感情の法則3を生活の中で活用するために
感情の法則の3は、「感情は同一の感情に慣れるに従って、にぶくなり不感となるものである」です。この理論を分かりやすい例で説明します。たとえば、湯船に浸かるとき、最初は少し熱いなあと思って、水を入れてお湯の温度を下げることがあります。しばらくすると、今度は反対に少しぬるいと感じることがあります。冬場などはまたお湯を足したりします。最初に熱いなと思った時、そのまま我慢することができれば、その熱さに慣れてストレスがなくなるということではないでしょうか。この法則の活用方法について考えてみました。私は毎日自転車に乗っています。チェーンが緩んでカバーに当たって音がするようになりました。最初の感情を大切にして、すぐにお店でチェーンを張ってもらえれば解決したはずです。私は、何とか乗れるのでそのままにしていました。すると感情の法則通り、違和感に慣れてしまいました。最初は急いで修理に行くつもりでしたが、そのうち急いで修理に行くことは考えなくなりました。それが当たり前になってしまったのです。2ヶ月くらい経ってたまたま販売店に行くと、もっと大切に扱ってくださいと言われました。そのまま乗っていると、チェーンが外れて自転車が壊れますよ。最悪事故につながりますよ。最初に気づいた時点で相当緩んでいますから、次はすぐに寄ってくださいと言われました。そういわれて初めて、シマッタと思いました。森田理論でこの部分は何度も学習していたのに、活用していなかったのです。問題があるのに、それを放置していると、最初の貴重な感情は薄まってしまう。問題が深刻化して、切羽詰まって相談したときはすでに手遅れと言うことがあります。理論として知っているだけで、活用していないのは片手落ちです。特に、重大な病気の場合はそういうケースが多いようです。最近は会社勤めの人以外は、年1回の健康診断も受けていないという人もいます。私の身内や友人たちも、最初は頭が痛い、食べ物が飲み込みずらい、胃が痛むことがあると感じていたにもかかわらず、たいしたことはないだろうと市販の薬などを飲んでいた。いつまでも治らないので、病院に行くと重大な病気だった。そのときはかなり症状が進行していたということがあります。最初の違和感があった時、万が一というふうに取り扱っていれば、なんとかなったのではないかと思うことがあります。私たちは森田理論で、最初の小さな感情や気づきを大切に取り扱うことを学んでいるわけですから、理論に従って行動するようにしたいものです。