わないように意識している。 　「どっちでもいい」とか「なんでもいい」は、日本語ではとても便利な言葉である。何か食べたいものがあるかと言われて、「なんでもいい」と答える人は多いだろう。逆にこの言葉を使ったことがないという人はいないのではないだろうか。　しかしながらこの言葉は、考えることを放棄し、相手にすべてを押し付ける言葉である。決して相手に対して敬意を表して、そちらの意見に従いますという言葉ではない。 　その証拠に、「なんでもいい」という返答をしても、「じゃあこれにします」と言われると、「えー！」とか「それはちょっといやだ」と言う返答をする人が多々いる。つまり「なんでもいい」と言いつつも、相手に主導権を渡しているわけでは無いのだ。　極端な言い方をすると「私が納得のいく答えを考えてだせ」と言っているのと変わらない。 　我が家でも、外食しようとする時などにこのやり取りはよく行われる。父「外食するけど食べたいものはあるか？」、子供達「なんでもいいよ」、父「じゃあ焼肉にいくか」、子供１「焼肉はいやだ」、父「じゃあ回転すしにするか」、子供２「寿司の気分じゃない」、子供３「うどんが食べたい」、子供２「うどんは嫌だ」。　上記のようなやり取りがしょっちゅう行われている。どこの家庭でもあるのではないかと思うが、どうだろうか。 　上記のようなたいして重要でない案件では、お父さんの気分が悪くなる以外にあまり被害はないのだが、これが仕事になるとそういう訳にはいかない。「なんでもいい」と言う人は、仕事においては「無能」とお父さんは意識するようになる。無能とまではいかなくても「やる気がない」として評価する。　もちろん、「なんでもいい」と言った後に、決定に対して文句をいう人間は最低の評価になる。「自分が決めたわけでは無いから、協力も気分次第だし、責任も取らない」といった態度や発言が出れば、もうそれは決定的に低評価になる。 　我が家の子供達も、家族と言う「甘え」があるのだろうが、もうそれなりに自分の言動に責任をもたなくてはならない年齢になっている。自分で考え、決断して行動するという一連の流れを訓練していかなければならない。　人に任せて主体性をもたないということは、楽ではある。そして相手を見下している場合は、実に悪質だとお父さんは思っている。 　お父さんは自分の子供達にそういう人間にはなってほしくないので、理由をきちんと説明したうえで、「どっちでもいい」とか「なんでもいい」と言うのを禁止した。　きちんと意思表示をする、きちんと自分の事として考えることができるようになってほしいと思っている。 

  2024.05.14

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• 草食動物の不思議

  　現在お父さんはゆるゆるのダイエットをしている。糖質をなるべく取らないという厳格な規制のないダイエットである。それでもそれなりに効果は出ている。このまま痩せて行ってくれればよいのだが、停滞したときに耐えられるかが一つ目の勝負所だろう。 　糖質を取らないということは、基本的に炭水化物や糖分を取らないということになる。必然的に肉や魚などのタンパク質とイモなどを除く野菜になる。なれると意外に炭水化物がなくても何とかなるものである。調味料で使う砂糖には目をつぶっているが、効果が出ているうちはそれでいいと思っている。 　さて先日牛肉を食べていてふと思ったのだが、牛と言うのは草食動物である。草食動物は草を食べて生きている。人間が草というか葉物野菜だけを食べて生きていこうとしたら、遠からず体を壊すことになると思う。それなのに牛はこんなに立派な肉（筋肉）と脂肪を浸けている。どうやったら草からこんなに立派な肉を作ることができるのかと疑問に思った。 　牛の骨格標本を見たことがあるが、骨もかなり立派で太い。人間よりはるかに重い体を支えているのだから、骨も太くて当たり前であるが、主成分であるカルシウムがそんなにたくさん草にあるのか不思議に思った。　お父さんは野菜を家庭菜園で育てているが、野菜の主な肥料は窒素(N)とリン酸(P)とカリウム(K)である。毎年春に石灰（カルシウム）を多少撒くのだが、牛の骨を作れるほどのカルシウムには全く足りないと思う。 　牛乳も人間にとっては重要なカルシウム源であるが、毎日草を食べているだけで牛乳にどうやってカルシウムがでてくるのか本当に不思議である。専門的にきちんと調べれば、理屈はもちろん書いてあるのだろうが、そこまでして調べる気はない。おそらく草の中にもカルシウムはふくまれているのだろうし、ヤギなどが岸壁で石などを舐めるという話も聞くので、カルシウムを取る方法はそれぞれだろう。タンパク質も豆類を食べれば何とかなるとは思う。 　それでも無知なお父さんからすると、草が肉や骨になるというのはやはりピンとこないものである。人間も草だけで生きていけたら食事も楽になると思うが、ベジタリアンとかビーガンがあまり健康的とは思えない。彼らの方が長生きするという統計的なデータも見たことがない。おそらくデータをきちんととれば、ベジタリアンやビーガンは普通の人に比べて短命だと思う。

