集談会とネットの融合について
森田理論学習はどのように進化していくのだろうか。昔は本屋で森田先生、水谷先生、長谷川先生、高良先生、青木先生等の書籍を通じて森田療法と出会った人が多かった。現在は圧倒的にインターネットを通じて森田と出会う人が多いのではなかろうか。ホームページとしてはNPO法人生活の発見会、公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団、森田療法学会等数限りなく多い。あるいは私のやっているブログを通じてという人もいるかもしれない。今やYou Tubeには森田療法の著名な先生がたくさんでてくる。また森田療法を紹介したDVDもある。ここで興味を持った人はNPO法人生活の発見会の会員になり、森田理論の学習を始める人も多い。そこでは毎月機関紙として「生活の発見」が発行されている。体験談や理論学習、森田の情報が詰まっている。この機関誌を読むだけで学習が進む。さらに全国に100カ所以上もある集談会に参加して学習と支え合いが始まる。そこでは一泊学習会のような催し物もある。また、公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団は、全国で「心の健康セミナー」を援助しておられる。一般向けに広報活動をされているのである。以上が森田理論学習の現在の姿である。しかしながら、残念ながら、これらが有効に効果を発揮しているとは言い難いのが現状である。これは学習環境が大きく変化してきたからである。これからは私の大胆な予測で将来の森田理論学習の姿を紹介してみたい。将来現在の森田の唯一の自助組織である生活の発見会の集談会は、このままでは減少していくだろうとみている。その理由は、集談会が正常に運営されるためには、森田理論やカウンセリングに精通した参加者が最低一人は必要だと思う。それが満たされないと集談会として正常に成立しにくい。現在盛んに議論されている傾聴、受容、共感は集談会存続の必要条件ではあるが、集談会存続のための十分条件とは言い難いのである。これを食い止める方法はないのだろうか。私はあると思っている。私はネットとの融合に将来の光明を見出している。インターネットの普及をどう自助組織に取り組んでいくかによって、集談会の将来が決まるといっても過言ではないと思う。今やインターネットを使った、森田理論学習、講話、体験交流、個人相談、仲間作り、情報発信が可能な時代となった。それはここ20年で急激な変化を見せて激変したのである。今後その内容をさらに高めていく。それと集談会を有機的に融合していくことが森田理論学習の盛隆につながると思う。ここで今の集談会は全く意味がないと言っているのではない。集談会の存在は心の安全基地の役割を確かに持っている。でも今のままでは宝の持ち腐れになると言っているのである。こういうとパソコンを持っていない人はどうするんだという声が聞こえてきそうである。それは基本路線をきちんと整備したうえで当然ケアすべき課題であると思っている。さて生活の発見会では、すでにオンライン学習会の経験を積み重ねている。今後はさらに学習内容を見直して、ステップアップ学習会を立ち上げれば基礎的学習はインターネットで可能となる。これを系統的に集談会の中で展開していくことはとても難しい。ネット環境の中で全国展開として取り組むことで成果が上がりやすい。森田の真髄を捉えた講話は、たとえば東京で講話をされれば、スカイプを通じて地方の集談会で視聴可能となる。スクリーンに投影すればリアルタイムとなる。講師の顔もパソコン上に表示される。また講師に対して質問も自由におこなえる環境にある。マイケル・サンデル教授の中国、日本、アメリカを結んでの白熱授業はまさに時代の先取りであった。また現在予備校の授業はそうなっている。こんな時代にもうすでになっているのである。それらをDVDにして貸し出して、個人の学習の材料として利用できるシステム作りも必要となる。いつでも、どこでも森田理論学習ができる環境作りが重要になってくる。これを活用しないのはもったいない。肝心なことは、この変化に敏感に反応して、変化の波に乗ってしまうことである。個人相談、日記指導もメール等で可能となっている。システム作りができていないだけである。情報の発信は今やホームページが常識となっている。ホームページをさらに充実させて更新していくことは今や必須である。生活の発見誌は、将来は会員に対してネット配信に変わるよう気がする。これにより経費が格段に安くなる。ネット環境のない人に対して、別途手当は当然必要となる。ネットの欠点は集談会と違って相手の顔が見られないと言われていた。その認識は今や過去のものとなりつつある。スカイプを通じて最大9カ所までの画像表示ができるようになった。集談会同士を結び付けた学習会も可能となりつつある。我々は集談会の運営ノウハウやメリットは分かり過ぎるほど熟知している。今の重点施策としては、インターネットを使った森田理論学習の可能性を模索していくことである。それと今の集談会を結び付けていくのである。全国展開に持ち込んでいくのである。そこに森田理論学習の普及の盛隆がかかっていると思う。私のこのブログは来年5年目を迎える。5年間は毎日投稿する予定です。当初の予定通りである。6年目からは投稿頻度をかなり落してゆっくりと継続させてゆくつもりである。そしてホームページの立ち上げ。ステップアップ学習会の主催、メールやスカイプを利用した個人相談、メール相談、日記指導に力を入れた活動を展開してゆきたいと考えている。来年のブログ5年目はその準備期間を兼ねる。どんな障害が待ち構えているか、今から楽しみにしている。