寮生活の料理
コーヒーを飲み始めた話を書いていて、浪人中の寮での食事の事を思い出したので書いてみようと思う。 高校卒業したばかりの10台後半の体は常に飢えているモノである。夕飯を食べたから翌朝まで何も食べなくて大丈夫ということはお父さんにはできなかった。いや食後からすでにおなかがすいた状態だったと言ってもおかしくないかもしれない。 おかげで高校卒業を、体重は増え続けて今に至っている。 さて予備校の寮の部屋と言うのは、勉強するか寝るかしかできない部屋である。共用の炊事場というか水場にガスコンロが1台(3口)おいてあったが、50人ぐらいでその数では到底間に合うものではない。 そのため寮生の部屋での飲食はコンビニの弁当や、カップラーメンなどのインスタント食品が定番であった。お菓子が好きな人はお菓子を大量に食べていたが、お父さんはお菓子があまり好きではなく、とにかく米や麺などの炭水化物が大好きだった。 カップラーメンはお父さんにとって貴重な食糧だったが、仕送りを受けているだけの浪人生には値段が高く、大量に買うことはできなかった。 ただ実家から段ボールで食料品を送ってもらうことが何度もあり、そのたびにカップラーメンやインスタントラーメン、レトルトカレーなどが入っていた。 最初の頃はカップラーメンばかり食べていて、インスタントラーメンやインスタントカレーは食べなかったので、在庫が増える一方だった。 そこで考えたのが、カレーラーメンである。お父さんがもっていた電気ポットは旧式で保温機能もなく、コンセントにつなぐとただひたすらお湯を沸かす仕様であり、沸騰したら加熱が止まることもなかった。 そこでインスタントラーメンをポットで茹で、茹でながら一緒にカレーのレトルトパックを温めた。茹で上がった麺をどんぶりに麺だけ移し、その上にレトルトカレーをかけるとお父さん風のカレーラーメンができあがる。炭水化物のカタマリであるが、これが実に美味しかった。 カップラーメンはもったいないので1個しか食べられなかったが、袋めんは当時安いと1袋50円程度で購入できた。もちろん5個セットとかではあったが。レトルトカレーもほとんど両親が送ってくれたものを使っていたし、安売りしているモノを見つけると購入していた。あまり高くて困ったという思いではない。 寮生活の1年間、このインスタントカレーラーメンには本当にお世話になった。旧式の電気ポットも部屋で料理ができるとても便利な相棒であった。今同じものを作って食べなさいと言われれば、ちょっと躊躇してしまうが、当時はそれでものすごく満足していた。 ちなみに他の寮生も工夫していろいろ料理をしていた。炊飯器でホットケーキミックスを使ってケーキを焼いたり、同じく炊飯器で鍋パーティーもやったことがある。当時の電気製品はあまり余計な安全措置がついておらず、ふたを開けたままでも加熱ができた。今の炊飯器ではなかなかできないのではないだろうか。 息子があと数年で大学生になり一人暮らしを始める予定である。学生寮に入りたいと言っているが、空腹をどのように満たしていくのかとても興味がある。