  2024.04.29

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• 外食とカロリー

  　人間は食事をしないと生きていけない。当たり前の事である。なので当然おなかがすくし、おなかがすけば何かを食べなければならない。食事にあまり興味のないお母さんのような人は、何か適当に食べれば満足するようなのだが、食事にそれなりに興味がある、つまりできる限り美味しいモノを食べたいと思っているお父さんにとって、何を食べるかはかなり大事な問題である。さらに言うと、今は糖尿病のせいで暴飲暴食ができない。暴飲暴食と言うよりも、カロリーや糖分を控えなければならない状態だ。 　幸いなことに、まだ軽い薬で治療が間に合っていて、インシュリンを無理やり出したり直接注射をするような治療はしていない。そのため低血糖になる心配もない状態ではあるのだが血糖値管理は重要である。　よって限られたカロリーを何を食べて埋めるのかでよく悩んでいる。 　自宅の食事やお弁当は、お母さんが作ってくれるので文句はない。なんだかんだ言いつつもお母さんの味に一番慣れているので、自宅の食事が一番落ち着くからだ。リクエストにもそれなりに応えてくれるし、今は子供のリクエスト優先だが母親とはそんなものだと思っている。 　問題になるのは外食したときである。外食とは基本的に高カロリーなモノが多い。その分見た目も味も家庭では味わえないモノをお父さんとしては求めることになる。普段生き慣れている店ならば、味も量も大体把握しているので文句はないのだが、出張先などで初めて入る店は、どのような味なのか全くわからない状態で席に着く。 　お父さんは外食の時は、それほどカロリーや糖分を気にしないことにしている。瞬間的なものだし、会食などで「食べない」という行為で相手を困らせたり場の雰囲気を壊したくないのが主な理由だが、お父さんが「美味しいモノを食べたい」という欲求も少なからず影響している。 　さて、メニューから食べるものを厳選して選んだ後に、実際にそれを食べて「美味しい」と思えればそれで満足なのだが、「美味しくない」と思ったときが問題だ。基本的にカロリーを控えなくてはならないのに、美味しくないものでカロリーを摂取するというのは、お父さんにとって苦痛でしかない。本当なら残してもよいのだが、「食べ残しはNG」と子供の頃から言われてきた年代のお父さんは、残すという行為も苦痛を伴う。 　したがって基本的には食べきるようにしているのだが、美味しくないものでお金まで支払ってカロリーを摂取するのは本当に嫌なものである。先日お母さんと出かけた先で外食をした。ざるそばを食べただけなのだが、今まで外食で食べたそばの中でトップクラスのまずさだった。「美味しくない」ではなく、はっきりと「不味い」と言える味と食感であった。 　不可能なのは理解しているが、美味しくないモノを食べるときにはカロリーを無しにしてもらえないかと本当に思っている。

  2024.04.25

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• ペットボトルのお茶

  　最近茶葉を使って急須でお茶を入れることがほとんどなくなってしまった。お茶と言えばペットボトルのお茶になってしまったからだ。本当にお茶のペットボトルは日本人には欠かせない飲み物になったと思う。　お母さんがたまに入れてくれるお茶以外は、お父さんも9割がたお茶と言えばペットボトルのお茶を飲んでいる。 　毎回お母さんが淹れてくれたお茶を飲むと思うのだが、ペットボトルのお茶とはまるで違う。飲む前の香りも飲んだ時の味や渋みもペットボトルのお茶にはないモノである。そういう意味では、ペットボトルのお茶と急須で入れたお茶は別の飲み物だと思う。ペットボトルのお茶は「お茶飲料」である。 　ＣＭなどで、目隠しで本物のお茶と勘違いする人の映像が流れるが、少なくとも温かいお茶で間違える人はいないのではないかと思いながら見ている。　今でこそ冷たい緑茶が普通に受け入れられるようになったが、お父さんが子供の頃は、お茶と言えば温かいモノだけだった。 　お茶の飲料が最初に出たのは、サントリーの烏龍茶だと思う。日本人になじみが薄いお茶だからこそ、それなりに受け入れられたのだろう。緑茶だったら、味の違いというか、味のひどさに売れることはなかったのではないだろうか。　緑茶のペットボトルもいつから受け入れられたのか覚えていないが、初めて飲んだ時は「お茶じゃない」と思った気がする。 　同じことがコーヒーにも紅茶にも言える。缶コーヒーはお父さんが子供の頃から存在した。コーヒーの香りがするミルクと砂糖たっぷりの甘いコーヒーだ。甘さが美味しくて、お父さんも子供の頃から大好きだった。　しかしながらブラック（無糖）コーヒーが販売され、受け入れられたのはごく最近の事である。販売初期のブラックコーヒーは薄くてとても飲めるようなものではなかった。 　その後企業努力が実って、ブラックコーヒーは普通に売れるようになったし、お父さんもよく買うようになった。それでもホットにしてもアイスにしても、飲料として販売しているブラックコーヒーは、家で入れるコーヒーとは香りも味も足りない。インスタントコーヒーにも負けている。　これもまた、コーヒーとコーヒー飲料として分けて考えるべきものなのだと思う。紅茶の無糖も同じくである。ただ紅茶は香料を強めに入れることができるのか、香りだけは家で入れる紅茶よりも強いモノがある。 　企業はこれからも努力を続けていくので、10年後のお茶やコーヒーのペットボトルは、今よりも美味しくはなることだろう。ただ最近はコンビニで挽きたてのコーヒーを安く飲めるようになっている。味も香りも断然こちらの方が上なので、ドライブに出かけるときなどは、コンビニでお茶のペットボトルの他に、ホットコーヒーを購入することが多くなった。やはりどんな種類のお茶でも淹れたてが一番おいしいのは変わらない。

