我慢できる子供に育てる
ある程度、我慢できる子、すぐに逃げないで困難に耐えてがんばる子どもに育てる事は大切だと思います。そうしないとすぐに欲望が暴走して、制御不能な人間になってしまいます。そうなると自他ともに不幸な人生が待っています。欲望を追及する姿勢とともに制御力を身に着けさせることは親の重要な役割です。そのためには、赤ちゃんのときの親の育て方が大変重要になります。多くのお母さんは、子供が泣くと、すぐに子供を抱きかかえます。これは愛着の形成にとってとても大事なことです。しかし、これは程度問題のようです。抱き癖がついてしまうと、赤ちゃんは泣きば親は何でもしてくれるという気持ちになってしまいます。何でもかんでも親に甘えて、我慢のできない子、自己中心的で依存体質の子供になる要因が形作られるようです。我慢できないとすぐに衝動的な行動をしてしまいます。これは子供の将来にとってはよくありません。 赤ちゃんが泣くのは、最初は意思表示の為です。お腹が空いた、眠たい、おしっこが出た、気持ちの悪いところがある、痛いなどなどです。何かを訴えて泣くわけです。その訴えていることを正確に知り、その時に応じて、お母さんは赤ちゃんにどういう態度をとるかを決めなければなりません。何をしてやるのか、やらないのか。赤ちゃんの状態をよくつかんで、臨機応変に対応することが大切です。何でもかんでも抱きかかえて、泣きやますことでは、子どもに我慢の力はつきません。今の日本では、赤ちゃんの頃から甘やかしを容認する風潮がありますから、 「赤ちゃんの甘えを受け止める」ということと、 「甘やかす」ということの区別が明確でないのです。子供の要求をホイホイ叶えてやる母親は、本当は子供のことよりも、自分自身が楽な方向へ流れているだけなのではないでしょうか。子供に黙っていてもらうために、子どもの要求をすぐにのんでしまっているのではないでしょうか。それは大変危険なことです。まず子供に「待つこと、我慢すること」を教えなければなりません。そのためには、親が子供のわがままを通してしまってはならないのです。子供の言いなりになる方が泣かれるより楽だと考えてしまってはいけないのです。次に、子どもが何かを欲しがっても、ついホイホイと安易に買いに与えず、まず最初に「がまん」を教えることが大事です。それはときには「待たせること」であるかもしれません。友達と分け合うことかもしれません。大人と同じ権利は子供にはないよ、と子供に教えることかもしれません。この我慢こそ、子供の心を鍛え、欲しいと思うもののために努力する喜びを子供に与えるのです。そして、そうした忍耐の一つ一つが、子供のやる気を引き出し、生きる力の土台を作っていくのです。子供はデパートやスーパーに行くと、欲しいものがあるとすぐに買ってといいます。何でもかんでも子供の言う通りにすぐに買ってはいけません。高価なおもちゃは誕生日やクリスマスまで待たせる。だいたい子供が「欲しい、買って」というのは、その場かぎりで長続きしないことも多いのです。ある園長先生は、 「子供が欲しいと言ったら、すぐに買い与えないで3週間待ちましょう。そして、もう一度欲しいかどうか聞いてみてください。たいていはどうでもよくなっています。子供の流行の周期は短いですから、 3週間待って、まだ欲しがっていたら本物ですから、買ってあげてください」とおっしゃったそうです。(ちゃんと我慢のできる子に 田中貴美子 、 PHP研究所参照)