子どものしつけをどう考えるか
人間は自由を制限されることを嫌います。いつも自由気まま、自分の思い通りに行動したいと考えています。しかし社会的動物である人間が自由気ままに行動すると大混乱に陥ります。ルールを無視して、欲望が暴走すると人類の将来はありません。例えば次のようなことが起きます。MR検査では身体を固定されて、細い筒のようなものの中に入れられます。身動きできないのでパニックになって気が狂いそうになります。それがイヤで検査を拒否すると、自分の健康状態を掴むことができません。仕事をしている人は最低限のノルマを果たす必要があります。営業マンの場合は自分の給料の3倍の利益を出さないと会社がつぶれてしまいます。コンサート会場では、スマホはマナーモードにしておく必要があります。また会場内では飲食は控えなければなりません。幼い子どもがいるときは、キッズルームがあればそこで聞くことになります。信号機が赤の場合は停止しなければなりません。信号無視は重大事故につながります。信号のない交差点では、一時停止して安全を確認する必要があります。スポーツでは様々なルールがあります。格闘技などで、ルールを無視すると単なる殴り合いになります。これらの規制は何を意味しているのでしょうか。自由というのは、社会の取り決め、共通認識、規則、ルール、法律、しきたりという枠内でのみ許されているということだと思います。それらを無視して、自分の思い通りに行動すると社会が大混乱します。社会的な生き物である人間にとって決して許されるものではありません。このことは特に子育ての中で大いに活かしていく必要があります。親は子どもに対して、やってはいけないこととやらなければいけないことを、強制力を持って教えていかなければなりません。社会のしきたり、ルール、規則、社会常識、命にかかわる危険な行為、法律などを厳しく教える必要があります。それがしつけと言われるものです。一度で身につかないものは何度も教えていく。子どもが自由に行動してよいというのは、親が決めたルールの範囲内でのみ許されるということです。好き勝手になんでも自由にさせていると、欲望が暴走して放縦児になります。一旦放縦児が出来上がってしまうと手に負えなくなります。親が幼い子どもに、自由に行動できる範囲を教えることは、子どもが大人になったとき、自ら欲望の暴走を防ぐことができるようになります。親は子どもに、我慢力、忍耐力、自制心を身に着けさせるという大事な役割を持っているということです。次に、規制の枠内では子供に対して、自由に行動させることが肝心です。少々のことには目をつむって、敢えて冒険させることです。少々の困難に立ち向かっていく勇気、意欲を育てていくことが大切になります。その時に参考になるのは普段の親の生き方です。森田理論で人生観を確立した人は、好奇心旺盛でいろんなことに挑戦していますので、子どもにとってはとても役に立つと思われます。