  2024.04.17

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• 批判してはいけない人

  　世の中には、人の不幸をもてあそんだり、人を批判することで生計を立てている人がいる。ゴシップ記事を得意とする週刊誌などは、まさにその中心的な存在だと言える。よくもそれだけ調べるものだと感心するくらい、有名人の恋愛や浮気などを紙面に載せている。 　最近では、週刊文春が文春砲などと言われるゴシップ記事で有名になっている。週刊文春に限らず、週刊誌の記事によって人生が破城した有名人は枚挙にいとまがない。お父さんが若いころなど、芸能人の浮気を含めた恋愛の記事などで身を亡ぼすようなことになった人はあまりいないと思うのだが、最近の倫理的、道徳的に悪いことをした人は世間から追放するという風潮によって、大惨事になるようになってきている。 　反社組織との付き合いがあったという芸能人が、次々とテレビから消えていく様を見ていると、日本もひどい国になったと思う。積極的に関与していたのならともかく、呼ばれたパーティーが反社だったことで、追放されるのは行き過ぎだと思う。初犯ならせいぜい1か月も謹慎すればよいのではと思うのはお父さんだけだろうか。 　さてその一方で、批判してはいけない人というのが日本には存在している。皇室はその代表である。右翼組織が怖いとかいろいろあるとは思うが、皇室批判は日本ではタブーである。お父さんはそのことに不平は感じない。生まれた時から皇室の一員としての行動を強制させれられている人達に、これ以上の批判はするべきではないと思う。　さらにイギリス王室のゴシップ報道などを見ていると、日本の皇室はあんな風になってほしくないと心から思う。 　皇室以外で批判してはいけない人と言うのも一定数存在している。今だと大谷翔平が最もわかりやすい例だろう。国民からの圧倒的な人気を覆すほどのスキャンダルが確定しない限りは、大谷翔平を悪く書く記事は国民が許さないだろう。　通訳のギャンブルでかなり騒がれてはいるが、基本的に大谷はただの被害者という報道ばかりである。これが大谷ではなく他のメジャーリーガーやプロ野球選手であれば、好意的な報道ばかりとはいかなかっただろうと思う。 　マスコミも利益のために動いているので、国民を敵に回すような記事は書かない。言論の自由とか、社会の不正をただすとかお題目は唱えていても、自分たちが損をするようなことはしないのだ。　その代わり、相手がつまづいて人気が下がった時は、一気に叩き落す準備は着々としているのではないかと思っている。 　今ではマスコミだけでなく、一般人がスマホというカメラを持ち歩き、ＳＮＳという世間に拡散する道具を持っているので、有名人は本当に生きていくのが大変な時代になっていると思う。　ちょっとした言動で、地面に叩きつけられるような目に合わないように、彼らは今後も行動していかなければならない。

  2024.04.15

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• 台湾の地震報道に思うこと

  　台湾で震災級の地震が発生した。お父さんは仕事でも台湾に行くし、今回の地震が発生した地域には大学時代に台湾人留学生に案内してもらって訪れたことがある。花蓮県の太魯閣というのは、断崖の渓谷に道路ができていて、景色もすごいが恐怖感を感じるほどの断崖であった。お父さんが訪れた1週間ほど前にもバスが誤って転落して数十名が死亡した事故が発生していた。　もともと台湾東部は地震が多く、お父さんが訪れた時には日本の東京大学の教授が、台湾東部で大地震が発生すると発表したとかで（日本では誰も知らない話）、台湾人の観光客も台湾東部に行かないという時期だった。 　今回の地震でかなり落石が発生した映像が流れているが、台湾東部は基本的に山と言うより岩が切り立ったようになっていて、お父さんが訪れた太魯閣も山肌は岩になっていて、触るとポロポロと崩れるぐらいにもろかった。　ちなみに観光用の歩道が崩れて通行止めになっていたことも今回の地震で思い出した。がけ崩れで通行止めの表示が出ているのではなく、がけ崩れでどうやっても先へ進めない状態になっていた。 　さて前置きが長くなったが、震度６以上の地震でビルの倒壊などかなり被害を受けていることがわかるが、マスコミの報道では行政の対応が迅速で「すばらしい」ともてはやされている。能登半島の地震と比べることで、日本の行政の対応の遅さを卑下しているが、相変わらずのマスコミ報道だと感じた。 　きれいな避難所だけを取材して、対応が迅速と報道することが果たして良いことなのだろうか。実際に台湾は大地震などの災害発生時にある程度の準備をしていたことだろう。それが上手く言った部分ももちろんあると思う。そういうところは素直にほめるべきである。ただそれを、対応が遅れている地域をピックアップして日本と比較することに、意味があるとは思えない。 　傾いたビルを余震で崩れる前に撤去したことも称賛されているが、日本ではビルのオーナーや各部屋の借主の許可を得なければ、勝手に撤去することなどできない。個人の権利を無視することができる法律がなくてはどうにもならないのが現実だ。だから能登半島地震で傾いたビルも、これ以上倒れないような処置をするだけになってしまう。勝手に壊して後で中の財産の弁済を求められれば、おそらく裁判で負けてしまう法律になっているはずだ。国や県が勝手に取り壊してＯＫならば、輪島の朝市がある地域の燃え跡など、一気にブルドーザーで整地してしまえるだろう。 　さらに、取り壊し費用をだれが払うのかを決めずに取り壊しをするわけにもいかない。自衛隊や行政機関が作業するのではなく、民間の業者に依頼するのだから見積り→発注→支払いが発生する。他人の財産（建物）を行政が勝手に壊して撤去することは、日本の法律では許されていない。緊急時でも法律が優先するのが日本のすごさでもあり、欠点でもある。　命がかかる場合には、緊急措置も後から許されるだろうが、緊急事態化を判断するのも本来は法律で決まる。 　お母さんはマスコミ報道を視て、「台湾の災害対応は素晴らしい」と言っていたが、お父さんは、マスコミの恣意的な報道に流されているようにしか見えない。他国を称えることは悪いことではないが、意図的に良い部分だけを報道するのはどうかと思う。

  2024.04.14

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• 高齢者の精神

  　何度も書いていることだが、お父さんの父親は現在83歳になっている。さすがに人間80歳を越えるといろいろと不具合が出てくる。お父さんも自分が長生きすればこのようになるのだろうと思いながら見ているが、自分が父親と同じように老化した姿を思うと少し怖くなる。 　よく言われるように、父親も最近の事は記憶から消えて、昔の話をすることが多い。同じ話を何度もしてくるのはずいぶん前からだが、父親が子供の頃の話や若い頃の話が圧倒的に増えている。　そして自分が若い頃に比べて、お前たちはダメだという話になることが多い。 　善意に解釈すれば、人生で得た教訓や経験を子供達に残していきたいようにも見える。子供の幸せを願ってあえて苦言を呈しているのかもしれない。　だが最近お父さんは、ひょっとしたら別の思いもあるのではと思い始めた。 　例外はあるかもしれないが、80歳を越えて新しいことを成し遂げることはかなり難しい。すでに気力も体力も少なくなり、現役を退いて10年以上が経っている。やりたいことや成りたい職業があったとしても、今からではと考えることがほとんどだろうと思う。　そうしたときに、人間は「過去の自分の人生を至高のモノにしよう」と考えるのかもしれない。 　意識してやっているわけでは無いと思うが、まだ父親が若い頃に「失敗談」として聞いた話が、いつのまにか「それがあったからこそ成功した」という「成功談」に切り替わっていることが多くなってきた。内容も昔聞いた話から脚色され、以下に自分が優れた判断と行動をしてきたかという自慢話が多くなっている。未来を変えるのをあきらめると、過去を美化するように意識が変化するのかもしれない。 　人間は自分に価値がないと思うと生きるのがつらくなる生き物だと思うので、こういう意識の変化が起こることは不思議ではないだろう。人によっては家族にわがままを言い、それがかなえられることによって「自分もまだ権力を持っている」と思いたいのではと、同じように高齢の親を持つ同僚が言っていたが、それも一理あるだろう。 　ただ父親の話を聞いていて、自分が親の古い価値観に従わず自分で判断してきたからよかったとか、先輩や上司の古い考えに苦労したという話が出てくると、「あなたが今まさにそれをやっているのでは」と言いたくなって仕方がない。まあ言ったところで「自分の場合は違う」と言われるだけだろし、認めれば「自分が老害として扱われている」と落ち込んでしまうので、この先も言うことはないだろうが。 　長生きを願う人は多く、お父さんもその一人であるが、長生きすることが必ずしも幸せとは限らないと最近はときどき思うようになってきている。

  2024.04.12

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• スパゲッティとフォーク

  　お父さんは昔からスパゲッティが大好きである。一人暮らしをしていた時は、3人前ぐらいを茹でて1食で食べていた。昔は缶詰のソースを使っていたが、最近はレトルトで美味しいモノがたくさんあるようである。　ネット通販で何回か美味しそうなものを買ったが、お父さんが食べる前に子供達に消費されてしまうので、最近では購入することは無くなった。その代わり、ベトナムにいるときに、日本から送ってもらったレトルトソースでスパゲッティを食べることがたまにある。外食でスパゲッティを食べるのも美味しいが、1人前では満足できないので、がっつり食べるには自炊が一番である。 　泊りで出張に行ったときなど、一人で外食するのも面倒な時は、コンビニでお弁当を買って食べるのだが、スパゲッティとおにぎりという組み合わせもよくある。炭水化物だらけで健康にはあまりよろしくないのだが、精神的には好きなモノの組み合わせなのでとても満足できる。 　さて、コンビニでスパゲッティを購入すると、プラスチックのフォークを入れてくれる。しかしながら、お父さんはスパゲッティをフォークで食べることがあまり好きではない。外食で食べるときは、さすがに周りの目もあるのでフォークで食べているが、自宅や出張先のホテルで食べるときは、箸を使っている。 　フォークで食べるより断然食べやすいし、一口の調整も箸の方が便利である。ましてや具がころころと入っているスパゲッティを食べるときには、フォークで麺と具を一緒に掴むことは不可能に近い。それが箸なら簡単にできる。　なので、コンビニでスパゲッティを購入するときもフォークではなく箸を入れてくれとお願いしている。たまに忘れてフォークしか入っていないと、やってしまったと思うくらいにフォークは食べずらい。 　そもそも麺料理は中国文化の影響を受けている地域、要はアジアに多い。そしてその地域は基本的に箸で食べる文化を持っている。マレーシアなどの中華系でない人種がスプーンとフォークで食べているのを見るほかは、ほとんどの地域で麺料理は箸で食べている。無論ベトナムも箸を使う。 　お父さんに言わせれば、フォークで食べるイタリア料理のスパゲッティが例外なだけである。そしてフォークでスパゲッティを食べると、麺がなくなった後のさらに具がころころと残っている。お父さんが食べるのが下手というわけでは無いと思う。 　ＴＰＯというのがあるので、イタリアンレストランで「箸をください」とは言わないが、麺料理は箸で食べる方が、食べやすいというお父さんの思いは変わらない。

  2024.04.06

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• 赤信号で待つのは合理的なのか

  　深夜の車通りが全くない交差点で、歩行者が信号が青に変わるのを待っている。日本では普通にみられる光景である。ところが外国人がこの光景を見ると、ルールを守っていることに感心しつつも、不合理であると感じるようだ。 　お父さんはこれまでも、どうして100％問題がない状態でも日本人は信号を守ろうとするのかと聞かれたことがある。　「ルールだから」としか回答のしようがないのだが、よくよく考えれば確かに不合理であることには変わりない。 　日本でも地方に行くと、夜間は点滅信号になる交差点は多い。しかしながら歩行者用信号は赤になっている。歩行者に関しては、常に信号が青の時にしか道路を横断することを許さないというのが、日本のルールなのだろう。 　ちなみにお父さんが住んでいる家の周囲には小学校と中学校があり、どちらも正門前に信号付きの横断歩道がある。小中学生は、登下校時に押しボタン式の信号を使って道路を渡っている。実に日本らしい、日本でよく見かける光景である。　ただお父さんは、夜などに同じ横断歩道を渡るときには、あえて信号無視をする形で、横断歩道ではないところを横切っている。横断歩道を避けるのは、赤信号で横断歩道を渡るよりは、横断歩道がないところを渡った方が、ルール違反をしているという罪悪感が少ないためだ。 　どうしてこんなことをしているかと言うと、お父さんが来るまでこの横断歩道を通りかかったときに、たった1人が渡るのを待つために1分弱の停止を強いられるのが嫌だからだ。　ルール上は確かに押しボタンを押して、信号が青になるまで待つのが正しいのだろう。だが、それによって自分が5秒ぐらいで渡るために、車が1分弱停止することになる。それが自分もドライバーになる身として、「申し訳ない」と思ってしまうのだ。 　まじめに考えると、どちらが合理的であるのかとても難しい問題に思える。

  2024.04.04

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• フールプルーフ

  　フールプルーフとは直訳するとバカ（fool）の証明（proof）となるが、実際の日本語訳は「ポカヨケ」が一番しっくりくるだろうか。エンジニアや医療の世界でよく使われる言葉であるが、要はミスや事故を事前に防ぐ仕組み、ミスが起こらないようにする仕組みのことをポカヨケと呼んでいる。 　身近な例で言うと、動いている洗濯機に巻き込まれないように、ふたを開けると停止するとかフタが開いていると回らないとかいうものである。手順をきちんと踏まないと始動しなかったり、状況が変化すると止まる仕組みで、こういう場合はインターロックとも言う。 　先日芝に芝専用でない普通の除草剤を撒いてしまったお父さんは、いまだに気持ち美整理がついていない。ポカヨケのようなものがどうしてないのだろうとも思ってしまい今回フールプルーフについて書いてみようと思った。 　人間はミスをする生き物である。毎日やっている同じことであっても、一瞬の油断などでミスは発生する。茶碗やコップをうっかり割ってしまうなど典型的な例ではないだろうか。では茶碗を落としたくても落とせないような仕組みを作るとなれば、フールプルーフが完成するのだが、今のところこの事象に対する有効なフールプルーフは存在しない。次善の策として、茶碗やコップを割れない素材（樹脂など）で作ることで、落としても割れない状態を作ることはできる。これはフェイルセーフと呼ばれる考えで、ミスをしても安全を守れる状態にすることである。 　フールプルーフは意識しないうちにどんどん世の中に広がっている。自動車に装備されている自動ブレーキなどもその一つであるし、ブレーキを踏まないとエンジンがかからないというシステムもその一つだ。　IHのクッキングヒーターは、上に鍋などがのっていないとスイッチが切れる。世の中は安全な方向にどんどん動いている。　これは製造者の責任が常に問われる世の中になっているからである。少しでもクレームや事故があれば、メーカーは安全な方向に製品をリニューアルしていく。 　本来は安全になるので、良いことなのだが、安全に偏りすぎて最近は逆に不便を感じるようになってきている。　産業用機械などは、一般機器よりも早く安全対策が施されてきたが、その結果として機械の調整など社内でできて作業がほとんどできなくなっている。ちょっとした修理もすべてメーカーを呼んで対応しなくてはならないのだが、メーカーはメーカーで人手不足ですぐに対応することができない。結果として機械が修理まで長い期間止まることになる。 　安全であるということは大事なことであり、コストをかけてもやらなくてはならないが、不便を強いられることも理解しておかなくてはならない。今後も安全対策が施された製品は世の中にあふれてくるだろうが、そのたびごとに使い勝手が悪くなる可能性は高い。

  2024.04.03

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• ちょっとしたことができない人

  　人間はちょっとしたことを当たり前にする人と、まるでできない人がいる。ただし、性格によるものというよりは、環境によるものも大きいかもしれない。会社や学校ではできても、家ではできないということも普通にある。　何について書いているかと言うと、片付けや整理整頓のような日常のちょっとした動作の話である。 　家のトイレにしろ、会社や学校のトイレにしろ、補充用のトイレットペーパーが目の前にあるのに、使い終わったトイレットペーパーの芯がそのままになっていて不快な思いをしたことがある人は多いと思う。1巻き分（10センチ以下）ぐらいをわざと残してあることも多々ある。そして、不快な思いの経験だけでなく、自分がそれをやる側になった経験を持つ人も多いのではないだろうか。お父さんはどちらも経験している。 　我が家はお父さんを含めて5人家族である。そして我が家はお世辞にも常にきれいにしている家とは言えない。急な来客をすぐに家に上げることができないレベルである。あらかじめ来客がわかっていればきれいにすることができるレベルではあるが、お父さんもお母さんもそこまできちんとすることができないので、自然と子供達も同様に育ってしまっている。 　自分がしたことは許せても、人が同じことをすると許せないのが人間という生き物である。お父さんは自宅でよく、イラつく思いをしている。　上に書いたトイレットペーパーについても、我が家でお父さんはよく体験している。便座に座りながら交換できる場所にストックが置いてあるにも関わらず、しょっちゅうペーパーの交換をしている。ひどい時だと、交換はしてあるのだが、ゴミ箱に捨てるべき取りトイレットペーパーの芯がトイレに置きっぱなしになっている。 　洗面所に行けば、ヘアブラシがブラシ立ではなく、洗面台に平置きされている。使ったあとブラシ立に戻すのと、洗面台に置くのと労力に違いがあるとは思えないのだが、ブラシ立に戻すのはいつもお父さんの仕事になっている。　共用で使っている歯磨き粉も、置き場があるにも関わらず、洗面台に適当に置きっぱなしになっている。ブラシや歯磨き粉に関してはお父さんには理解ができないレベルの単純なことである。 　他にも例を上げれば、いくつもある。息子は風呂に入る前に、なぜか靴下だけリビングに脱ぎ捨てていく。他の服は脱衣所の洗濯機に入れながら脱ぐのに、靴下だけリビングで脱いで置いていくのだ。正直何がしたいのか理解ができない。　同じく息子は、帰宅して弁当箱をシンクに持ってくることができない。なぜか2階の部屋まで持っていく。お父さんは帰宅してすぐに弁当箱をシンクに出すのが日課になっているが、息子は2階の部屋までわざわざ持っていき、出し忘れてお母さんに毎日怒られている。 　次女は文房具を出してきては置きっぱなしにして、また新しいモノを出してくる。百円ショップで買えるので、はさみやホチキスなど我が家にはずいぶんある。一度整理して廃棄したが、最近またはさみが増えている。爪切りも同じだ。百円ショップのおかげで便利ではあるが、小物が無駄に増える傾向にある。　使ったあと、ちょっと立ち上がって元の位置に戻す、時間にして10秒もかからないことができない。 　ただこんな話を家族にすると、「おとうさんだって」という話が出てくる。みんなお互いに嫌な思いをしているのである。だから直そうという話をするのだが、一向に改善される気配はない。　昨日も風呂に入ったら、またシャンプーがなくなったまま放置されていた。補充をするのはいつもお父さんである。ボディーソープもコンディショナー（リンスと言うと家族に訂正される）もである。わざわざ中が見える透明なポンプに変えても、結果は変わらなかった。 　長女はすでに家を出ているし、息子も次女もあと数年だ。おそらくこのまま家を出ていくことになるだろう。恥をかかなければよいと思うが、まあ無理だろう。

  2024.04.01

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• 思い込みの影響

  　人間の想像力というのはすごいモノである。想像力と言ってもいろいろあるが、今回は「思い込み」に関することについて書いてみようと思う。　　お父さんはタバコを吸うのだが、息子が世間一般の常識である「タバコは体に悪い」「世の中の悪」というのを当然のモノとして受け入れた結果、タバコのニオイへの拒否反応が年々ひどくなってきている。　タバコのニオイどころか、タバコの煙を見ただけで気持ちが悪くなるようだ。こうなると完全に弊害の方が多い。タバコを吸う心配がないと安心していたが、行き過ぎである。 　もちろん生まれた時からそうだったわけでは無い。テレビなのか友人との会話からなのか「タバコ＝最低最悪のモノ」という認識が強まり、それに触れるどころか見るだけで体調にまで影響するようになってしまった。　通常の紙タバコのニオイが嫌だというレベルではない。電子タバコのニオイもダメである。フルーツのような甘い香りしかしない電子タバコでも、タバコと認識した瞬間から気持ちが悪くなるようだ。ここまでくると一種の精神障害と言ってもよいのではないかと思う。 　10年以上前だが、「抗菌グッズ」というのが日本で流行ったことがある。その当時は、ドアノブを触りたくないとか、公衆トイレや共同トイレを使えないとかいう人がたくさんいた。自宅以外のすべてのモノに触りたくないとか、とにかく手を洗いまくるとか、聞いていて頭がおかしいのではないかと思う人が、世の中に存在したのだ。 　世の中には抗菌ペンとか抗菌箸とか抗菌シャツとかとにかく抗菌と名のついたものがあふれかえった。この時代に「菌」が気になっていた人は、まさに「菌は悪」という思い込みが異常に高くなってしまった人達だろう。　ある程度常識がある人であれば、「菌」というものから逃れる方法などないということを理解していると思うのだが、「異常な潔癖症」の人たちは自分の体の内にも外にも山ほど菌がついているということを認識できない人種なのだと思う。 　手を洗おうと、アルコール殺菌をしようと「菌」をゼロにすることなどできない。ただ本人が納得するかどうかの話だけである。菌の有無ではなく、殺菌（アルコールで拭くなど）をしたかどうかで精神状態が変わるだけであり、極めて非科学的である。 　ただし、この手の思い込みは馬鹿にできない。気分を悪くしたり、恐怖症になったりと体調や精神に異常をきたすからである。息子に「思い込みは危険だからやめなさい」と言っても理解ができないようだ。実際に気分が悪くなるのだから「思い込み」ではなく「体質」だと信じて疑わない。 　ちなみに「思い込み」が肉体に影響を与えることは、誰にでもあることである。例えば、東南アジアなど日本より衛生観念が低い国に旅行した人がよく経験するのだが、美味しい食事を楽しんだ後に、厨房の汚さや食器をどろどろのため水で洗っている様子を目撃してしまい、一気に気持ち悪くなるということはよくあることである。精神が弱い人だとそのまま嘔吐してしまう。厨房など見なければ、「美味しかった」で終わっていたのに、見てしまったために起こる悲劇である。「汚いモノを食べてしまった」という思い込みが嘔吐にまでいってしまうのである。 　お父さんも飼い犬のフンのニオイを嗅ぐと「オエッ」なる。だがこれもおそらく「フンのにおい＝臭い」という思い込みからだろうと思っている。人間よりも嗅覚が何万倍も鋭いと言われる犬は、自分のフンに限らず、散歩に行けば他の犬のフンのニオイも普通にかいでいる。犬にとってみれば、「フンのにおい」であるだけで、「臭い」「汚い」という思い込みが一切ないからだと思う。 　お父さんは子供が小さい頃、おしっこをしたおむつは普通に交換していたが、うんこをしたときのおむつ替えは本当に苦手だった。お母さんに文句を言われながらも、ほとんどお母さんにやってもらっていた。お父さんは「オエッ」となるのが止まらなかったのだが、お母さんはそうはならなかった。これが大人のモノならお母さんも「オエッ」となったとは思う。自分の子供のモノだから「汚い」とか「臭い」という意識がなかったのだろう。 　思い込みが強い人は、ある意味精神的に弱い人だと思う。まず自分で自覚できないと治ることはないだろうが、自分の家族にそういう人がいると、非常に心配になる。

  2024.03.31

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• 現在の社会的価値観②

  　前回のブログで、あるマンガから影響を受けた話を書いたが、今回もその続きである。現代社会はゆがんでいるとお父さんも日々感じているが、それをわかりやすくマンガとして楽しめるストーリーの中で語ってくれている。反対意見も多々ある問題作だとは思うが、興味があれば「KAKERU」のマンガを読んでみるのはいいと思う。 　さて前回の続きに戻ろう。このマンガでは性描写が多いこともあり、性や男女の生物としての在り方と、人間社会が作り上げた常識のギャップもよく出てくる。　少子化問題を訴えながら、女性の社会進出を促し、子供を産む最適年齢を過ぎた後に結婚した男女が、不妊治療にお金をかける。第1子を30歳で生むのと20歳で生むのとでは、そのあとに生む子供の数には変化が出るだろう。だが、若いうちに生んだ方が良いとは、今の世の中では絶対に言ってはいけないことである。公式に立場ある人が言えば間違いなく糾弾されるし、有名人がSNSでつぶやいただけでも炎上する。だが、統計を取ればおそらくきっちりと真実として違いが出てくることだろうと思う。 　話は少しずれるが、最近のライトノベルやそのコミカライズをよく読むが、異世界へ転生する話がとても多い。それも世界史で言う中世の封建国家の世界である。身分制度があり、奴隷がいる場合もあるし、現代的な価値観のない世界である。そこで現代の価値観である基本的人権や表現の自由、男女平等などを使って人望を得るパターンをよく見かける。　勧善懲悪で話が進む子供向けや爽快感だけを求める大人向けである。人生の深さなどそこにはない。正義と悪との戦いである。 　もしお父さんが実際に同じように中世の世界に転生して、主人公と同じことをしたら、すぐに生きていけなくなるだろう。　奴隷という制度が常識的にある世の中で、奴隷に人権を認める行為をすれば、犯罪になるかもしれない。レストランに奴隷を連れて行って、席に着かせて一緒に食事をするという行為は、現代で言えば、家畜を無理やりレストランに連れてきて、食事をさせるのと同等の行為であるからだ。お父さんがレストランに牛や鶏を連れて行き、席を用意させて食事をすることをレストランに求めれば、追い出されるか警察を呼ばれることだろう。 　人種差別も男女差別も身分制度もすべて同様であるとお父さんは思っている。世の中の進歩とともに世界の常識が変わっている（というより作られている）だけで、その時代にいきなり数百年後の価値観を持ち込んでも無駄である。まあ小説やマンガにそこまでのリアリティを求めるのは無粋であるし、現代の価値観を知っているお父さんはその小説を楽しむことができるのは確かである。 　ちなみにお父さんはアメリカで3年過ごした経験から、人種差別は制度上で無くすことはできても、心から消すことはできないと思っている。今の価値観は産業革命以降に世界を席巻した欧米人が最も上となっているが、この順位はアジアやアフリカと入れ替わるかもしれない。と言っても数百年はかかると思うが。　だが、人種間での差別は混血として融合が進み、人種での差異が物理的に消えない限り無くならないだろう。なぜなら、生物は自分と異なる身体的特徴があるモノを自分と同じとは考えないからだ。 　お父さんはアメリカに3年住んだが、本能的に人種の違いを感じ続けていた。ところがアジアで外見が同じ外国人にはその本能的な違いをあまり感じたことがない。アジアで感じるのは、文化的違い、習慣の違い、思考の違いぐらいである。　おそらくアメリカでお父さんとあっていた人も、本能的な人種の違いは感じていたと思う。先進国のミドルクラス以上の人としか付き合っていないので、差別的な扱いを受けることは少なかったが、それでも街中で生活している中では、いろいろと差別は受けてきた。あまり気にしないで生活していたのは、自分の方が社会的には上だという優越感があったせいだと思っている。 　社会的価値観はこれからもどんどん変化していくし、行き過ぎれば揺り戻しもあるだろう。LGBTERの問題などは、いつか逆になる可能性は十分にあると思う。これも人種差別と同様に、人間が本能的に感じる嫌悪感を制度で抑えるものであるからである。 　お父さんが有名人であれば、このブログの内容だけで社会的制裁を受けることになるようなことを書いたが、言論の自由よりも社会正義が優先される今のいびつな社会的価値観が長く続くとはあまり思っていない。

  2024.03.30

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